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銃殺か爆殺なら銃殺の方が楽に死ねそう。

前半ラウンド、後半ラウンドには正式名称があります。


前半ラウンド=Flashラウンド

味方の軍への支援要請の為の閃光=Flashを打ち上げる事から。


後半ラウンド=Bombardeoラウンド

支援を要請した後、7分後に戦闘機の爆撃=Bombardeoが始まる事から。



一応ストーリー的には、

味方へ支援を送る為のFalshラウンド、

その味方が到着まで耐えるBombardeoラウンドです。

【Flashラウンド Winner Team Red】


Bombardeo(ボンバルデオ)ラウンドに移行します。】※後半の事




「お疲れ様!とりあえず前半は勝ちね!」


「お前らー!2キルした俺を褒め称えろ〜!」


「うん。よくやった。」


「称賛薄っす!死ぬ気で頑張ったのに…。」


「実際の状況は見れてないから、後でチェックしてからな。」


「へーい…。」


先程アナウンスされた内容を聞けば、次に始まるのはBombardeoラウンドだ。所謂、後半ラウンドだろう。


「それで、次は何をするの?」


「俺達が前半に勝利した事で救援閃光を設置している。後半は7()()()設置した救難閃光を解除されないように耐え忍ぶラウンドだ。」


「え?守り?有利な方っていうから攻め側だと思ってた。」


「人それぞれイメージはあるだろうが…、守備配置を決めれる点、味方が全滅しても解除前に7分経過すれば勝てるという点で守りの方が有利だ。」


「理由はよく分からんけど、守りが有利って事だけ覚えとくわ。」


「そして、ここからだ大事な話だ。よく聞け。後半ラウンドが始まる前、もう一度マーケットで買い物ができる。守る為に有効的な物を買える。」


先程買ったマーケットの横に出現したテント…ブラックマーケットにシャランガは歩み寄った。


————————————- -

ブラックマーケット


爆撃申請  5000P

蘇生    4000P

壁設置   3500P

大砲    3000P

ワープ   2500P

ゲート   2000P

ドローン  1500P

カメラ3台 1000P

カメラ   500P


勿論、通常のマーケットも使える。

——————————- -


「あれ?さっきポイント使い切らなかった?」


()()()()()があるんだ。前半ラウンドの生存者数に応じて1000Pずつ、固定で2000Pだ。」


つまり、生存者2人を残し勝利したヴォルト達は固定ポイント2000Pと生存者ボーナス2000Pの合計4000P与えられた訳だ。

因みに生存者0人だった敵eスポーツ部は生存者ボーナスがないので固定ポイントの2000Pしか追加されなかった。


この時点ではヴォルトもスサノも気づいていないが、前半ラウンドで生存者がいれば人数分ポイントが貰えるという仕組みは戦略性に富んでいる。例えば、先程のニトが1人だけ残っていたシーンはほぼ負けが決まっていた。なので彼女の最適な行動はシャランガに狙撃されない位置に隠れ、ポイントを後半ラウンドに残すことだった。しかし、彼女は無理を冒し死んだ。それ故に不利な攻め側で物資も少ないという詰みの盤面が出来上がってしまったのだ。

逆も然り、残った彼女をキルする為にスサノが探し回り会敵の末負けた場合、その後に勝ったとしても後半ラウンドの優位性が薄らぐ。


負ける時は、次に繋げる負け方をしたい。

勝てる時は、多くの優位を保ったまま勝ちたい。


この戦略性に富んだ駆け引きが前半ラウンドを最後の最後まで面白くさせる。




ヴォルト達はシャランガに言われるがままに追加物資を買っていった。現在の装備は以下の通り。


SharangA

スナイパーライフル 

マニュアルアーマー 

[NEW]カメラ3台


Susano

刀         

オートアーマー   

[NEW]マニュアルアーマー

スモーク爆弾     

射線レンズ      


VAULT

ショットガン    

[NEW]オートアーマー

[NEW]スモーク爆弾


シャランガはドローンや壁などの防衛物資よりもアーマーを優先して補充した。これは7分間守り切る事が難しいと考えたからだ。


後半ラウンド、守備側が勝つ方法は2種類ある。

①7分間、設置場所の救難閃光を守りきること。

②敵を全滅させること。

3vs3という変則マッチ故に7分間守りきるには人数が足りないと考え、敵を全滅させる事を作戦の主眼に据えたのだ。

さらに前半ラウンドで作り出した物資的優位性も作戦成功率を高める。追加ポイントが2000Pだけだったeスポーツ部は前半戦未使用だったテレスのマニュアルアーマー含め、全員がマニュアルアーマーを揃える事が精一杯。会敵して不利なのは確実にeスポーツ部。それ故にシャランガは敵の全滅を目標とする作戦を構築したのだ。



その後、前半の反省、敵の使用道具の報告、作戦の確認をしていった。


そして……、


【Bomberdeoラウンドを開始します。】※後半の事


【Team Whiteがリスポーン地点を選定中…。】


【リスポーン地点がAタワーに設定されました。】


挿絵(By みてみん)


「何だ?このアナウンス。」


攻め側()がリスポーンする地点を決めたんだ。任意の場所に設定できるが、リスキルされない場所や包囲されやすい場所、不利な場所を除いていくとそれほど選択肢はない。このマップなら大体はタワーだな。ちなみに守り側(俺たち)は救援閃光付近でリスポーンだ。」


「敵はあそこ(Aタワー)から来る訳ね。それで……どこで待ち構えるの?」


「まずはマップをコントロールする。スサノはX小道、ウォルトはY小道、俺は設置場所からAサイドを監視する。他の場所にはブラックマーケットで買ったカメラを付ければ、全ての状況を把握できる。そして、俺たちの決め事は1つ。敵が来た場所を全速力で助けに行くこと。」


「シンプルね。早くて助けに来てね!」


「スサノの方に行くとは限らないだろ。俺の方だったら頼んだぞ〜?」


「てか、ヴォルトくん?さっき全然応答しなかったけど()()()()()()()の電源つけてる?」


「え?なにそれ。」


2人が愕然とした顔をしている。え、説明されたっけ。


「もしかしてさ。今日までBFカルナバルにログインすらしてない感じ?」


「いやしてたよ。荒野でずっとパルクールしたり、銃撃ったり、パルクールしたり、パルクールしたり。」


「ありゃりゃ、こりゃダメね。街にすら来てないって事よね…トランシーバーすら知らない訳だぁ。」


ヴォルトは今のところパルクールの練習をする為のゲームとしてしか活用していなかった。街…という要素がこのゲームにあるみたいだ。まだまだ知らない事だらけで逆に楽しめるんじゃないかと開き直った。


「ご、ごめん…。」


スサノがヴォルトの腰元の小さな機械をゴソゴソと弄る。


「はい!これで遠くにいてもお互い会話できるはず。さっき喋りかけても応答ないからまさかとは思ったけど…、聴こえてなかったのね…。」


ヴォルトが無知すぎる事が判明はしたが、これで準備は万端だ。後半ラウンドへと進んでいく。



カウントダウン開始


5…4…3…2…1…  


0がカウントされた瞬間3人は転移し、今から守るべき救難閃光の近くへ到着した。到着するやすぐに3人は別々の方向に散らばっていく。戦いは既に始まっている。


空には航空機の音、そして視界の左上には6:45と表示されており1秒毎に数字が減っていく。これが自分達の勝利条件の1つ〝7分〟のカウントだと察した。だがしかし彼らが目指すのは敵の全滅、初手のマップコントロールで躓く訳にはいかない。


ヴォルトはY小道の物陰に到着した。同時にトランシーバーを通じ音が聞こえる。


因みにこのトランシーバーは前時代(2021年)仕様のものとは異なり、クリアな音質・遅延0・イヤホンレスという超高性能だ。


『私は到着した。2人は?』


「俺も着いた。このまま隠れてればいいか?」


『あぁ、その場所を通られていないという確証が俺の前面への集中を可能にさせる。待機だ。』


「『了解!』」



◇ ◇ ◇ ◇



シャランガはAタワーの出入口に照準を合わせていた。

リスポーンした敵を仕留める為に、出入り口を見張っているのだ。彼の腕前ならば射線が遮られる事が無ければ確実に1人はキルできる状況だ。


1分後、突如出入口の周辺には煙幕が焚かれた。相手が煙幕弾を使用したのだ。シャランガの射線は遮られた。


「報告。俺が監視していた所で煙幕を焚かれた。ヴォルトかスサノの所に来る可能性が高まった。注意しろ。」


『『了解。』』



◇ ◇ ◇



スサノはX小道の物陰で待機していた。

ラウンド開始から3分。正直彼女は油断をしている。また、ヴォルトの方に行ったのか…私も活躍したいなぁと思考しながら着々と時間が過ぎていく。完全にハズレを引いたと感じ、物陰から顔を出したとき…


彼女の顔を横を()()()が通った。


!?

射線スコープが反応した!

敵は来ている。


スサノが3人の敵影を確認した瞬間…目の前でフラッシュ弾が炸裂した。

激しい光…スサノの視界は真っ白になっている。

まだ機能している耳が銃声音を確認した。

スサノは反射的に前面へマニュアルアーマーを展開、そして視界が回復した4秒後…


彼女は壊れたマニュアルアーマー、自動展開し壊れたオートアーマーを確認した。そして、脇腹に1発。フラッシュを食らった後のたった4秒で計3発の銃弾を受けていたのだ。


素早く下がりながら物陰に隠れる。


「ごめん。敵が3人来てる。私は瀕死。」


『撤退しろ。遠距離戦で剣士に勝ち目はない。俺らはすぐにそっち向かう。』


「善処するね……。」


『スサノ!今からのタスクは俺らが合流するまで死なない事!!頑張れ!!!死ぬな!!!!』


「ひぇ〜、めっちゃ難関そうだわ。ヴォルトくん!早く来てね!」


『あぁ、もう屋根に登った。待ってろ。』


敵3人は固まって徐々に距離を詰めて来ている。完全に距離が詰められればキルチャンスはあるが時間が稼げない。彼女は後ろに下りながら戦う事を決断する。懸念点は既にアーマーがない事、胴体であれば約2発、頭・左胸なら1発でゲームオーバーだ。


覚悟を決めて、物陰から姿を晒し後ろの障害物に移動しようと試みる。

やはり敵から放たれた3人の銃弾3発。

1発目、射線スコープで反応し避ける。

2発目、避けた先に射線が被り右肩に直撃。

3発目、避けられる弾ではない。

だが、当たれば終わり…死に際の集中が日本一の剣術を呼び覚ます。


3発目の、弾丸は当たる事なくスサノの剣に斬られた。


「ふぅー、九死に一生。」


「ヴォルトくんといい、貴方も化け物なのね。」


「ニトちゃん…!私!今!死にかけ!」


「普通ならもう死んでるのよ。でも、今からトドメを刺すわ。」


視線を切ることなくバックステップで下がっていくが、後ろで信じたくない音がする。


ピッ、ピッ、ピッ。

ピッ、ピッ、ピッ。


「マジィィか!?」


後ろにはニトが投擲した爆弾2発が設置されていた。既に紙装甲のスサノは爆弾に少しでも巻き込まれれば死ぬ。


「前にでて私たちに撃ち殺されるか、後ろに下がって爆ぜ死ぬか…好きな死ぬ方を選んでね♡」



身体中どこかに銃弾が当たれば死ぬ程の瀕死、

前には3人、後ろには爆弾。


スサノは死地を乗り越えれるか!?




ニト達が使った戦法は、わざとゆっくりと時間を使い油断したところを攻めるやり方ですね。


スサノの後ろに現れた爆弾はスサノが味方とトランシーバーで会話してる間に投げ込んでます。


因みに、トランシーバーの説明の際に〝イヤホンレス〟と説明しましたが完全な造語。イヤホンをせずとも直接耳に音声が届くという超絶未来的高性能なトランシーバーです。


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