最新機器はやっぱり高い
昨日1日だけで500PVを超えてました。
皆様のおかげです。ありがとうございます!
身体スキャン。
スキャンはBFカルナバルをプレイするには基本的に必要となる。一応、ランクマッチをプレイしないならスキャンをしなくともゲームができるが、強くなる為には真剣勝負が必須だろう。
颯と八都寧が連れてこられた部屋にはMRIの様な装置が置いてあり、2人は全身をスキャンされた。
「お疲れ様です。健康面・筋肉のお話ができますが聞かれますか?」
「そんな事もしてもらえるんですか!お願いします。」
ゲームをやり込むことで問題となるのはやはり不健康問題だ。それを今回のスキャンで事前に指摘できる仕組みがある辺り、BFカルナバルはゲーム新時代を予感させる。
「まずは月城さんから。健康面は問題ないですね、普段から運動されている学生さんならこの点は問題ないかと。筋肉についてですが、とても素晴らしいと思います。太すぎず細すぎず、しかし必要な分は付いている。女性の私から見ても惚れ惚れします。」
「えへへ〜、照れます。」
「次に、南条さんです。健康面は月城さんと同じく問題ないですね。筋肉は……正直付きすぎですね。スラッとしている見た目に反して、筋肉量が多すぎます。体脂肪率が凄い低いので……それも要因かも知れませんが…、本当に人間ですか?」
「えへへ〜、照れます。」
「私の真似しても可愛くないよ?ゴリラじゃん……」
「見た目はスラッとしてます〜!」
ちゃんと計測したことがなかったので、自分の身体が少し異常という事も知らなかった。本当にBFカルナバル様々です。
「では、これで身体スキャンは終了になります。VIPルームにお戻り下さい。」
2人が自動販売機に寄り道をしてからVIPルームに戻ると、先程のスタッフの人が既に到着していた。梵にサインを書いてもらって嬉しそうにしている。
「もうカードが届いてるよ。」
「ん?カードってなにー?」
「個人を認識する為のカード。さっきの身体スキャンの情報とかBFカルナバルの個人情報が記録されてく。ここに入る時に俺が提示してたやつ。」
2人はカードを受け取る。丈夫なプラスチックのカードだ、おそらくチップも埋め込んであるのだろう。カードにはID番号等が記されており、左上には『インディーカード』と刻印されている。
「ここにインディーカードって書いてあるけど、さっき梵が出した時はメジャーカードって言ってなかった?」
「メジャーカードはプロのBFカルナバルプレイヤーの人しか持ってない。俺はアマチュアだけどU-17日本代表だから持ってる。優先的なスキャンやVIPルーム使用権とかのサービスが受けれる。今日2人がサクサク進んだのもこのカードのおかげ。」
「だからさっきはスタッフのお姉さんが驚いてたのねぇ。」
「それでだ。このカードはまだ完成してないんだ…真ん中らへんが空欄だろ?」
「あ、本当だ!」
「そこにBFカルナバルで使うプレイヤーネームを入れる。ずっと使う事が多いから結構大事だけど…決まってる?」
「俺はヴォルトでいいや。MeTubeの動画にしたいからそのままの方が都合良さそう。プレイヤーネームは『VAULT』でよろしく。」
「えー、私はどうしようか…突然言われてもなぁ。ゲームとかやってこなかったからネット名ないんだよね。本名じゃダメなんでしょ?」
「ダメなことは無いけど止めた方がいいと思うよ。」
「そうなのねぇ〜、うーん。あ!水篠くんはどうやって決めたの?」
「『SharanagA』ってプレイヤーネームだけど…。由来はビンドゥー教の伝説の弓の名前から。理由は何となくカッコいいから。」
「結構テキトーなのね…。」
「そんなもんだよ。カッコいい名前にしようとして神話から選ぶ人結構いるよ?」
飄々と言う梵だが、意外と中二病っぽいこと言うんだと安心した。
「じゃあ、刀使う神様知らない?」
「スサノオとか?」
「オってついてるじゃん。男みたいで嫌!」
「それならオを無くしてスサノにしたら?女の子っぽいよ?」
「まぁそれでいっか!じゃあ『Susano』で!」
「適当だな…。」
「水篠くんも人のこと言えないでしょ〜。」
スタッフのお姉さんが専用の機械を使い印字していく。5分もしないうちに2人のインディーカードは完成した。スタッフの人曰く、名前を変えたい場合は此処に来るか郵送で変更をできるみたいだ。
◇ ◇ ◇ ◇
次に3人はフルダイブVR機器の店へ移動した。予想通り値段が高いものが多くて冷や汗をかいてきた…。
「どれ買えばいいの?」
「競技用に使うなら最低ラインはこれ。」
梵は20万円するフルダイブVRマシンを指さす。
「おぅ。結構高いね。」
「他にも周辺機器とか細々したの買うと合計25万ぐらいかな。俺が誘ったんだし、奢るよ?」
「「は??」」
颯と八都寧は同時に声を出して驚く。
軽々しく50万円奢るって言い出すとか…どんなけBFカルナバルは儲かるんだよ…。
「流石に申し訳ないし、こーゆーのは自分で買った方がいいと思うから自分で買うよ。たまにモデルの仕事して貯金してるのがあるから大丈夫!」
「オ、オレモ、ジブンデ、カウヨ。ミーチューバー、ダシ。」
「めちゃくちゃ動揺してるじゃん。」
「ま、まぁ何とかなるし…自分で買うよ。多分…何とかなるし……多分ね?」
お買い上げありがとうございました〜♪
「よし。これで準備は終わりだ!早速BFカルナバルをプレイしよう。さっきのVIPルームに戻ろうか。」
◇ ◇ ◇ ◇
梵は2人分の初期設定をテキパキと行い、買ったばかりのフルダイブVR機はすぐに使用可能となった。梵のレクチャーを受けながら2人はフルダイブVR機を頭に取り付ける。そして、梵を含めた3人はソファに寝転がり、起動ボタンを押した。
Now Loading ………
Now Loading ………
Now Loading ………
…Are You Ready??
「Yes!!」
『Welocome to Bombardeo Flash Carnaval』
この文字と共に目の前には荒野が現れた。
周りを見渡せば既に梵と月城さん…いや、SharangAとSusanoがいた。
「ようこそBFカルナバルへ。ここは射撃練習場…まぁチュートリアルだね。とりあえず…Susanoと1on1してもらっていいか?」
「お前…毎度毎度突然すぎるぞ!もっとこう操作方法とかをさぁ〜」
「これは前時代のゲームじゃ無いんだ。足を踏み出せば前に進むし、引き金を引けば発砲する…現実世界と何も変わらない。」
「現実じゃ、引き金引かないわ!」
「ちょっと〜!私をほったらかして漫才始めないでくれる?」
閑話休題。
「空中で親指と人差し指をくっつけた状態から開く…そうするとメニュー画面が出るからVAULTはアサルトライフル、Susanoは刀を出してくれ。」
颯は言われた通りに指を開く…この動きを例えればスマホの縮尺を大きくする時と同じ動きだ。
ぎこちなさはあるが2人とも目当ての武器を取り出した。
「おぉー!真剣だー!これを振り回せると思うと嬉しいなぁ〜。VAULTくん?試し斬りしていい?」
悪魔的な笑顔のまま八都寧は剣を構えながら近づいてくる。
「え、いいわけな…(ザンッ!!)……、痛っっ…くない。けど、いきなり何するんだ!」
「あれぇ〜、ちゃんと斬ったつもりなんだけどな。」
「フレンドリーファイアは無効だから斬れてないだけで、敵なら斬れてる。もちろん、痛覚はないけどね。」
「へぇー、痛覚ないんだって!Susanoさん。本当かどうか試したいから試し撃ちしていい??」
銃口を突きつけながら近づき、笑顔で復讐を果たす。八都寧の断末魔が響く。
「痛くはないんだけどさ?銃で撃たれる経験なんてないじゃん?めっちゃ怖いやん?めっちゃ叫んだわ……もうちょっと斬らせて?」
その後はおふざけの殺し合いが続いた。
「2人ともー、ヘトヘトになるまでふざけ合って満足した?」
「「すいませんでした。」」
「さて、ウォーミングアップも出来たみたいだし…、真剣に1on1をやってもらおうか。Susanoには追加で〝射線レンズ〟をメニュー画面から出して欲しいもらっていい?」
八都寧は2回目とは思えない程の慣れた手つきで射線レンズを取り出した。
「これをつければいいの?」
「そう。コンタクトレンズの形してるけど、目に近づけるだけで付くからやってみて。」
コンタクトレンズを付ける要領で目に近づけると、八都寧の目に吸い込まれた。
「あれ、VAULT くんの銃口から赤い線がでてるよ?」
「そう。その道具は名の通り射線が見えるようになる。それを付ければ銃弾を避けやすくなるから剣士には必要かな。注意点は銃口を視認してないと赤い線がでない事だな。」
「刀は近距離戦しか出来ないから遠距離対策ってことね」
「ご名答!では、1on1をはじめるよ。」
空中に対戦表が浮かび上がる。
【VAULT vs Susano】
Ready Fight!!!
・ゲームのプレイヤーネーム決める時って割とこのぐらいテキトーじゃないですか?
・フルダイブVR機の左側にインディーカードを差し込む場所があり、2人ともちゃんと差し込んでます。
※アサルトライフル 実用的な全自動射撃能力を持つ自動小銃。基本的にガンナーが使う銃はこれ。スナイパーライフル以外では一番ダメージを与えることができる。
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