鏡の間
…コンコン…ガチャ…
「失礼します…彼女を連れてきました…
さあ…どうぞ…中に入ってね…!!」
「は…はい!!……うっ!!」
長い会議室のテーブルに着いた人々の視線が一斉にサブリナに集まった。
「婿殿よ…この娘が…」
身を乗り出すゴルド…
「そうです…だよね!!愛ちゃん…」
優也が見つめた先のアイは大きく頷いた…
「では早速…コジレ島へ行って参ります…」
「すまぬな…婿殿よ…アイ殿もジーナ殿もよろしく頼んだぞ…」
二人の王女は大きく頷いて…
「はい。ご意向に添えるよう…最善を尽くしますわ…」
「任しといてーなー!!ゴルドのおっちゃん!!
ドーンと大船に乗ったつもりで帰りを待っててな!!」
緊急事態の中の会議室…
本当なら笑いがおきる訳が無い筈の場所に少し笑いが起きて一瞬だけでも空気が和んだ…
ゴルドも優也も仲間のためなら一生懸命に頑張る彼女の姿を知っているからこそ…ジーナの朗らかさを本当に嬉しく思った…
会議室の面々に一礼をした優也は廊下に出るとサブリナの方に向き直って…
「じゃ…行こうか…サブリナさん…」
「えっ…ちょっ…せめてどこへ行くのかだけでも教えて貰えませんか…⁉︎」
「あっ、そうか…でもゴメン…時間があまり無いんだ…着くまでには必ず説明するから…」
「わ、分かりました…優也様がそう仰るなら…」
ジーナはジーッとサブリナの表情を眺めていた…
「何や…この姉ちゃん…⁉︎
ウチの殿に…『優也様なら…』なんてVIP感を持たせて…
ま、まさか…コイツもプロか…?
東の大陸には何人プロがおるっちゅうねん…⁉︎
ホンマに困ったモンやな…ハァ…」
優也はサブリナを王宮内の鏡の間へ案内した…
「さあ…ここだよ…」
「ここは…」
優也に促されてサブリナが入ったのはごくごく普通の広さの部屋だった…
他の部屋と違う所と言えば…調度品などは無く、部屋の片隅には大きな丸い鏡が…
吸い込まれそうな不思議な輝きを持った鏡を彼女はジッと見つめる…
「何やぁ〜!!姉ちゃん…
えらい不思議そうに見とるけど王宮の使用人をしてるんやったらこの部屋に入った事もあるんと違うんかいな…⁉︎」
「いや…ジーナ…
ここは僕とティナ…それからお義父さん以外は立ち入り禁止にしてあるんだよ…
また事故でもあったら大変だからね…
じゃあ…愛ちゃん…お願いします…」
「分かりました…」
アイは小さな声で呪文を唱えた…
鏡は青白く光った後…サブリナには見覚えの無い海と港のような景色を映し出す…
「準備はいいかい⁉︎じゃあ行くよ…それっ!!」
優也はサブリナの手を引いて鏡に向かって飛び込んだ…
それに続いてアイとジーナも同じように鏡の中へと吸い込まれて行った…




