第13話 姉妹、正義へ入る
「今日は転校生を紹介します!」
「せんせーっ!女の子ですかーっ!!?」
バカな男子が質問する
僕にとってはそれも、どうでもいい
「女の子よ、双子のね」
先生の言葉に雪矢の眉が少し上がる
双子・・ミラトゥネ姉妹か 厄介事が増えた
「2人ともいらっしゃい」
「「はい」」
扉を開けて入ってきたのは、淡い紫のロングヘアーを一つに結って、翡翠色の目をした子
もう1人はその逆 翡翠色の髪と、淡い紫の目の子
『わっ、かわいい!』
「あっ!?」
「・・・」
どうしてそんな事で盛り上がるのか、分からないな
「アール・ミラトゥネです」
「ソーミィ・ミラトゥネです」
「「よろしくおねがいします」
席は霧島ユズキやマーレ=ミゼ・シレナの近くか
その後、僕以外のクラスメイトが質問してたけど、そこはどうでもいいか
そして放課後、僕と霧島ユズキ、ミラトゥネ姉妹でゼリスク本部へ向かった
使い魔3匹はお留守番だそうな
「アールちゃんはソーミィちゃんの病気を治す為に盗んでたの?」
「・・ごめんなさい、迷惑かけて」
「?」
ソーミィが首を傾げている
家に寝てたし、当然だろう
「さ、着いたよ! イズリ秘書ー、失礼します」
着いたのは接待室
僕も興味があるから着いてきた
それに、やることないし
「あ、ユズキと望月君」
「・・雪矢でいいです」
望月って名前、好きじゃない
「さて、お久しぶりですね」
「はい あの時は申し訳御座いませんでした」
アールは礼をした
「事情は聞いたわ、それで咎めるつもりも無いわ」
「そうですか」
「それで、本題は何な・・んですか!?」
無理に敬語を使おうとしてるソーミィ
皆は笑いをこらえてたり苦笑したりしてるけど、僕は無表情
そこ、笑うところ?
「さて、本題は・・ミラトゥネさん ゼリスクへ入ってみませんか?」
「「入ります!!」」
「「早ッ」」
イズリ秘書と霧島ユズキが即答した2人にツッコむ
『見習いNo.5、単独任務だ』
見習いNo.5というのは僕の事だ
単独任務は行動しやすいから早く終わる
「場所は?」
『第805世界、トウボ の巨大生物を倒して欲しい、亡骸は送ってくれ』
「分かりました」
「任務?」
「単独行動なんて・・気をつけてね」
「では」
僕は接待室を出て、転送ゲートからトウボへと飛んだ
アレ使うと正体バレるし
サロは使わないよ 正式な人だったらサロが一つ支給されるらしいし
持ってないって言っちゃったし
「さて、見つけた」
300mほど前に巨大生物がいた
トラが不気味で、二階建ての家の大きさぐらいになった奴
強靭、俊敏、凶暴らしい
「ファイア、ダンサー」
魔方陣をトラの足元に展開させ、火の玉を3つ生成させる
魔方陣が消えた後、トラの亡骸がそこに転がっていた
「弱い・・ つまらないな ゼリスク転送」
トラの亡骸と僕は一緒にその場から立ち去った
「うわぁっ!?」
「ああぁ!?」
「「キャァァァァァ!!」」
転送した先は不幸にも接待室だった
部屋は広い為、壊れる事は無いが、部屋の半分をトラの亡骸が取っている
「転送、ポッド」
生体研究ポッドの中へ転送する
直接やったら、僕まで入れられるしね
「は、早かったね」
「3分もかかってないぞ・・?」
「「・・・」」
ミラトゥネ姉妹はポカーンとしている
「じゃあ、帰ります」
「あ、じゃあねー」
「「ばいばーい」」
「気をつけてね」
今日は接待しに行こうかな
そして一旦家に帰り、ローブと仮面を付け、ゼリスクの接待室へと瞬間移動した
「皆様、ご機嫌いかがですか?」
「うわ!?」
「貴様!!」
「「リーディ!?」」
まだ話してたのです? まぁ、そんなことだろうとは思ってましたけど・・
「何しに来たの?」
「そうですねぇ・・・暇つぶしです」
本当にそうですしね
「「ブロッカー!」」
霧島ユズキとイズリ秘書が魔力網で捕まえようとしています
「======」
「「へ?」」
人が聞き取れないような声で唱える
すると、魔力網、ブロッカーは粒子になって消えた
「な・・!?」
「凄い」
「・・明日、強大な力、邪な想いを持つ者が現れ、ここに入るでしょう」
預言書の言葉を言って私は去った
「綺麗なお嬢様方は、邪な者に引っかからないように・・」
こう、忠告もして置きました
いきなりですが、物語の微妙なギャグ要素を入れる為に、
絶 対 に 報われない奴を導入します。