三蹴 テリー
テリー
「やれやれ。いきなりハッサンをイカせるとはな。こいつはとんだじゃじゃ馬ハリケーンガールが、異世界から来たものだぜ」
「て、テリーさん⁉」
貴央先生の脳がバグる。
「い、いや、私の推しはあくまで幻野くん、ボッツだ!」
「俺も推してくれよ。可愛い死神ちゃん?」
「はい! 推します!」
貴央先生はテリーに顎を軽く持ち上げられ、きらきらした瞳で唇を差し出す。いや、ドラクエ6はこんな乙女ゲーだっただろうか。そして先程のハッサンとの反応の差が露骨だ。ハッサンはいじけてしまうが、
「ああ、いやハッサン! 私は君も好きだぞ! 筋肉を嫌いな女子はいないからな!」
そう、筋肉とは強さの象徴であり、女性だとなかなか手に入れがたいものだ。つまりハッサンのような筋肉達磨も、ある種女性が憧れる理想像に近いとも捉えることができる。ハッサンは元気を取り戻し、
「ハッスル、ハッスル」
とハッスルダンスを始めてしまった。それを見て貴央先生は、ゲームのままだあと少し嬉しくなる。そう、貴央先生は初登場時からずっとドラクエ6大好き少女なのだ。
「この子が、ターカオ。本当に」
「私そっくり」
ターカオの声と貴央先生の心の声が重なった。そして、
「ぐわああああああああああああああああああああああああああああああああああ‼」
「貴央先生‼」
貴央先生とターカオの身体が発光し、
「全て理解した」
二人は一人のターカオとなる。
「ママダンテ」
ターカオの衣服は全て弾け飛び、
超火力の攻撃がダークドレアムを強襲する。
「ぐわああああああああああああああああああああああああああああああああ‼」
ダークドレアムのパンツも弾け飛ぶ。二人はしばらく全裸で向かい合い、
「私の負けだ。で、望みは何だ?」
「デスタムーアを倒して、世界を平和にしたい」
「良いだろう」
ダークドレアムは快諾し、デスタムーアのいる狭間の世界へ飛ぶ。ターカオらを連れて。
ターカオ