歴史を変えた少年
掲載日:2026/03/20
少年が居た。
努力をしない少年だ。
そのくせに言う。
「何か大きいことをしたい」
何かをすればいいのに。
何一つしない。
学校の宿題さえも。
そんな折。
国の兵士が彼に目をつけた。
「君。歴史を変えないか」
「歴史を変える?」
「あぁ。君にしか出来ないことだ」
少年は喜んだ。
幼い彼には『自分にしか出来ないこと』はあまりにも蠱惑的だった。
少年はそのまま誘われるままに見知らぬ場所に連れていかれた。
「ここを歩けばいいの?」
「あぁ。ここを歩いていればいい」
少年は言われるがまま歩いた。
国と国の境を。
そして銃声が響いた。
国境付近ではある程度の『事故』は見逃される。
だけど、それは目撃者がいない場合に限られる。
しかし、偶然にもその光景を見ていた兵士が居た。
『罪のない子供を何故撃った』
『何も知らない子供が殺された』
『これを見逃して良いわけがない』
それはあまりにも美しい大義名分だ。
国が欲しくて仕方のないものだった。
故に。
その日、歴史は変わった。




