[Creator’s File①]エンジニア 宍倉 波
番外編〜。
BFカルナバルの制作陣に迫る番組が放送中〜♪
『ハロー、エブリィーワン。今月から始まる新番組!ハラーダ秋矢のクリエーターズファイル。現在話題沸騰中のゲームBFカルナバルの制作陣に迫る番組です。初回ゲストは制作陣唯一の日本人…宍倉 波さんで〜す。』
「こんにちは。宍倉です。今回はよろしくお願いします。」
『宍倉さんはBFカルナバルの制作会社〝Festi〟唯一の日本人社員だったんですよね?』
「ご縁がありまして、このゲームには制作最終段階で関わらせて頂きました。現在はもう退社していますが……。」
『宍倉さんはどの様な所を開発されたんですか?』
「主に言語・発声関係ですね。元々その辺りの最先端の仕事をしていたのでお声がかかった感じです。」
『宍倉さんが開発した最先端技術の中でも特に評価されているのがこの2つなんですよね?』
そう言いながら司会者はパネルを捲った。
————————— -
①世界同一言語
②呼び名変換
————————— -
「はい。ご存知ない方は字面だけ見ても分からないと思うので説明致しますね。」
『ありがとうございます。では世界同一言語から。』
「はい。BFカルナバルのゲーム内ではプレイヤーが話す言葉は全て同一の言語として聴こえます。つまり、英語話者と日本語話者の2人が何の問題もなく相手が同じ言葉を喋っているかの様に会話することができるんです。仕組みは全く違いますが、発した全ての言葉が即時翻訳で相手に伝わっていると考えていただければ分かりやすいかと。」
『なるほど。この開発があったからこそBFカルナバルはグローバルなゲームとしても発展しているんですね。』
「その一因に関われてたとは思っています。」
『次に呼び名変換についてお願いします。』
「先程のシステムは他の用途もあり元々研究していたので比較的簡単に導入することができました。しかし、呼び名変換はBFカルナバル独自の問題から開発・導入されたので非常に手間がかかったんです。」
『独自の問題とは?』
「β版のテスト後に問題視されたんですが、個人情報保護が難しいという点です。ご存知通りBFカルナバルはリアル志向…身体の形も顔も本人のモノを投影しています。ほぼリアル…この状況が名前バレという問題を引き起こしたのです。」
『どの様にして名前がバレるのです?』
「友人同士でゲームをプレイすることが多いですよね?その中でリアルと同じ姿の友人がいる…プレイヤーネームではなく本名で呼んでしまうと事例が多発するのは必然でした。」
『なるほど。ゲームをプレイしただけで顔バレに名前バレ…大問題ですね。』
「そこで開発したのが呼び名変換です。相手に対して本名を呼んでしまったとしてもプレイヤーネームに変換されるという仕組みです。英語を日本語と認識させれるんですから無理な仕組みではありません。」
『太郎!と叫んでしまっても、他の人にはプレイヤーネームで聞こえているんですね。』
「叫んだ人自体も太郎と発言したと認識できないレベルまで精度は高めています。」
『なんと…恐ろしくも感じるシステムですね。』
「現実世界に採用したら発言統制などで悪用されるでしょうがBFカルナバル内のみで作用するシステムです。問題はありません。他にも卑猥言語等の規制も同じシステムで規制されていますね。」
『素晴らしい発明です。現在は他に進展はありますか?』
「そうですね。特に世界同一言語の方は通話アプリだったり、会議用通話での採用の予定があります。」
『まさに翻訳こんにゃくの如き使い方がされていくんですね。』
「そうですね。世界の垣根を低くするお手伝いができればな…と思います。」
『そんな世界を楽しみにしています。本日のゲストは宍倉 波さんでした!ありがとうございます。』
「ありがとうございました。」
まとめ!
①世界同一言語
ゲーム内何語を喋っても全世界の人に通じる。
②呼び名変換
本名バレをしない為のシステム。ヴォルト達がゲームにログインした途端に呼び名を変えていたのもこのシステムのおかげです。
因みに、BFカルナバル制作会社『Festi』はスペインの会社です。
ブックマーク&評価ぜひお願いします。