第18話「挑発と衝突! かわいいvs魔女スタイル」
放課後の手芸部室。
東堂つばきが持ち込んだ、黒革に紫レースを重ねたドレスの試作品がテーブルに広げられる。
「これは……すごい……!」
詩織が息をのむ。
「色使いも構造も大胆なのに、どこか品がある」
真宵も目を輝かせた。
だが、志乃は一歩引いて、つばきに尋ねた。
「あなたの“かわいい”って、どこにあるの?」
つばきは、わずかに口角を上げて言った。
「“かわいい”は感情じゃない。技術で支配する“形”よ」
【思想の違い】
志乃:「でも、私たちは“心からかわいいって思えるもの”を作ってる。
誰かに喜んでもらいたくて、わたしたち自身も笑いたくて――」
つばき:「それは甘えよ。芸術もファッションも、評価されるのは“完成度”だけ」
【火花、散る】
周囲が息をのむ中、つばきは言い放った。
「それでも本気で勝ちたいなら、来週。模擬展示会で勝負しましょう」
「ええ、望むところよ!」
志乃が即答する。
【動き出す部員たち】
「絶対に負けない。“かわいい”は、心を動かすんだって証明する」
志乃の瞳は揺るぎない。
「それに……今の私たち、技術だって成長してるから!」
仲間たちが次々に集まり、思い思いの新作を構想し始めた。
レース、編み込み、パッチワーク、アップサイクル、刺繍。
すべてを“かわいい”で繋ぐのは、彼女たち自身の想いだった。




