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めしやがれ!  作者: 四浪久間
9/9

一粒で、元気百倍グリコーゲン!


そうかー異世界人とは人体の構造その物が違うわけだな!

ああ使いたかったな、まかんこーさっぽー...



しょんぼりする私に、丸は後ろ足で立ち上がり、ガサゴソとサコッシュから何かを取り出した。


「これでも食え。」


ちんまい手のひらには、半透明のオーブンシートの様なもので丁寧に包まれた、小さい四角い物が乗っている。



「キャラメル...?」


受け取って包みを剥がすと、艶のある茶色いキャラメルだった。

ポンと口に入れると、豊かなミルクの風味と香ばしいカラメル。鼻にぬけるバターのリッチさを、後から塩味が追いかけてくる。



「これ、塩キャラメルだ!!」



美味しい...。

良く考えたら忙しすぎて飯も食っとらんかったわ。

くぅ~~、甘さが染み渡る...。



「って、キャラメルなんてあるの!?」

「トラベラー達のお陰でな、料理、医療、被服、建築、色々と栄えてるんだよ。」




異世界チートってヤツですな!


確かにキャラメルは、牛乳と砂糖があれば作れるって、北海道の生キャラメルで有名な芸能人が言ってたわ。

詳しい作り方は知らんけども。



「じゃあこの世界は、私の所とそんなに変わらないのかな。」

「そうでもないらしい。というか、俺は嬢ちゃん達の世界を実際に見た事はないから比べられないが、前に異世界課に連れてったトラベラーがそう言っていた。」



ああ、私で今月3人目って言ってたな。



「その人どうなったの?」

「帰ったぞ?」



事も無げに言われたそのひと言に、胸がギュッとなる。


ホントに帰れるの??


マジで??


監禁されて知識搾り取られてとかじゃなくて??...知識なんて無いけどな!


性奴隷に落とされて、良いではないか良いではないか、あ~れ~、じゃなくて??...そんな技術も無いけどな!



「トラベラー達も俺達と同じ人権、法律が適用され、犯罪を犯したもんはどちらにせよ捕まる。拉致監禁はもちろん犯罪だ。」



丸はあるのか無いのかわからない、もっふりした肩をすくめて言った。というか、丸が上下に動いて見えた。


私の右手が、丸を捕獲したいと疼いたが鋼の理性で押さえ込んだ。

もうたぬ権を侵害しないと私は誓ったのだっ!

くそぅ、右手が疼きやがる...。

それはそうと、


「...たぬさん、魔法で心読んだ?」

「トラベラー達は大体それを心配するんでな。嬢ちゃんもそうだと思っただけさ。」



そりゃそうよね、夢みる少女じゃあいられないものね。




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