相談
ジュエラ…ソーディア…そして少し遠くにミラールを望む…ヴァルケーノ火山の展望台…
そして真下に広がる美しいカルデラ湖の透明な水面のような涙を浮かべてマーブルはそこに佇んでいた…
「マーブルさん…」
「ああ…優也様…ご無理を言って申し訳ありません…でも…私…」
「良いんですよ…誰にも辛い事はありますから…」
「おおっ!!懐かしいのう…優也…
そうじゃ…思えばわらわとお主が出逢ったのも、二人の愛の巣があったのもこの山ではないか…
どうじゃ…最初の頃の気持ちを思い出さぬか…⁉︎」
優也の頭の中にはしゃいだ様子のヴァルプルギスの声が響く…
「ゴメン…ヴァル…今はマーブルさんの話を聞いてあげなくちゃいけないんだ…」
「全く…つれない奴じゃのう…
仕方ない…わらわは少し席を外すとするかのう…」
ヴァルプルギスは幽体のまま優也から離れて何処かへ飛び去って行ってしまった…
「優也様…」
優也とマーブルの様子を少し離れた所から見守るサブリナ…
彼女はソーディア王宮での優也とのやり取りを思い出していた…
「ゴメン…サブリナ…先にジュエラに帰っていてくれないか…?」
「ダ、ダメです…私は優也様を無事にジュエラ王宮へとお連れする責任があります!!
どうしても…寄る所があると仰るなら、私もご一緒させて頂きます…」
「…分かった…でも、実は…マーブルさんは僕に相談があると言ってこられたんだ…
残念ながら僕達…人間は昔、君達…魔法使いに酷い事をして一度見限られているんだ。
そんな人間の僕にジュエラの人が相談を持ちかけて下さったのはある意味…少しでも人間を信用してくださったという事だと思ってるんだよ…
この世界の人々に精一杯の誠意ある行動を見せて少しでも人間の信用を取り戻さないといけない…
そりゃあ…僕が一人で出来る事なんてたかがしれてるさ…
でも、だから放っておくんではなくて僕が出来る事を一生懸命やる…
サブリナさん…君に対しても僕は同じ気持ちだよ…」
「…ゆ…優也様…」
優也の温かい言葉がサブリナの心を撫でる…
ああ…この人はなんて真っ直ぐなのだろう…
自分が生まれる前に…知らない誰かが犯した過ちを…
自分の事のように考えて…出来る範囲で償おうと…
私達…魔法使いの世界の人々にこんなにも真っ直ぐ向き合ってくれる人間…
各国の美しい王女様がこの人に夢中になるのも当然だわ…
サブリナの心に爽やかな風が吹いた後に情熱の赤い炎が燃え上がる…
こんな…こんな素敵な方に悲しい想いをさせてたまるもんですか!!
あの厚化粧のオバさんから絶対に優也様を護ってみせるわ…
サブリナは熱い眼差しで優也とマーブルの動向を注視していた…
「マーブルさん…それで…僕に相談というのは…」
「それは…」




