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18/41

バズりは突然に…

本編再開!


白い仮面をつけたスサノ、黒い仮面をつけたヴォルト


2人は目立たずこっそりランクを上げられるのか?


2050年1月14日


「こんにちワン♪MeTuberのマロンだワン♪今日は話題沸騰中のゲームBFカルナバルをプレイしていくよ!」


登録者58万人の人気女性MeTuberマロン。

犬のコスプレをしながら様々なゲームをしていく様子を動画投稿し人気を獲得した。

そんな彼女が今回狙いを定めたのはBFカルナバル。話題沸騰のゲーム……、お金の匂いがする。ここ掘れワンワンってね♡


ウォーダウンシティーのお店でケモ耳のカチューシャを買った。視聴者の情報によればランクタワーの42階で犬のコスプレが買えるらしい。マロンは「犬を迎えにいく!マロンのフロア42への道!」というタイトルを思いついた。そうと決まればランクタワーの第一歩を踏み出そう。


ランクタワーの1階総合受付で参加申請をする。この際、現実世界で身体(フィジカル)スキャンをしていない人は申請拒否される。勿論、マロンはスキャン済だ。


「ランクタワーの説明を聞かれますか?」


受付ロボットが問いかける。

実はこのロボットは駅前ビルの40階にあったBFカルナバルの現実世界施設『()()()()()()()()』の受付の人と同じ衣装を着ている。マロンは見覚えのある衣装に気が付いたが、特には触れる必要はないか…とスルーした。


「いいえ、結構です。」


「では、あちらの転送装置にお進みください。人数が足りていれば待機ロビーに、人数不足なら射撃練習場に一旦テレポートします。」


待ち時間も練習ができる。結構嬉しい仕様だ。


マロンは転送装置に移動し、準備完了のボタンを押す。すると、待機ロビーにテレポートされた。人数が足りていたみたいだ。

待機ロビーはカスタムマッチ(vs eスポーツ部戦形式の様に自身で開催する試合)とは異なり味方チームのみが同じ部屋にテレポートされる。初対面の人達との挨拶、そして作戦会議が必要だからだ。


「こんにちワン〜♪」


「「「「こんにちは〜」」」」


簡単に初対面の味方4人と挨拶を済ませる。ここで動画配信者として必要なことを済ませる必要がある。


「今、動画撮ってるんですけど大丈夫ですか?」


「え!?マロンさんじゃないですか!お会いできて光栄です!僕は動画全然大丈夫ですよ!」


味方の中に1人視聴者がいた様だ。他の3人もプレイヤーネームを隠してくれればOKだったり、顔も隠して欲しいという人もいた。この辺りは編集で対応しますと伝え動画撮影を開始した。敵チームは名前伏せ・顔伏せを徹底する。後からクレームが来て動画削除など勿体なさすぎる。


「役職の希望はありますか?僕は出来ればガンナーをやらせていただければ。」

「俺はガンナー希望です。」

「私はノーマルマッチではよくボマーしてたんで、スペシャルワンがいいです。」

「僕もガンナーですかねぇ〜。」


マロン以外の4人が希望の役職を伝えた。残ったのはオフィサーだ。索敵要員で画面映えはあまりしないだろう…でも1戦目は視聴者の中にもルールを覚えない人もいるだろうし丁度いいかもしれない。


「私がオフィサーやりますよ。飼い主(視聴者)の人達に初心者ならオフィサーしとけって言われましたし。」


「おぉ!ありがとうございます。これで上手いこと決まりましたね。」


「作戦はどうしますか?」


「お互いの実力も分かりませんし、全員で固まってAドームを取りにいきましょう。」


「最近の流行りの戦法ですね。OKです。ではよろしくお願いします!」


作戦会議の時間が終わりマップにテレポートした。全員が忙しなく武器や道具の購入を済ませて、いざ試合開始だ。


【Flashラウンドを開始します。】 ※前半

カウントダウン開始

5…4…3…2…1…  


戦いの始まりを告げる警戒音が鳴り響く。


作戦通りに5人は固まって走り出す。そして10秒後。警戒すべき曲がり角に差し掛かる。


「マロンさん!スキャンしてもらっていいですか?」


「了解だワン!」


スキャン…前方に対して索敵が可能な微細な電磁波を飛ばす。敵がいれば姿形が写り、目を凝らせば敵の役職まで分かる場合もある。


「敵を見つけたワン!…え!?剣士が1人だけです。」


剣士は遠距離攻撃を持たない。それ故に1人で行動することはない。逆に1人でいるならば絶好のカモだ。


「ラッキー!全員で撃ちましょう!」


5人は同時に曲がり角を飛び出し、剣士に向かって発砲する。


「これで1キル貰い!!…え、あれ?当たんない。」

「え?私も爆弾投げてるのに…」

「僕たちの技術ってより全部避けられてる!?」

「や、やばいって!距離が近づいてくるよ」


「ワ〜ン!皆!ちゃんと狙いを定めてー!」


二人の断末魔が響いた。

白い仮面をつけた薄気味悪い剣士に2キルされたのだ。


「と、とりあえず逃げよう!敵は剣士だから距離さえ詰められなければ!!」

「そうですね!」

「了解だワン。」


残りの3人は来た道を戻る…だがそこには黒い仮面をつけた男が待っていた。


「え?うそ?なんでここにいるんだ?」

「そ、そんな…」

「私のデビュー戦がぁ〜。ワァ〜ン…。」


人気MeTuberマロンのデビュー戦は白い仮面をつけた剣士と黒い仮面つけたガンナーの2人によって悲惨なものとなった。


「何このクソゲ〜!!!」


この動画の最後はそんな一言で締められていた。





投稿日:2050年1月15日

タイトル:【デビュー】BFカルナバルのランクタワーに初挑戦したら、化け物に遭遇した件【ワン♪】

投稿者:マロン


再生回数 800,520回



コメント数 3021

1.名無し1

相手流石にチーターとかじゃね?


2.飼い主

このゲームにチーターいないらしいよ。


3.ナイスカイ

じゃあ何で銃弾1発も当たんなかったの?


4.古参の飼い主

知らね。全部避けたんじゃね。


5.猛者モサ

私、フロア84の猛者だけど、高ランク帯のやつでも全部避けるなんて無理よ。


6.名無し2

ほら!猛者さんがこう言ってるよ。


7.猛者モサ

てか猛者視点から言わせてもらうと、黒仮面の方が意味わかんない。序盤で裏どりとか謎すぎる。


8.名無し1

やっぱチーターじゃん。


9.ナイスカイ

チーターじゃんか!古参の飼い主は謝ってね。


10.古参の飼い主

ごめん。チーターいないゲームって聞いてたからさ。


11.名無し3

僕もBFカルナバルはチートできないって聞いたことあるけど。


12.博識ング

実際できない事もないけど、バレたら永久BANだし社会的にも死ぬ。


13.名無し4

社会的に!?


14.猛者モサ

まぁ、人生捨てた人しかできないと思う。


15.博識ング

ほぼ現実の様に会話できるって所や、通訳いらないって所が評価されて商談の場としても使われだしてるからね。遠い地方とか海外に行かなくていいし。そんな中で「僕、チーターなんでログインできません。」とか評価ダダ下がりでしょ。


16.名無し5

それは社会的に死ぬわ。


17.ナイスカイ

この仮面の2人社会的に死んだってこと?


18.博識ング

チート使ってたらね。常識外の身体能力持ってるだけ説ある。


19.名無し2

そんなやついるか?


20.名無し6

プレイヤー人口は日本だけでも1000万人でしょ?そのぐらいいるんじゃない?


21.名無し7

そんな奇跡的な人にマロンちゃんが奇跡的に遭遇しただけってことかい?


22.名無し8

そりゃバスるわな。


23.ナイスカイ

本当だ!再生回数エゲツない。


24.猛者モサ

猛者視点から言わせてもらうと、白仮面剣士の動きは世界一のチームのお爺ちゃんが同じ様な動きしてたから人間の範囲内だと思うよ。


25.名無し9

龍造寺のお爺ちゃんね。あの人バケモンじゃん。


26.龍造寺の息子(自称)

この白仮面、龍造寺の足捌きに似てる気がする。


27.名無し10

そんなわけ無いだろ。


28.博識ング

とりあえず、チーター疑惑もあるけどヤバい人間説もあるから騒ぎすぎないようにね。


29.チーター撲滅委員会

私はチートを許しません。


30.名無し11

まだ決まった訳じゃないって。


31.猛者モサ

チーターなら運営がすぐ発見して追放してくれるから放置でいいよ。


32.アクア

俺まだフロア22だから心配だなぁ。この人たちと敵対したらどうしよう。


33.猛者モサ

チーターじゃないとしたら私以上の猛者だから諦めな。


34.名無し12

猛者さん以上ってフロア90レベルじゃないっすか。


35.博識ング

他ゲーのプロとかのアカウントかもね。


36.名無し2

たしかに、その説濃厚じゃん。


37.名無し13

それか新たな才能の芽生えかもよ。


38.猛者モサ

それなら日本代表が強くなるから許す。


39.アクア

結論、僕の階にこの人たち来たら諦めろってことでいい?


40.博識ング

うん。フロア20代が勝てる相手じゃないよ。


41.猛者モサ

まぁ、諦めなぁ〜


42.名無し1

チーターならBANされるからそれを祈るしかないね。


43.アクア

低ランク帯の僕らは恐怖に怯えながら生きていきます。


44.博識ング

強く生きろ!


45.猛者モサ

私の様に強くなるしか君に道はない!


46.アクア

頑張りますぅ〜!




この動画はゲーム急上昇ランキングにも掲載された結果…、


バズった。




シャランガ「出来るだけ目立たない様に頼む。」


この後八都寧から「1戦目で大バズりしちゃった♡」とメッセージが送られてきて梵はスマホを投げた。




【報告】

5〜7話で訪れていたBFカルナバルの現実世界施設(身体スキャンしたり、VR機器を買った所)の名称を『カルナバルベース』にしました。その為、5、7話が修正されています。



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