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脳に筋肉しかない作戦

49階のメンバー↓

ヴォルト(主人公)

スサノ(日本一・剣士)

ゾンビィ(他ゲーの猛者)

博識ング(情報戦・頭脳戦なら任せるのだ!)

ABCee(仮面組と博識ング組に巻き込まれた圧倒的モブ。)



【フロア49-50 ランク戦】


【Flashラウンドを開始します。】 ※前半

カウントダウン開始

5…4…3…2…1…  


戦いの始まりを告げる警戒音が鳴り響く。


「では君達!手筈通りに!」


「了解!!」


「仮面の2人!死んだら許さんぞぉ?」


「善処するねーー!!」


スサノは愉快に手を振りながら走り、ヴォルトもそれに続く。


今回のマップはテンボス。

ヴォルト達がeスポーツ部と試合をした場所だ。このマップの重要地点はAタワーとBタワー。2つの高台を抑えれば圧倒的優位に立てる。


5人は事前の取り決め通りに二手に分かれた。

博識ング・ゾンビィ・ABCeeはA側、ヴォルトとスサノはB側だ。





B側に向かった2人は走りながら会話をする。


「それじゃあスサノ!また後で!」


「うん!ヴォルトくんも見つからないようにね!」


ヴォルトは加速剤と隠密剤を使い屋根の上を駆けて行き裏を取る。スサノは会敵した後に弾を避けながら距離を詰める。その後ヴォルトが姿を表せば敵は大混乱!という作戦だ。



◇ ◇ ◇ ◇



B側の脳筋が考えた様な作戦とは異なりA側に向かった3人は冷静に行動をしていく。


「博識ング!スキャンお願いしていいか?」


「言われずとも!」


角を曲がる直前にスキャンを打つ……だが索敵結果は芳しくない。


「1人しかおらんな。」


「では、仮面達の方に沢山敵がいると…」


博識ングはトランシーバーを使い報告・指示を行う。


「こっち側には敵が少ない!君達の方に沢山おるぞ。気をつけろ。」


博識ングの声に反応したのはスサノだ。


『はい!敵が4人見えました!』


「やはり固まっておったか!2vs4は危険…撤退するのだ!」


【Susano killed  Hafto】


『多分大丈夫です!そちら側の1人を頼みます!』


「無理をするでない!こちらからゾンビィを派遣するゆえ……、、、」


【Susano killed  Flexer】


「博識ング…本当にアイツら2人でいいかもしれませんね…」


「いや、駄目だ。ゾンビィ……念には念をだ。君が救援に向かってくれ。」


『博識さん!俺が現着した。こっちは大丈夫!』


「なぬ?今まで白仮面の剣士が1人で戦っていたという事か…?」


【VAULT killed 蟷螂】


『ヴォルトは遅刻魔なので、いつも遅れるんですよ〜。』


『お前が待たずに戦い始めるからだろぉ??』


「君達!何を雑談しておるのかね!?後1人いるのだぞ!!!」


【VAULT killed  Gooh】




………………、



「敵対した時は恐怖を感じましたが、味方にいても苦笑いしか浮かべれませんね。」


「全くだ。頭脳戦を否定された気分だよ…。」


「しかし、あの2人で全員キルされるのは僕のプライドが許しませんね。残りの1人はどこにいます?」


「そこの角を曲がった先だ。」


「では!行ってきます。」


ゾンビィは加速剤を使って角を曲がると博識ングの情報通りに敵がいた。敵は姿を現した瞬間を狙っていた様だが、ゾンビィが加速剤を使ったことで不発に終わった。

視認した敵を別ゲーで鍛えたエイム力で照準を合わせ、連射…5発の銃弾が敵の頭に当たる。


【ZombiEee killed Jooooo】


「ふぅ。何とかプライドは守れました。」


「流石だな。ゾンビィ。」


「仮面達にあんなキルログを見せられた後で褒められても嬉しくないですよ。」


「我もこの勝ち方は好かん。次のラウンドでは仮面達には好き勝手にはさせぬよ…。」


2人はため息をつく。ゾンビィは背負っていたバックパックから救難閃光を取り出す。


「とりあえず、救難閃光を設置しに行きましょうか。」



【Flashラウンド Winner Team49】


【Team49 生存者5】


【Team50 生存者0】


【Bomberdeoラウンドに移行します。】



◇ ◇ ◇ ◇



5人はリス地にテレポートした。


スサノは早速持ち前の笑顔で話を進めようとする。


「お疲れ様です!次もこの調子で行きましょう!!」


「後半も同様に別行動でいいですかね?それで武器なんですが…、」


これまでの階であれば前半での成果とスサノの愛想の良さから断られることは無かった。だが今回は違った。


「待て。」


博識ングは厳しい顔で話を遮り、その影響で辺りの空気がピリついた。



ん?

ヴォルトは予想外の展開に頭を悩ませた。空気が悪くなった理由が分からないのだ。とりあえず謝っておくしかないだろう…


「あ、ごめんなさい。仕切りは博識さんでしたね……」


ピリついた空気は変わらない。相手は恐らく自分より年上、そんな単純な事で怒る訳ないだろう。理由を短い秒数で幾度となく思考したが答えは見つからない。


数秒後、答えは理由は彼の口から直接伝えられた。


「我達は先程のラウンドで君達の別行動(ワガママ)を認めた。次は団体行動をお願いしたい。」


「え、でも…」


自分達の存在がどれだけバズったとしても問題は少ないのだが、ヴォルトが屋根を登ることなどの含む戦術面を大会前に知られる訳にはいかない。

だが、博識ングはその事も了承済みの様だった。


「勿論、君達の情報を晒せとは言わん。秘密ならば我らが全滅するまで戦わなくてもよい。」


博識ングとゾンビィは自信満々だ。彼らは3vs5でも問題なく勝てると言うのだろうか。


「そんな事して勝てるの?」


「君達は強い。だが、それはただ戦闘の強さでしかない。BFカルナバルは銃撃戦(戦闘)だけではなく情報戦・頭脳戦がカギを握るゲームなのだ。」


「それは知ってますが…、、」


「君たちはBFカルナバルが何たるかをまるで分かっていない。我が情報と頭脳による勝利というモノを見せてやろう!」


博識ングが高らかに宣言した。彼の剣幕に多少押された結果ではあるがヴォルトとスサノは顔を見合わせ、お互い頷き合う。


「そ、そこまで言うならお願いします。」


「5人生存という圧倒的優位。大船に乗った気持ちで観戦してくれたまえ…」



ほ、本当に大丈夫かなぁ…



◇ ◇ ◇ ◇



【Bomberdeoラウンドを開始します。】※後半の事


【Team50がリスポーン地点を選定中…。】


【リスポーン地点がAタワーに設定されました。】


挿絵(By みてみん)


カウントダウン開始

5…4…3…2…1…  



「では、ゾンビィ、ABCee、頼んだ。適宜指示を送る。」


「「了解!」」


博識ングは2人に設置場所付近を任せBタワー方面へ走り出す。


「仮面の2人!我についてこーい。」


博識ングとヴォルト、スサノは敵のリスポーン位置Aタワーの真逆…Bタワーへ向けて射線を気をつけながら移動していく。そして、Bタワーに辿り着き2階へと階段を上った。


本番の最中にも関わらず、博識ングは床に腰を下ろす。


「さて、後半…ボンバルデオラウンドの勝ち方は2種類あるのだが、覚えているかな?」


え…、こいつ本番中に授業を始めるつもりか??


「えーと、敵を全滅させるか、7分耐え忍ぶかですよね?」


「そうだ。そして今回のラウンドは先程の勝利によって我らの圧倒的優位、敵を倒しに行くというリスクを負う必要はない。情報・頭脳戦でギリギリまで時間を稼ぐのが定石なのだ。

まず、情報の整理をしよう。我の持ち物は火炎爆弾が2つと煙幕が1つ。ゾンビィは煙幕。ABCeeは火炎爆弾。ブラックマーケットで買ったのは、()()()()とカメラ3台。

そして、カメラ3台を敵達が通るであろう道に設置済みだ。」


潤沢な道具で時間を稼げばいいだけという状況である…、博識ングの丁寧な説明によって2人は理解できた。




『敵影確認。威嚇射撃を開始する。』

『こちらも同様。』


残り5分56秒。

設置地点にいるゾンビィとABCeeから会敵の報告がなされた。


「姿を現さなくてよい。威嚇の銃声音だけ鳴らせ。」


『『了解。』』


口元のトランシーバーを離し、再度ヴォルトとスサノへ視線を向ける。お勉強の時間の再開だ。


「これは個人差があるのだが、今回の様に敵の物資が枯渇しアーマーをつけていない場合…銃声音が聴こえただけで足が鈍る。数発当たれば死ぬのだから当たり前なのだが、この作戦がが意外と時間を稼げるのだ。我が集めたデータでは平均1分足止めに成功するだろうな。




残り4分45秒。

『流石に当てる気がない事がバレたみたいだ。敵が詰めてきてるぞ!』


「作戦を次の段階へ移行する。その通路に煙幕を投げるのだ!」


『了解!』


煙幕が展開されたのがBタワーの2階からでも確認できた。


「煙幕の効果時間は30秒。煙幕を抜ける瞬間は待ち構える者にとって格好の的。脳がある者ならば煙幕が無くなるまで進む事はない。まぁ、無謀な者が居れば撃ち殺すまでよ。」


煙幕の付近を眺めているが敵が出てくる気配はない。足止めが成功しているようだ。



残り4分25秒。

「残り10秒で煙幕が消えてしまう。その前に我が持つ煙幕を同じ場所に焚く。」


博識ングのいるBタワーから煙幕の場所までは結構距離がある。


「こんな遠くからどうやって…!?」


Bタワー2階の窓から博識ングが煙幕を投擲する。


「この場所から30度の角度に向けて我が本気で投げれば…!!

(煙幕が同じ場所に展開した。)

同じ場所に煙幕を焚ける。マップ研究は大事なのだ。これで30秒追加なのだよ。」


「すごい!そんな裏技があるのね!」


スサノは目を輝かせている。確かに煙幕の遠距離投擲を使いこなせば近距離戦への持ち込みが楽になるかもしれない。


「これより上の階の者は誰でも研究している事なのだ。君達が脳なしなのだよ。

(銃声音)

おっと、広場の方から銃声音が聞こえるな。敵の脳なしが煙幕の追加に我慢できんかったようだ。」


【ZombiEee killed 蟷螂】


『ラッキー!敵が我慢できずに飛び出してきたぜ!』


「これで敵も学んだだろう。お前達2人もBタワー前まで撤退するのだ。ABCee、我が合図する故、そのタイミングで火炎爆弾を頼む。」


『『了解。』』


先程までのヴォルトなら設置場所から撤退して大丈夫なのか!?と吠えていただろう。だが、完璧な作戦で制限時間の半分を消化している博識ングを信用し始めていた。


残り3分45秒。

煙幕が消えた。視界の開放を待ち望んでいた敵が設置場所のある広場に雪崩れ込む。なるほど…これを見越して2人を撤退させたのか。博識ングの的確な指示は安全な立ち回りを可能にしていた。


残り3分35秒。

博識ングは設置していたカメラを起動させる。すぐにカメラは壊されてしまったのだが、しっかりと救難閃光の元へ駆ける敵影を確認した。


「ABCee!敵影を確認した!火炎爆弾を投げろ!」


『了解!』


数秒後、火炎爆弾が救難閃光の周りを燃やし尽くす。


「火炎爆弾はダメージを与える事ができるゆえ敵は近づけん。解除しようとすれば死ぬ。約30秒間燃える炎を見続けるしかないのだ。そして……、我は残り2つの火炎爆弾を持っている。これが意味する事は分かるな?」


「合計1分半の時間稼ぎ!!」


博識ングはカウントが0になる迄の組み立てを完璧にこなしている。その光景は奇襲&ゴリ押しのみを作戦にしてきたヴォルト・スサノには新鮮なインスピレーションだった。気づけば2人とも彼に釘付けになっている。


角度の調整をして火炎弾を投げる。30秒間敵を引き離し、再度近づく敵を観察。解除する直前で再投擲…これで+30秒だ。



残り時間1分43秒。


「さて、仕上げといこうか!!!

君達…?このゲームに置いて最も高額な買い物を知っているか?」


「えーと…ブラックマーケットに売ってるやつだよね。うーんと…名前が思い出せなぃ…、、、」


「最も高額なのは〝爆撃申請〟。ブラックマーケットで5000Pで買う事ができる。それがこれだ!」


博識ングはバックパックからスマホに似た端末を取り出す。


「ス、スマホ?」


「否。これは爆撃を申請する地点を指定する為の端末だ。

〝爆撃申請〟とは任意の地点に1分間空襲を行う事ができる。つまり、時間稼ぎに非常に有用な一手なのだ。」


博識ングは端末を操作し、ボタンを押した。すると、空から航空機の音が大きくなりヴォルト達の上空を通過した。


航空機は救難閃光に向けて爆弾を降り注ぐ。これでは周りにいる敵4人も解除の暇などない。


「〝爆撃申請〟の強みは時間稼ぎだけではない。その真価は直撃した時の殺傷能力の高さ。火炎爆弾ではキルまで至る事はないが、爆撃ならば可能性は大いにある。今回のように残り時間がない場合は特に判断が鈍りやすい。逃げきれず息絶える者もいるだろうな。」


逃げ遅れた敵が爆撃の被害にあったのだろう…キルログが流れる。


【博識ング killed  Gooh】

【博識ング killed  蟷螂】


「え?博識さんのキルになるの?」


「申請を送った我の成果になるのよ。」


「ずるーい!」


「我はこれを持ったまま死ぬ事は出来ぬからこんな遠方で引きこもっておったのだ。君息を殺して隠れ続けるなんぞ、君達は好きじゃないであろう?」


持っていた武器・道具はプレイヤーがキルされれば他の人は使う事はできない。冷静に考えれば5000Pを消費する勝敗を左右する兵器を持っていれば自由に活動する事は出来ない。ヴォルトやスサノが持つ事が無いのは察する事ができた。


残り時間36秒。

空襲が終わった。だが、もう時間はない。


「勝ちは確定したな。君達2人も狩りに行ってもいいぞ?」


勝利は確実な今、残った敵2人を一方的に狩る時間となった。ヴォルトとスサノもBタワーから駆け出す。


【ABCee killed Hafto】


最後の1人はどこかに隠れているようで、必死に捜索しても見当たらなかった。


そして、、、

カウントダウンが終わる…。


【Time Up】


【Congratulations! Team49!】


博識ングがチームを率いた後半ラウンド、リスクを冒すことなく3人だけで勝利を掴んだ。


頭脳による勝利を体現したような試合内容であった。







狩りを終えたヴォルトとスサノの元に博識ングがやってきた。


「どうだ?仮面の2人?新鮮な戦いだったであろう?」


「うん!すげぇ参考になったよ。」


「今回の勝利も極端な例であるが、それにしても君達の戦いは脳筋的すぎる。このまま上の階を進んで行けばいつか負けるであろう。今回の我の戦い方を参考にして上の階で恥をかかないようにするのだな!」


「博識ングさん!ありがとう!これからはちゃんと作戦を立てながら頑張ります。」


「あぁ、頑張りたまえ。」


「それではまた何処かで!!」


博識ングとの出会いはヴォルト達にとって非常に有益なものであった。


5人は別れの挨拶をしてそれぞれテレポートして去っていく。


 


◇ ◇ ◇ ◇









博識ングとゾンビィは先程の試合で完勝した事で気分良くランクタワーの50階を闊歩していた。



だが、博識ングは完全に忘れていた。




ある約束を!!



「あぁーーーーーーーー!!!」


博識ングは周りの人が振り向くほどの大きな声で叫んだ。


「どうした!?いきなり大きい声を出して。」



「仮面達とフレンド交換し忘れたのだよーーー!」




爆撃申請強すぎん?と思うかも知れませんが、最低でも前半ラウンドで3人の生き残りが必要な上、キルされたら水の泡なのでゲームバランスは取れてます。

そもそも後半は守り優位ですし、それを高めるボーナスです。


なので、前半負ける場合も最低2人はキルしないと窮地に陥ります。

今回の様に5人全員生存されるとほぼ勝ち目はないです。諦めましょう。



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