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あの頃

そしてギュッと抱きしめていたリルを力を緩めて離すと彼はプラティナの方へ振り返ってニコッと笑った顔を見せて、ソファーに腰を下ろした優也の元へと駆け寄って行った。




マーブルはプラティナがか自分に伝えなかった特別な調理法があるのでは…?また魔法を使って何か特別な味付けをしたのでは…?とずっと黙って考え続けていた…



すると横にいたサブリナがプラティナに向かって口を開いた。




「お、王女様…こちらのお客様も私も王女様にレシピや調理法を伺いました。


…私は調理の加減を失敗してしまいましたが、ご教授頂きました食材…調理法…盛りつけなどで然程さほど変わりは無いと思うのですが…




王女様の料理は…まるで違う料理を作られたような…私達の料理とは違います…比べ物にならない位に美味しい…」




「ちょっと!!あなた!!私達って…!!


まさか私の料理が美味しくないとでも⁉︎」




「あ…す、すみません…


でも…あなたも王女様の料理を食べられて驚かれたんじゃないんですか…?


何が違うんだろう…魔法を使われたのかな…って…」



「うっ…」



サブリナの言葉にマーブルは黙って俯いてしまった…


サブリナの言う通りだった…でも、いくら考えても答えは見つからず…



マーブルが復讐を考えている相手…プラティナに演技ではなく屈する事は絶対にしたくなかった…


そして彼女に教えを乞うことも彼女には屈辱のように思えてしまっていた。





少しの沈黙の中、再びサブリナがプラティナへと尋ねた…



「私、王女様に憧れているんです…お願いします。教えて下さい…



何か魔法を使われているのですか…?」




プラティナは少し躊躇ためらいがちに…



「そうねぇ…魔法と言えば魔法かも…」




そんなプラティナの肩にポンと手を置いた優也…

そして彼女の瞳を見つめて笑顔で頷いた。




優也の表情を見てプラティナは迷いが晴れたかのように口を開いた…





「ゴメンなさい…勿体ぶるつもりはなかったの…



ただ…私…キチンとした答えをあなたに伝えられるか自信が無くって…



でも主人の表情を見て…


私の想いの全てを受け止めてくれているあの瞳を見て…私の思った通りをあなたに伝えれば良いんだ…



やっと分かったわ…ゴメンなさいね…」



プラティナはサブリナにペコリと頭を下げた…



サブリナは慌てて…



「い、いえいえいえいえいえいえいえ…!!!


お、お止め下さい!!!王女様…!!」




プラティナに頭を上げてもらおうと必死になった。




「許してくれるかしら…?」



サブリナの目を見つめるプラティナ…



その目を涙で潤ませながらサブリナはプラティナの胸に飛び込んでその身体を思いっきり抱きしめた。



「お、王女様…勿体無いお言葉…


私は王女様のような素敵なレディに少しでも近付きたいのです…



どうかご教示頂けたら嬉しく思います…」



「ご教示だなんて…


ご存知の通り、私は運命の巡り合わせで幸運にもこんな素敵な旦那様に恵まれました…



そして人間界と魔界を両方、深く知れば知る程…

私なりに分かった事があるの…」







プラティナは静かに目を閉じて…初めて人間界に来て優也と出会った時の事を思い出していた…

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