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非日常

作者: 白雪真守

りんごを一切れ

無性に食べたくなって、夢中で齧ってしゃぶりついた。

優しくて甘い蜜の味がした。


結局、僕は迷子になってしまった。僕の人生という道のど真ん中で。

せっかくできた大切な人たちはなんだかんだ遠くに離れてしまった。

「また会おうね。絶対だよ。約束ね。」


なんて、首輪のような言葉で安心を強引に得ようとしても、それはただの自己満足の肩書きにしかならなかったのだ。


また、僕は孤独になった。騒がしい教室の中で、騒がしい喫茶店の中で、静かな車内で。


あの人にはもう会えないのかな。君のそばで笑っていたかったよ。

みずみずしいりんごの香りが僕の鼻に通っていく。


不安や悲しみが、ほんの少しだけ、溶けた。

昨日、ラーメンを友達に奢ってもらった時みたいに、ほんの少しだけ自分の気持ちを優しさと安心に上書きできた。






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