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第7話「“かわいい”の底力! 新たな刺客、現る?」
手芸部が“縫い合い”バトルで勝利を収め、校内に一躍注目されてから数日。
部室にはお祝いのメッセージや差し入れが増え、志乃と真宵の表情も明るい。
「まさか、私たちの“かわいい”がここまで認められるなんてね」
「うん。でも、油断は禁物だよ。まだ何かが動いている気配がする」
そう話していると、突然――
ガラッ
新たな女子が部室のドアを開けた。
黒髪ロング、眼鏡をかけたクールな雰囲気。
手には大きな革製の製図ケースを抱えている。
「失礼します。私は“ファッションデザイン研究会”の新入部員、橘 詩織。あなたたちの“かわいい”の力、見せてもらいました」
「……また刺客か?」
「いいえ。私は挑戦者よ」
詩織はゆっくりとケースを開き、中から美しいデザイン画を取り出す。
そこには革、レース、刺繍が織りなすハイファッションの世界が描かれていた。
「このデザインを、60分で形にするバトルをしませんか?“かわいい”と“芸術性”、どちらが真の美なのか――」
志乃と真宵は顔を見合わせて――
「……受けて立とう!」