デタラメな魔法力
サブリナの姿が黄金に輝き出す…
「おおっ…これは正に…」
「お、お父様ぁぁぁぁ!!!」
プラティナは心配そうに王宮を見つめて叫ぶ…
「じゃあ…行くぞ…」
ダイナは両手を突き出し構えた…
サブリナは黙って頷いて…
ダイナの背後に立った…
「はあぁぁぁぁぁっ!!」
ゴゴゴゴゴゴゴ…
地面から大きな音がして…
軽い揺れがみんなを襲った。
「うわっ!!」
「キャァァァ…」
「サ、サブリナとやら…宜しく頼むぞ…」
懸命に魔法力を放出しているダイナ…
サブリナは目を閉じて両手を広げる…
「はあぁぁぁぁぁっ!!」
二つの掌に光の粒子が集まる…
「はっ!!」
サブリナは左右の掌を…
ダイナの背中にそっと当てた。
サブリナが掌に集めた光の粒子がダイナへと注がれていく…
バァァァァァァァ…
「ち…力が漲る…」
…ゴゴゴゴゴゴゴ!!!
地響きの音が更に轟音となり大地の揺れは立って居られないほどのものとなる…
「ヴァル…これは一体…」
「まあ…黙って見ているがよい…」
やがて…大きな地鳴りはゆっくりと収まり…巨大地震のような揺れも収まった…
「ダーリン…見て!!!」
プラティナが指差した先には…キョロキョロと辺りを見渡す巨大ゴーレムの姿があった。
しかし…皆がそれよりも驚いたのがゴーレムの足元にポッカリと空いた…
一辺が数キロあろうかという巨大な四角形の穴…
それは間違いなく…さっきまで王宮があった場所に出来た巨大な穴であった…
「お、王宮が…消えた…⁉︎」
皆が驚く中…ヴァルプルギスは笑みを浮かべながら頭上を指差した…
…………!!!
「ま、まさか…!!!」
その場にいる誰もが目を疑った…
「王宮が…ジュエラ王宮が…浮いている…⁉︎」
王宮内でゴーレムを迎え討とうとしていた兵士達も周りの景色に驚いていたが…
「皆の者…これは三国共通のナイトの称号を持つ優也殿の作戦である…
指示があるまで我々は城内で待機とする…」
兵士を纏めるレーヴァも外を眺めながらグッと拳を握った…
…頼みますぞ…優也殿…!!
急に目標物を失い…親と逸れてしまったゴーレムは子のようにキョロキョロ…ウロウロする…
驚いたのは優也達だけでは無かった…
「お、王宮を…あいつら…王宮を浮かしたのか…
あ、あの質量を…
なんてデタラメな魔法力…」
「おーい!!優也くーん!!」
アイが…箒にマーブルを乗せて優也達の元へとやって来た…
そして…瞬間移動で優也の前に現れたのは…
ゴルドであった…
「…婿殿…」
「…お義父さん…」
二人は呼び合った…
言葉を交わしたのはそれだけだった。
目を見ただけでお互いが何を言いたいか…
もう全て理解っていた…
「優也君…あのゴーレムを操っているのは…」
アイの言葉を優也は遮るように…
「ありがとう…愛ちゃん!!
もう…全て理解ったよ…」
目を伏せて黙っているマーブルを一瞬だけ見て…
優也はケイティに尋ねた…
「ケイティ…あのゴーレムを倒したいんだ…
君の力を…貸してくれるかい…」
ケイティは満面の笑みを優也に向けて…
「はい!!勿論ですの…!!
ケイティは王子様のものですの!!」
「ちょっと!!ちょっと!!
あなた…ダーリンは私のダーリンなのよ…」
プラティナが二人の間に割って入る…
「誰ですか…あなたは…認識出来ません…
ケイティと王子様から離れて下さい…」
「な、な、何ですってぇ…」
プラティナの怒りのメーターがMAXを超えた…
「まあまあ…ティナ…」
「ティナよ…大目にみてやってくれ…な!!」
「全く…何なのよ…人の大切な旦那様を…」
優也とゴルドに宥められても、プラティナの膨れっ面は直らなかった…




