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SPECIAL SKILL

まさに!絶体絶命。


降伏しても許されるほどの窮地。

そんな場所にスサノは立っている。


前は地獄、退路も地獄。



スサノは深く深く呼吸をして、覚悟を決める。


これ以上時間は稼げない。


ならば、1人は道ずれにする!!

スサノは敵に向かって煙幕弾を投げつけた。


射線は切れた。確実に1人を殺る……!!!



スサノが煙幕に入り、剣士の土俵…接近戦を挑む。

今から行われるのは瞬き厳禁の刹那の殺し合いだ。


索敵役職・オフィサーを務めるTeLeS(テレス)がスキャンを実行。スサノの位置を確認、味方に指示を飛ばす。これで3人はスサノ接近を警戒できた。

NitoO(ニト)は煙幕がたかれた瞬間、マーケットで購入した煙幕スコープを装着。煙幕内での視界が良好になったことでスサノのシルエットを確認し、ハンドガンを発砲。おまけに爆弾を投げ込む。

スサノはニトに発砲される1秒前CASTLE(キャッスル)を視認し、力を込めた大きな一歩と共に刀を抜刀・そして左胸に突きを繰り出す。だが、キャッスルのマニュアルアーマーに阻まれる。ここで1秒経過、ニトの発砲音が右から聞こえた。死を覚悟した最期の足掻き…至近距離で刀をキャッスルの頭へ刀を投擲。


ニトの拳銃よりも先にスサノの刀がキャッスルに突き刺さる。

だが、勿論ニトの拳銃もスサノに到達した。



【Susano killed CASTLE】

【NitoO  killed Susano】



「剣士に1キルされた!!結構まずいね。」


「でも、部長も1キルしてます。これなら……。」


()()()()()()()()が使える!」



スペシャルスキル。

チームに1人しか存在しない役職“SPECIAL(スペシャル) ONE(ワン)”が1度だけ使用できる強力なスキル。

発動条件は1キルすること。このスキルの発動の如何で勝敗が決まる試合もあるほど重要視されている。

NitoOが使用する“SPECIAL ONE”はボマー。


スサノをキルし条件を満たしたニトはスペシャルスキルを発動する。


「スキル展開!VOLCANO(ボルケーノ) SMOKE(スモーク)!!」


ニトの体を中心に広大な範囲に煙幕が覆っていく。

“SPECIAL ONE”ボマーのスペシャルスキルは「ボルケーノ・スモーク」。驚異的なのはその展開範囲と効果時間。X小道を当たり前のように煙幕で覆い、到達目標である救援閃光にまで煙幕は到達した。これが1分間続くという驚異的な効果時間。もはやスナイパーなど役に立たない。


ニトは煙幕スコープを装着済み。煙の中は彼女の土俵だ。


「さぁ、勝ちにいくよ。テレスくん。」


「はい!部長!」



◇ ◇ ◇ ◇



ヴォルトはスサノ救援の為、屋根を走っていた。

あともう少し…というところでスサノがキルされたというアナウンスがもたらされた。


間に合わなかった…!!


様々な思考が脳を過ぎる。


「とりあえず飛び降りるか?」


飛び降りようとした態勢を作ったその時、


「待って、ヴォルトくん。」


キルされたはずのスサノの声、しかもトランシーバー越しではない生の声だ。驚きながら振り返ると確かにスサノの姿があった。


「あれ?キルされたってアナウンスされてたけど亡霊??」


「まぁ、亡霊みたいなもんね。スペシャルスキルで生き返ったの。」


スサノの役職は“SPECIAL ONE”の剣士。

勿論、剣士にもスペシャルスキルがある。その名は「GHOST(ゴースト) SLAYER(スレイヤー)」。一般的意味でのゴーストスレイヤーではなく、一度死んだプレイヤーが再度生き返るという意味でゴースト、そのプレイヤーがキルされた相手に復讐を可能にするという意味でのスレイヤーを合わせた言葉だ。簡単に言えば、ゴーストをスレイヤーする意味ではなく、ゴーストのスレイヤーだ。


キャッスルをキルしたことでスペシャルスキル発動の条件を満たし、ヴォルトの近くで蘇った。

因みに蘇る地点は死んだ場所ではなく生存している仲間の近くだ。


「まずはシャランガくんに指示を仰ぎましょう。」


『二人とも無事で何よりだ。』


「私、1回死んでますけど!」


『スサノがスペシャルスキルで蘇ったように、敵にも広範囲煙幕を使用された。煙幕に紛れて救難閃光を解除される可能性がある。俺は煙幕が晴れた後の狙撃を準備する。煙幕が晴れるまでの1分…2人は救難閃光を守り切ってくれ!』


「「了解。」」


2人は屋根の上を走りだす。目指すは救難閃光を設置した広場!


煙幕展開から18秒後、2人は広場と煙幕を視認。そのまま地上に飛び降りる。


【救難閃光 解除開始。】


『今のアナウンスは敵が解除を始めた事を知らせるものだ。解除完了までは20秒。急げ。』


シャランガからの指示が飛ぶ。


「もうすぐ着く!」


煙幕展開から25秒・解除開始から7秒。設置場所付近に到着、この先は煙幕だ。


「行くしかないか。時間ないし。」


「そうね。私達の武器は接近戦闘向き、煙幕内は私たちのフィールド。恐れずに行きましょう。日本一が横にいるわ!」


「頼もしい限りだ!」



2人は煙幕に踏み込む。


だが、その瞬間敵のスキャンに引っかかる。オフィサーを務めるテスラのスキャンだ…位置がバレた、まずい!!


【救難閃光 解除中止。残り9秒で解除可能です。】


2人の接近を確認した敵は解除を中止したようだ。さらに再度解除開始された場合の時間のなさも把握した。


アナウンスと共に銃声音が響き、ヴォルトに銃弾が直撃…オートアーマーが自動展開し壊れた。


「くそっ。俺は救難閃光の方に行く!スサノは今発砲した方角の敵を頼む!」


「了。」



スサノは発砲音のした方面に不規則な動きで走り出す。次々に発砲されるがすべて当たっていない。発砲音は単発ずつ、ハンドガンを持つニトだろう。


スサノはニトを視界にとらえる。勿論、彼女の持つハンドガンの銃口も。


銃口が見えれば射線スコープの使用条件を満たす。赤い射線が表示される。こうなれば、スサノは勝ったも当然だ。射線が見えれば弾丸をよける反射神経は持ち合わせているし、斬りおとすこともできる。着々と距離を詰めていく。


「あなた!本当に人間!?」


当たり前のように銃弾を避けるスサノに驚愕している。


「うん。人間だよ、日本一のね。」


ニトが展開したマニュアルアーマーとは違う方面に素早く回り込み、ニトの体を間合いに捉える。後は斬り伏せるだけだ。



【Susano killed NitoO】



その11秒後、煙幕が晴れるとともにシャランガの銃声が鳴り響く。


【SharangA killed TeLeS】


当たり前のように狙撃を完了したシャランガ。そして勝利が確定する。








【Congratulations! Team Red!】





【SPECIAL SKILL】

ボマー  VOLCANO SMOKE

剣士   GHOST SLAYER


○相手チームの購入情報を答え合わせ!

NitoO (スペシャルワン・ボマー)

ボム×15 2500P

ハンドガン   500P

オートアーマー 1500P

煙幕スコープ  500P

[NEW]マニュアルアーマー


CASTLE (ガンナー)

アサルトライフル 2500P

オートアーマー  1500P

フラッシュ弾   1000P

[NEW]マニュアルアーマー


TeLeS. (ミドルオフィサー=MAX3000P)

サブマシンガン   1500P

マニュアルアーマー 1000P

煙幕弾       500P


オフィサーのテラスが使用できるポイントが少ない件についてはまた今度!


ブックマーク、評価ぜひお願いします!!


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