幸せになる魔法
プラティナの目蓋の裏…真っ暗な中に一条の光がさしていた…
その光は今まで育ててくれた両親を信じられなくなり…夢や希望を失って自分の居場所さえ無くなって彷徨っていた自分にとって生まれて初めて自分自身で探し出すことが出来た…運命の光…
光の中には一人の男性が立ってこちらに向かって両手を大きく広げている…
「お、王女…様…?」
目を閉じながらとても幸せに満ち溢れた表情のプラティナはサブリナの呼びかけに「はっ!!」と気がついて驚きの表情を見せた…
「ど、どうされたのですか…?」
「な、なんでもないのよ…ウフフ…」
照れ笑いを浮かべながらプラティナはサブリナにまるで幼い子に読み聞かせをするように優しい口調で語り始めた…
「ねえ…サブリナ…
あなたは人間についてどんなイメージを持っているの…?」
「に、人間ですか…うーん…」
サブリナは一瞬困ったような表情で優也の方をチラリと見た…
その視線を感じた優也は、
「あはは…僕なら気にしなくて大丈夫だよ…
思ったままの言葉をティナに打ち明けてね…」
「は、はい…」
戸惑いながらもサブリナは、
「…小さな頃から両親からは野蛮で魔法使いに対して害を為す忌み嫌われる存在だと…
魔法学校でもそのように教えを受けました…」
「…そうよね。」
サブリナは申し訳なさそうに、
「す、すみません…人間の優也様の前でこんなこと…」
と頭を下げる…
優也とプラティナはお互いに見つめ合いながらクスクスと笑っている…
「…いいのよ…私だって同じだもの…
それどころか私の父は初対面のダー…主人に刀で斬りかかったわ…」
「あ、あのゴルド様が…」
「普段は厳格な父でもいざ娘のことになると只の心配症な親なのよね…」
「なるほど…」
サブリナが「でもその事が料理の味とどう関係あるんだろう…」と不思議に思う中、プラティナは話を続けた…
「ゴメンね…話がそれちゃったわね…
私が人間界に来て…主人や主人の周りの人達に本当に大切にして貰って…
私、なぜ優しい人間界の人がこんなに私達、魔法使いと仲が悪いのか…とっても不思議に思ったわ…」
「………」
「今では両親に主人を認めて貰って…人間界の方々にも優しくして貰って…
私、人間も魔法使いも本当に大好き!!」
幸せそうなプラティナの話を聞いて、弟…イミテの事が脳裏に浮かんだマーブルは爪を噛んだ。
「だからね…私、料理を作る時は食べてもらう人が幸せに…喜んで貰えるように頑張って作るの…
さっき、あなたが言ったように魔法を…
「美味しくなれ…美味しくなーれ!!」って心の中で呪文を唱えて…
『愛情』と言う魔法をかけて…
そうするとね、人間界も魔界も関係ない…
みんなが幸せになる魔法を私は使えるようになるのよ…」
「王女様…」
マーブルは固い面持ちのまま、沈黙を保っている…
サブリナやマーブルに語りかけていたプラティナだったが話を終えた時にはいつの間にか優也の腕の中にいた…
「王女様…あなたを知れば知る程、あなたと優也様の素晴らしさに私はジュエラに生まれた事に誇りを持てます…」
「フン、何よ…
人を傷つけておいて平気な顔をしているのに
よくもまあ…御大層な話よね…」
その時…ソファーに座って様子を見ていたミスは
プラティナやサブリナ達のテーブルに歩み寄り、三人の肉じゃがをつまみ始めた…
「モグモグモグ…」




