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咆哮に隠された涙

「えっ…ど、どうして…」



優也は頭を上げたケイティの表情を見た…




一瞬…目が合った優也から瞳を逸らした彼女は…


とても悲しそうだった。





「あっ…」




…ガバッッッッ…!!!





優也は思わず目の前のケイティを抱きしめる…


彼女は驚いて…


顔を真っ赤にして両手を上げて目を丸くした…







「お、お、王子様…


い、一体…どうされたのですの⁉︎」





「ゴ…ゴメンよ…ケイティ…


君はこんなにも可憐な女性なのに…


昨日の闘いぶりを見て…僕は君を…


兵器のように見ていたのかもしれない…




君も僕にとって守るべき…大切な女性ひとだ…



許して欲しい…」




「……王子様……」



ケイティの表情が喜びで満たされていく…


目を閉じて優也に応えるように…彼女も彼を抱きしめた…





「コラ〜!!!何やってんの…!!!」



怒鳴り出すプラティナ…





緊張感の無いいつもの光景に…


王女達も…探偵も…


そしてマーブルさえも苦笑いしたり頭を抱えたり…








「……王子様…ケイティは凄く嬉しいですの…


こんなに私を大切に想ってくださる方なんて…


お父様とお爺様以外には…




ケイティは…王子様の願われることなら、どんな事でも叶えて差し上げたいですの!!



でも…お父様からの言いつけがございますですの…」





ケイティは自分を作った科学者…


彼女の父親との約束を思い出す…















「いいかい…⁉︎ケイティ…」



「はい!!お父様…」




「たとえ…どんな事があっても…


争う意志の無い相手と闘ってはいけないよ…





私は…君を…戦いの兵器として作った訳じゃないんだ…その逆だよ…






この世界から争いが消えるように…


みんなが笑って過ごせる世界になれば良いと…





ハハハ…君にはちょっと難しいかい…⁉︎


でも…あの王子様の力になってあげて欲しいんだ…




君と彼ならきっと大丈夫…



きっと…」












いつのまにかケイティの大きな瞳には涙が浮かんでいた…



その涙をそっと指で拭う優也…




「……そうだったのか……


君のお父様は本当に素晴らしい人だったんだね…



僕は本当に馬鹿だ…」









ギャギャギャギャギャギャギャァァァァ!!!!!






ビリビリビリビリビリビリ!!!




「くっ……!!!」




再びヴァハムートの激しい咆哮が大地を震わせる…






「…あの咆哮に…惑わされて…


君や…マーブルさんの本当の気持ちを分からずにいたんだ…



ありがとう…ケイティ…


君のおかげだよ…」




「やっぱり…お父様の言われたことは本当ですの…


王子様となら…ケイティは…」




涙を浮かべながらニッコリと笑うケイティ…



優也も彼女を見つめて微笑む…








そんな優也を…


悲しそうに見つめていたのがマーブルだった…








…ありがとう…


あなたと出会えてとても幸せでした…







ケイティと同じように…彼女の瞳にも…


野薔薇に付いた朝露のような…


美しい涙が浮かんでいた…

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