第11話 敵のアジトへ
霧島ユズキに気づかれたかな?
まぁいいけど。
あ、水泳のときレヴィンはカモフラージュして見えなくして着けてるよ
完全防水だから大丈夫
それに実験は成功したし
いっか
その後は適当に授業を聞き流してた。
先生が「orz」こんなポーズをしてたけど・・
何だったんだろう?
「ユズキ、私今日塾だし、先に帰ってるね」
「うん、またねー」
今日は霧島ユズキ一人で帰るのか・・
そんな事を考えてると、霧島ユズキが僕の席に近寄ってきた
「あ、あの 雪矢君」
「何?」
霧島ユズキが尋ねてきた
「放課後、開いてる?ついてきて欲しいんだ」
「別にいいけど」
あぁ、もうこれはバレてるなぁ
別にいいけどさ
「で、どこに行くの?」
まぁ、大体想像は付いてるけど
「秘密」
簡単には教えないか
霧島ユズキについて行くと、薄暗い路地裏だった
「この魔方陣の上に乗って」
「うん?」
これが転送ゲートなのだろう
少し時間がかかるらしい
こうして僕は|ゼリスク(敵)の本拠地に来た
† † † † †
接待室なのだろうか? そんなところに僕と霧島ユズキの2人で座っていた
「お待たせ」
「こんにちは」
「イズリ秘書とウルス管理長!?」
あの2人か・・ 都合がいいのやら悪いのやら
「えーっと、この子がユズキちゃんの言ってた子ね」
「望月雪矢です」
「早速だけど、雪矢君 ここ、ゼリスクに入ってみない?」
「何故?」
答えは多分 魔力があって、魔法が使えるから だろうな
「雪矢君には魔力があって、魔法が使えるの だから、ここに入って勉強してみない?」
「・・・1ヶ月、1ヶ月試しに入って、良ければそのまま入ります」
1ヶ月でどんな情報が集められるか、楽しみだ
「お試し期間ってヤツね、いいわ 今日から1ヶ月、よろしくね」
「ウルス管理長、雪矢君の両親にお話を・・」
「親はいませんよ」
目覚めたとき、既に5歳で一人だったしね
寂しくはない 親の顔も、覚えてなかったから
「そう・・辛い事聞いてごめんなさい」
「別に」
「雪矢君!1ヵ月、よろしくね!!」
「霧島さん、よろしく」
霧島ユズキが握手を求めてきたので、手を出すとガッチリと握られ上下に振らされた
正直、痛い
「雪矢君の得意属性は多分水だと思う!」
半分正解、僕は全属性、しかも唯一の属性も扱えるからね
「水・・?」
「詳しい事は、あっちの訓練室に行こう!」
「うわっ・・」
手を握られたままだったのでそのまま連れて行かれた
「ウルス管理長、雪矢君の魔力、似てません?」
「そうね・・・あの人に・・似てるわ」
† † † † †
「着いた!!」
「待ってたよ、ユズキ」
扉を開けるとそこには一人の青年が立っていた
「クワィ!」
銀髪、青目の青年その雰囲気は数々の戦場を乗り越えてきた戦士のようでもあった
「雪矢君、君の素質、見せてもらうよ!!」
クワィが言い終わったと同時に僕に向けて水の弾を投げてきた
大きさはBB玉くらい 数は5 スピードはAAランク 威力もAランクかな?
「ちょっ・・クワィ!?」
驚異的なスピードを持つ水属性の使い魔クワィ
中々・・
「面白いね」
「雪矢君!?」
僕はわざと全部直撃させてみた
水鉄砲みたい
当然僕は無傷さ
「これじゃ、駄目だよ使い魔」
自分の周りにクワィと同じような大きさの水の弾を3つほど作り、クワィに投げた
「速い! でも・・バリア!」
クワィは目の前に水色の透明な四角・・盾を作り、防御した
だけど一つはバリアを破って、もう二つは横から直撃した・・・
ように見えた
「うわぁっ!?」
「中々、恐いでしょ?寸止め」
そう、僕は当たる寸前で止めたのだ
そのまま水の弾は下に落ちて消えてしまった
「凄い・・雪矢君、君は天才だよ・・・」
「すごい・・・」
完全な空気と化していた霧島ユズキが今の一連の流れを見ていた
「誘導するなんて!私まだ出来ないのに!!練習してたの?」
「別に 後、疲れたので僕は帰りますね」
こう言って僕は訓練室を出て、家へと帰った
魔力の波長?見たいなのは地味に変えたから、同一人物とはバレないと思うよ
〈マスター、私を忘れてません?〉
あ、ごめんレヴィン ・・忘れてた
† † † † †
私が訓練室の扉を開けると、そこには一人の青年、私の使い魔クワィがいた
「雪矢君、君の素質、見せてもらうよ!!」
「ちょっ・・クワィ!?」
クワィの水の弾がいきなり私の横にいた雪矢君を狙った
雪矢君はまだ初心者の筈・・もし当たったら・・!
「面白いね」
雪矢君はそう言ってクワィの水の弾が全て直撃した
「雪矢君!?」
どうしよう・・
だけど雪矢君は無傷で立ってたの
「これじゃ、駄目だよ使い魔」
しかも雪矢君は、クワィと同じような水の弾を3つ作って、クワィに反撃した
・・すっごく速いの
「速い! でも・・バリア!!」
でもクワィは防御したからきっとこの攻撃は・・
「うわぁっ!?」
雪矢君は私の中の常識を全部覆しました
一つの弾はクワィのバリアを簡単に破壊して
残り二つの玉はバリアを避けるように横から直撃たように見えました
「中々、恐いでしょ?寸止め」
だけど、雪矢君が当たるギリギリで止めてたの
「すごい・・」
私は自然と声が出た
だって、初心者の筈の雪矢君がクワィのバリアを簡単に壊して
水の弾を誘導して、止めてたんだもん!
止める事は出来ても、曲げたりするのはまだ出来ないのに!!
雪矢君は早々と帰っちゃったの
でも、これで分かった事が一つ
リーディと雪矢君の魔力反応、似てるけど微妙に違うの
それは、他人であるという証拠でもあるの
今度雪矢君に誘導の仕方、教えてもらおっと
地味に回避。
次回は・・・うん、アールちゃんの回にするかな