第9話 石に願いを
遅くなってスイマセン
体調くずしてました
私が話を終えると皆驚愕、という表情で此方を見ていました
しばらく沈黙の時間が続きました
最初に口を開いたのはウルス管理長でした
「そんな・・・嘘よ、マジックソルチェは古代から受け継がれてきた神聖な物と・・」
「そんなもの、ただの嘘ですね 落し物に名前を書いた、これで自分の物だ でしょう?」
「しかし、ルエ=ディブルなんて聞いた事無いし、君に何の関係があるっていうんだ?」
「良い事聞きますね、イズリ秘書 しかし私は直接関係はありません」
「では・・!」
「私が嘘を吐いている・・と?」
図星だったのだろう、イズリ秘書は口を開けたまま固まっている
確かにルエ=ディブルは他人 全く関係が無い訳ではない
「親戚だったのです、私の先祖と、ルエ=ディブルは そして物語も受け継がれて行ったのです」
「しかし証拠が・・!」
「ありますよ、ほら」
ローブの袖から腕輪を見せた サロのレヴィンだ
そこにはマジックソルチェがピッタリと付いていた
「そんな・・」
「クワィ・・本当?」
「僕も良く分かんない」
「さて お話は済みましたか? マジックソルチェ、返していただきます」
「そうは行かない、お前は関係ない人、かもしれないからな」
「・・シリアルナンバー1【ディセディリオ】 ナンバー2【ヴィニィヴィレオ】」
私はマジックソルチェの中でも力の有る2つの名前を言った
「そんな・・・」
「まさか・・」
「「「「?」」」」
霧島ユズキ、クワィ、アール、リーフィの4人は完全に空気ですね・・・
「「合ってる・・!」」
イズリ秘書とウルス管理長が声を揃えて言った
「これで、分かりました?」
「プレーンディレ!」
「・・なっ!?」
ウルス管理長が魔力で作った輪に捕まってしまいました
「取調室で、ゆっくりお話を聞かせてもらいます」
「そんな・・ なんてね?」
私は力を少し入れただけでプレーンディレは砕けてしまった
「何で!?」
「返してもらいますね」
私はハイドを使って見えなくし、猛スピードでマジックソルチェを全て懐に入れた
あぁ、計画では何回かに分けるつもりでしたが・・・
仕方ありませんね
「ハイド、オフ」
「な・・いつの間に!?」
この間大体0.2秒ですかね?
「速い・・」
「さて・・そろそろ帰りますよ、アール」
「あ、はい」
「私もいるの忘れないでなの!」
皆掴まりましたね?
「それでは失礼 瞬間移動」
「あっ、待っ・・」
「あれ?」
「居ない・・・」
〔バンッ!〕
「イズリ秘書っ!大丈夫ですか!?」
「あのガキどこだぁあ!?」
結界が解けた事により、追いかけてた人々も保管所へ入る
「あの子達ならもう居ないわ、どこかへ転移したみたい・・」
† † † † †
「ここ・・私の部屋?」
「そうです、私の瞬間移動は座標が無くても行けますから」
転移先はアールの家 そしてアールの部屋だ
靴はちゃんと玄関に転送してありますよ
にしても、ぬいぐるみがたくさん ファンシーなお部屋ですね・・
「えーっと、マジックソルチェ10個ですから・・ はい、魔石10個です」
「これ、でっかいの!」
リーフィが見つけたのは拳大の特大魔石だ
普通サイズより大分大きいだろう
「さて、アール・ミラトゥネ、貴方の願いは?」
「・・本当に、叶えてくれるの?」
「約束したではありませんか、約束は守るタイプです」
アールの顔が真剣な物に変わって、声を荒げて言った
「ソーミィを・・妹を助けて!!」
「状態は?」
「・・・ 不治の病でもうすぐ死んでしまいそうなの 血を吐いたりして・・もう私にはソーミィしかいないのに・・ソーミィが居なくなったら・・私は・・!」
アールは言い切ると俯いてしまった
成る程。 そういえば魔石の一つに願いを叶える物がありましたね
最初、マジックソルチェと魔石、間違えてしまったのでしょう
「妹さんの所へ連れて行ってください」
「こっち」
アールに連れて来られた部屋、その中に入ると血の臭いがツンとした
「・・! ソーミィ!大丈夫!?」
「・・・すぅ・・・すぅ・・」
「生きてるね、リーディ、お願い、早くソーミィを助けてあげてなの・・」
「分かりました 来い、治癒の杖」
私が手から出したのは木でできた杖、先端には先ほどよりも少し大きい拳大の魔石が付いている
その魔石の色は透き通るほど淡い水色、ほぼ透明に近い色だった
「トラットメント(治療)!」
私はソーミィに杖を向けた
魔石は白く綺麗な光に包まれ、ソーミィの体をやわらかく包んだ
しばらくすると、魔石の光が治まった
「戻れ」
そして治癒の杖はリーディの手に吸い込まれるように消えていった
「うぅ・・・ん」
アールは声がした方に顔を向ける
「おねえ・・ちゃん?」
ゆっくりと起き上がった少女はベットのすぐ側に居る姉の事を呼んだ
「ソ・・ソーミィ!!」
「うわぁっぷ・・・苦しいよ~」
「ソーミィ、ソーミィ、ソーミィ・・うっ・・ソーミィ・・ううっ」
妹の名を連呼し、抱きつき、泣いている姉
リーディ達はスッと部屋から出たのであった
〈マスター、人には家族が、そんなに必要なのですか?〉
「心の支えとして・・必要ですよ レヴィンも、私の家族です」
〈そう・・ですか〉
「レヴィン?嬉しくないのですか?」
〈いいえ、家族と言われたので、少々戸惑ってしまいました〉
「そうですか」
閉じられた部屋の中から聞こえるのは
妹の回復を喜び、泣く 心優しき姉と
泣いている姉を慰める、夢がいっぱいの妹
二人はこれで、救われたのでしょうか・・?
「リーフィ、貴方も行かなくていいのですか?」
「そうだね、私はアールの使い魔!行ってくるの!」
廊下に一人残された少年も、家へと転移するのであった
ソーミィ ラテン語の夢を適当にいじりました。
読み方なんて分かりませんから・・orz
多分誤字脱字、意味不明文章回だと思うので
あまりにも変だ というところは指摘してくれると幸いです
次回は少しほのぼのさせたいです
では、10話にて、お会いしましょう