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理屈じゃない…

「心の準備はいい…⁉︎」


「はい……」



アイとマーブル…二人は神妙な面持ちでゴルドの待つ会議室の前まで帰って来た…



「あの…私達…魔女探偵も優也様達に何かお手伝いが出来るかもしれません…



アイ様が来られるまで私達では役不足ですが…

少しでも…」



「…ありがとう…」



アイは微笑んで頷いた…



その表情を見てケリーは同じように微笑み…

瞬間移動して行った…







…コンコン…



「ああ…どうぞ…」



…ガチャ…



アイがドアを開けると机の上で腕を組んで

ゴルドは待っていた…




「お久しぶりでございます…


国王…いえ、ゴルド様…」



「…君のお父様…


フェイク卿が非常に心配しておったよ…」



「……ご心配をおかけしてすみません…」





「……弟君おとうとぎみの事じゃな…」



「………」




マーブルは目を伏せて…口唇を噛み締めた。




…ガタッ…



ゴルドは突然椅子から立ち上がると…



「…済まない…全ての責任はワシにある…


君の気が済むように出来ることは全てするつもりじゃ…


だから…罪のない他の人々にだけは手を出さないで欲しい…」



そう言ってマーブルに向かって自分の身を正対して深く頭を下げた。





「お、叔父様…!!」



アイはゴルドが何故そこまでマーブルに負い目を持っているのかが分からなかった…




「…分かってるんです…




…ゴルド様が私達フェイク家に対してどれだけ良くして下さっていることか…




プラティナ王女と我が弟イミテが破談になった時も…激昂したウチの父に対してゴルド様がどれだけ頭を下げて謝ってくださったか…



それだけではありません…




イミテが召喚獣を従えてこの大陸を荒らし回った時も…弟に大陸追放の罰を与えたと見せかけて…」




「えっ…《《見せかけて》》…⁉︎


叔父様…一体どういう事ですか…⁉︎」




不思議そうに首を傾げるアイを横目にマーブルは続けた…






「イカダにイミテを縛りつけ…外海に流したあの場所は離岸流で一旦は見えなくなるほど沖に出るけれど…


実は潮の流れによって一日程でソーディアに流れ着くようになっている手筈になっていたと父から聞きました…ソーディアのマサムネ様もその事を知っておられると…



そうしてほどぼりが冷めるまでイミテをかくまおうとして下さったのですね…




イミテの悪行によって企業イメージが悪くなった…父の経営する採掘場や私が社長に就任した宝石商の会社に自分のコネで次々とお客様を紹介して下さったり…



ゴルド様には結婚の破談の事を差し引いても…


感謝してもしきれません…」





「それなら…!!」




アイが凄い剣幕で怒鳴った…





「それだったら…何で優也君やプラティナさんを陥れるような事をするのよ…


恩を仇で返すつもりなの!!!」



「理屈じゃない…」



「えっ⁉︎」



「理屈じゃないんです…



どんなにヤンチャをしても…


どんなに人様に迷惑をかけても…




イミテは私の…たった一人の弟なんです…」




「………」





「弟はジュエラの王座を継いで…そして美しい妃と幸せになれる…と本人は勿論の事、私達の一族は本当に喜んでいました。



…ところが



蓋を開けてみればプラティナ王女は既に結婚していてその相手は人間…



それから弟は…人が変わったように家に寄りつかなくなり…彼の噂で耳にするのは悪い事ばかり…



遂には…外海に追放された挙句、自分で逃亡して行方知れずに…




…どうしてこんな事になったのでしょう…


結婚する筈だった王女は幸せの絶頂…


それに比べて…うっ…うっ…うううう…」






彼女は口唇を噛み締めたまま…大粒の涙を流した…



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