消えた彼女
…バタン!!!
優也の部屋のドアが開いてプラティナが顔を出した…
「ティナ…!!!」
「ダーリン!!!今、女性の悲鳴が聞こえなかった…⁉︎」
「…うん…確かに聞こえたね…君じゃ無かったんだね…声が違ったんでまさかと思ったけど…
取り敢えず安心したよ…」
「あなた…私を心配してくれたのね…」
「当たり前じゃないか…君に何かあったら僕は…」
「ダーリン…」
胸を撫で下ろしている優也を見てプラティナは浮かんでくる涙を指で拭った…
「そうだ…あなた!!お弁当を玄関に忘れてたわよ…
はい!!どうぞ…」
「ありがとう!!君の事を考えていたらボーッとしちゃって…本当にゴメンよ…」
「ううん…それより気をつけて行ってらっしゃい!!」
…そして…いつも通りの日常生活が訪れた…
《《彼女以外の人には》》…
ちょっと…ここから出してよ…!!!
テラゾー!!!早く迎えに来ないとクビにするわよ…!!!
マーブルは出来る限りの大声で叫んだが返事はある筈もない…
真っ白な何も無い空間…
自分が何処にいるのかも分からない…
ポロポロと涙が流れ落ちる…
「優也…さん…助けて…」
「…ん⁉︎」
会社の駐車場に車を停めて歩き出した優也はふと足を止めて空を見上げる…
…さっきの悲鳴…何処かで聞いたような声のような気がしたけど…まさかね…
———二日後…
「ただいま!!……おや…⁉︎」
優也が会社から帰宅すると玄関に男物の靴があった…見覚えのあるその靴が誰の物か優也には直ぐに分かった。
「お帰りなさい…あなた…」
少し心配そうな表情でティナが優也を迎えに出てきた。
「お義父さんが来ておられるのかい?」
「……ええ…あなたにお話があるそうなの…
お疲れの所すみませんが、お父様も困っている様子で…」
プラティナが申し訳なさそうに頭を下げた。
「僕なら大丈夫…!!心配しないでね…」
…笑顔のまま、優也はリビングへと入って行った…
「今晩は!!お義父さん…」
「おお…婿殿よ…夜分にすまんな!!」
優也は上着を脱ぎながらゴルドの向かいの椅子に掛けた…
「とんでもない…いつでもいらして下さい…
今、ティナから聞いたんですが、僕にお話があるとか…」
優也のその言葉を聞いたゴルドの表情が見る見るうちに沈んでいく…そして溜息混じりに語り始めた…
「そうなんじゃ…実はジュエラで爵位を持っている貴族の令嬢が行方不明になっておっての…」
「ええっ…⁉︎」
「彼女の仕事の部下を名乗る者が今日…ジュエラ王宮へワシに助けを求めてやって来おったのじゃよ…」
「お義父さんに…⁉︎
でも…行方不明となると地元の自警団かジュエラ軍に申し出るべきでは無いのですか…⁉︎」
「うむ…その通りじゃ。しかしの…」
その時、ある仮説が優也の脳裏に浮かんだ…
「ま、まさか…その令嬢は宝石商を営んでおられる方では…⁉︎」
「何じゃと…!!婿殿…まさか彼女を知っておるのか…⁉︎」
「マーブルさんが…行方不明…⁉︎」




