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バズりは止まらない

ランクマッチ

一階での初戦を除き2種類の戦いがある。

上の階のプレイヤーと戦う昇格戦。

下の階のプレイヤーと戦う降格戦。


昇格戦→勝てばランクアップ。負ければ次回降格戦。

降格戦→勝てば次回昇格戦。負ければランクダウン。


昇格直後はそのまま昇格戦!

一度も負けなければ降格戦など経験しないのです…!




2050年1月18日


俺の名前はAqua(アクア)

最近BFカルナバルを始めた大学一年生。今日も講義終わりにカルナバルベースに寄り道をしてログイン。ここ数日は調子が良くフロア29までランクが上昇した。今は一緒にプレイするサークル仲間をランクタワー29階で待っているのだ。


「お待たせ!アクア。ここまでフロア上がってきたんだな。」


「最近調子良くてやっと合流できたよ。でも最後負けちゃったんだよね。」


「じゃあ降格戦からか。気合入れないとな。早速行く?」


2人は転送装置に向けて歩き出した。準備完了のボタンを押しテレポートされたのだが射撃練習場にやってきた。


「あー、こっちに飛んだのか。人数がまだ足りてないみたいだね。」


「練習しますか!」


「うん、そうしよっか。」


「ていうかさ。最近の噂聞いてる?例の仮面二人組。」


「あー、チーターかもしれないって人達?」


「敵だったらお終い。2人だけで5人全員キルされるらしいよ。しかも昨日26階の試合に居たらしいんだ。」


「え、なら今日対戦する可能性大じゃん。」


「フラグ立てないでよ!本当に出そうやん。」


【マッチングが完了しました。待機ロビーに転移します。】


2人は待機ロビーに転移して初対面の3人に挨拶をした。その後役職を決めていき、俺はガンナーで友人はスナイパーに任命された。


俺たちの作戦は以下の通り。

このマップの特徴でもあるリス地近くの高台を友人のスナイパーに任せ、残りの4人で他の重要地を占領しに行く。

言い換えれば定石通りといった感じだ。


【フロア28-29 ランク戦】


【Flashラウンドを開始します。】 ※前半

カウントダウン開始

5…4…3…2…1…  


戦いの始まりを告げる警戒音が鳴り響く。


「改めて宜しくです。」

「頑張りましょう!」

「スナイパーさん頼みますね!」

「お任せあれ!」

「調子に乗って外すなよ〜」


友人のスナイパー1人を残し、4人は走っていく。





そろそろ高台の上に着いたであろう友人のスナイパーからトランシーバーで連絡が入る。


『皆さん、悲報があるんですが…。』


「どうしました?僕たち側に敵が来てます?」


『それもそうなんですが………、敵に例の仮面二人組がいます…。』


「「「「え゛!?」」」




この後、勝てる気配すらなく仮面の2人によってボコボコにされた…。





そして、低ランク帯のプレイヤー達は仮面二人組のあまりの強さにチートだと決めつけ、運営に調査を依頼した。


だが、運営は【正常プレイヤー】と認定。運営に太鼓判を押された仮面二人組はチーターではなく只の化け物だったのだとゲーム内を震撼させた。


マロンの動画という物的証拠も揃った仮面2人組の化け物伝説はより一層の広がりを見せた。





◇ ◇ ◇ ◇



2050年1月23日


ランクタワー49階。

あと1勝で大台のフロア50に成れると奮起する者達がひしめく場所だ。50階から降格した人も多い為、髪色が派手な人も珍しくない。

※50階に髪色を変更する施設がある為。


そんな50階のロビーフレンドを待つ男が1人…。

彼の名は博識ング。主にオフィサーを務めるのだが、情報戦の強さとは裏腹にエイム力が皆無な事から未だフロア50前後で(くすぶっ)っているのだ。


「お!博識ング!いたいた!待った?」


本日博識ングが一緒にプレイするのはZombiEee(ゾンビィ)

彼は博識ングが別ゲーで知り合ったフレンドであり、別ゲーでは見惚れるほどの強さを誇っていた。ランクが停滞していた博識ングはゾンビィをBFカルナバルに誘い、共にプレイする事でキャリー(ランク上げ)をお願いしたのだ。快諾してくれたゾンビィは2ヶ月間コツコツと頑張ってフロア49に到達した。


「2ヶ月で50階付近まで来るとは…意外と早かったな。普通は平均4ヶ月はかかるぞい?」


「まぁ別ゲーやってましたし。」


「実力を認めたからこそ誘ったのだ。早く来てくれなければ困るのだよ。」


「ははっ。期待に添えてよかったです。」


「では、早速試合に…と行きたい所だが情報収集せねばな。例の仮面2人組と敵対したくない…見当たれば時間をズラすのだよ。」


「白仮面と黒仮面か!46階での試合で敵にいたんですが…、まぁ見事にボロ負けしましたよ。」


「なんと!プレイヤーネームは覚えているか?」


「スサノとヴォ…なんとかだったと思います。」


「スサノとヴォ…なんとかだな。情報提供ありがとう。」


博識ングはゾンビィに素直に頭を下げる。情報を得るためには自身のプライドなど気にしない彼の性格を表していた。


「チーターやらなんやら言われてますけど、あれは只の化け物ですね。

白仮面剣士は射線スコープつけてるんじゃないですか?狙い定めた時点で避けられてました。チーターならそんな挙動しません。

黒仮面の方は謎でした…裏どりが早すぎます。加速剤使ったとしても間に合わないはずなんですけど…。」


「チーターと間違えられるのも強者の勲章であるな。」


「弱い人ほど負けた理由をチートだって思い込みたいんだですよ。」


「だが、これより上の階は言い訳する者はおらん。そんな暇があるなら対策を立て打ち砕く。精鋭たちの巣窟よ。」






博識ングは周りを見渡すが仮面二人組は見当たらない。よしっ!ではフロア50への凱旋を果たすとしよう。ゾンビィを引き連れ転送装置に移動し準備完了ボタンを押した。


2人はすぐさま待機ロビーにテレポートされた。

そこで先程まで探していた仮面は付けた二人組を目の前に発見し、驚愕した。


「お!やっとマッチングしたみたいだな。俺はヴォルト。ガンナーをやらせて貰えると嬉しい。」

黒仮面をした男が陽気な声で挨拶する。


「私はスサノ。剣士希望です!ヨロシク!」

白仮面をした女が優しい声で挨拶した。声だけで分かる。彼女は美人だ。


「き、君達が仮面二人組か!味方になれて光栄だ。我が名は博識ング。オフィサーを専門にしておる。」

「僕の名前はゾンビィ。残ってるガンナーをやりますね。」


「やっぱり私たちそんなに噂になってる?」


「君たちの話題でランクタワー中が湧いておるぞ。」


「あちゃー、怒られちゃうよぉ〜。」


最後の1人が名を名乗りガンナーを志願した。これで上手いこと役職が決まった。


「それでは僭越ながらオフィサーの我が作戦会議を仕切らせてもらおう。よいか?」


「「「OK」」」


「今回ランダムで選ばれたマップはテンボス。シンプルなマップだな。流行りの作戦は全員が固まって動くのだがどうする?」


博識ングは全体に問いかけているが、目線はヴォルトとスサノを見つめている。決定権は委ねられた。


「訳があってさ、出来れば2人で別行動させて欲しいんだよね。いい?」


「君達でなければリスクの高い別行動など断るのだが…、仮面二人組の実力の高さは周知の事実。別行動を認めよう。君達2人がBタワー側、残りの我ら3人がAタワー側で良いか?」


「ありがとう。個人的な事情ですまないね。」


「どうせ今度の大会に出場するから戦術を隠しているのであろう?」


「ありゃ!?バレてたの?博識ングさん凄いね。」


「他の人達には黙ってやるから試合後にフレンド登録してくれ。よいか?」


「うん。全然いいよ!」


「君達からは新情報の匂いがプンプンするのだよ。我が博識の足しにさせて貰う。」


「ほどほどにヨロシクね…!」


スサノは博識ングからの熱い眼差しに耐え切れず目を背けた。試合開始は近い…。5人は手を合わせる。


「何はともかく、この試合勝つのだよ!!」


「「「「おう!!!」」」」






【フロア49-50 ランク戦】


Team 49

ZombiEee(ゾンビィ) (Gunner )

VAULT(ヴォルト) (Gunner)

ABCee(えーびーしぃー) (Gunner)

博識ング (Officer)

Susano (スサノ)Blader(剣士)



Team 50

Gooh (Gunner)

蟷螂 (Gunner)

Jooooo (Gunner)

Hafto (Officer)

Flexer (Bomber(ボマー)




Map: Ten Bosch(テンボス)







Are you Ready?



博識ングの事例で分かったとは思いますが、実はプレイネームは日本語も可能。アルファベットを使う人が多いのは海外の人に伝わりやすいからという理由と単にカッコいいから。

主に後者。



【感謝】

誤字訂正をしてくれた方がいました。大変助かります…

確認はしているのですが、見逃しも多いバカなもんで…

ドシドシ誤字訂正していただけると嬉しいです。

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