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0. 空色のprologue
覚えているよ、ちゃんと。
忘れる訳がないだろう。
決して、忘れたりはしない。
君の名前。容姿。感性。生き様。
全てが美しかった。
華、のようだった。
そこまで美しかった君に、罪はない。
ただ、世は君の全てに、罪を押し付けた。
君は、此処を去るしかなかった。
でもね。
君は悪くないよ。
僕はそう、信じている。
たとえそれが、
そう信じることが、
世界を敵に回すことだとしても。
だから、僕は。
過去に、今に、未来に、祈ろう。
過去を、今を、未来を、捧げよう。
君を清めるために、いつまでも。
君を清めるために、どこまでも。
君を清めるために、どんな時も。
過去から、今、そして未来へ。
君を清めるために、これからも。
…どうか、彼女に、安息を。