第18話 変態日記
主役はお分かりですね?
そう、アイツです
「えーっと・・」
「大丈夫?ユズキちゃん」
「あ・・星武君」
やっぱりユズキちゃん可愛いなぁ
ハーレム作り終わったら一番にしよっと
二番はアールちゃんでしょー?三番はマーレちゃん、四番目はソーミィちゃんで・・
イズリ秘書やウルス管理長も中々・・ふふふふっ
「何か困った顔をしているけど、何かあったの?」
「前の任務でミスしちゃって、書類を書かなきゃなんだけど、忙しくてできないの!」
涙目で訴えるユズキちゃんも可愛いな~
そうだ、ここは良い所を見せないと!
「ユズキちゃん、書類変わってあげるよ?」
「本当!?」
とても嬉しそうな目で俺を見ている
「うん、俺やるから次の任務行っておいで」
「ありがとう!星武君!」
そう言ってユズキちゃんは次の任務へ向かっていった
「さーてと、愛しのユズキちゃんのためにも頑張らなきゃな~」
ユズキちゃんの書類は以外と難しかった
これじゃユズキちゃんも出来ないよな
俺は部屋を出る前に熱々のホットミルクを机の上に置いた
しかも、「お疲れ様、書類は出しておくね」っていうメモ付き!
コレで好感度アップ間違いなし!!
おれがハーレム作る日もそう遠くはない!!
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「う・・・」
「どうしたの?アールちゃん?」
「あ・・星武」
アールちゃんも可愛いなぁ~
「実は、この長期任務なんだけど・・次の任務が山ほどあって、行く暇が無いんだ」
「じゃあそれ、俺が引き受けてやるよ」
「え・・でも星武はどうするの?」
「俺は最速の魔導師だよ? 大丈夫だ」
「・・そう」
「だからほら、次の任務行って来なよ」
「ありがとう、星武」
アールちゃんはそのまま走って任務へ行ってしまった
この任務、3つの星の生物と星の破壊
確かに俺以外だと長期任務だな
だけど俺は最速の魔導師!1時間で終わらせるぜ
「行くぞ、アダーマス」
〈了解、マスター〉
宣言通り俺は1時間で終わらせた
「星武、大丈夫だった?」
「平気さ、アールちゃんこそ、大丈夫?」
「私も大丈夫。 星武、ありがとね」
よし、好感度アップ!
理想のハーレムまでもうちょっとだ!ぐふふふっ
† † † † †
そして俺は気に入っている子達を次々に助けてやり、その子達も好意を抱いていた
今俺は・・・
「星武~遊ぼ!」
「ユズキ、星武は皆のものだよ」
「そうだよ!抜け駆けは駄目だよ~!」
「わ、私は魔導師じゃないけど・・星武が好きなんだもん!」
ハーレムを作り上げ、幸せな日々を送っているのさ!
あぁ、望月はぶっ飛ばしたよ やっぱ主人公はこうでなくちゃな☆
† † † † †
「不愉快だ・・」
暗い世界、僕1人
人の幸せな夢を盗み見し、絶望へと色を変えるこの世界
今日の夢は不愉快だった
覚えていないけど、多分アイツの夢
不愉快だ
どこでこのイライラを解消させよう
この世界じゃ、魔法は使えない
どこまでいっても暗い世界
ループしているのかも分からない
「あぁ・・そろそろこの夢も、絶望へと・・悪夢へと、変わっていく」
† † † † †
「うわぁっ!?」
俺は飛び起きた
冷や汗で体はビショビショ
どんな夢だったか、覚えていないが・・
最初はいい夢を見ていた筈なんだが・・・
途中から、とんでもない悪夢を見ていた気がするんだ
全ての希望を絶望に変えていくような・・
「あぁ、そろそろ行かないとヤバイな」
そして俺はゼリスクへと向かった
ふと医療室が目に入った
少し覗いていくかな ・・ユズキちゃんとか居ないかな?
「お邪魔します」
・・誰も居ない?
カーテンも閉まったまま 薄暗い部屋、薬品の臭いがツンとする
そして俺は部屋の隅のベットに近づいた
そこには1人の少年が眠っていた
いつも無表情で冷静な望月
そして彼は物語の登場人物でもない、俺達のような転生者でもない
イレギュラーだと言った
こいつは何を抱えているのか
ハーレムを作るためには、まずそれを解決しないといけないかもしれんな
そして俺は今日もハーレムを夢見て、任務に励むのだ
あれ?前半までは変態だったはずだ
あれか、雪矢が絡むと微妙なシリアスになっていくのか!!
チクショウ、変態を突き通せるような人じゃなかったのか、コイツは!