体質
テストが終わったー!という事でいつも通り短いですが投稿です
「…………こ……こは? 〜〜〜〜〜ッ!」
目を覚ましたノアは、自分の現状を忘れて起き上がろうとした。その結果、全身に激痛が走ってしまった。若干涙目になっていた。しかしながら、それは当たり前のことである。ノアが気を失ってから2日……全身の筋肉がボロボロになり、身体の至るところから血を噴き出していたノアが、たったの2日で意識を取り戻せたこと事態があり得ないのだ。いくら魔法があろうとも、ノアの身体を治しきることは出来なかった。つまり、幾らかは治っているわけで……痛みをハッキリと認識出来てしまったのである。
「思い……出した。今……の俺はッ…………オーガを倒した代償でぜ……んし…………ん……ボロボロ………………」
ノアは、自分の身体中が傷付いていることを思い出し、現在地を医療施設だと予想した。流石にどれ程気を失ってしたのかは把握出来ていないため、医療部隊のテントなのか国内の医療施設なのかは判断出来ていない。
(流石に一週間近く寝ていたとかはない……よな?)
自分の現状だけではなく,氾濫の情報も欲しいため、ノアは早く誰かが顔を出してくれる事を願った。
* * *
アリシアが、ノアを医療部隊に引き渡してから2日。彼女は氾濫の後始末の為に働き詰めであった。休憩に当てられた、ほとんどの時間をノアの看病に使い、残りを倒れない為の最低限の休憩に……。医療部隊の面々もアリシアを休ませようとしたが、
『彼があそこまで無理をしたのは私の所為だ。だから出来ることをさせてくれ……』
と頭を下げられて何も言えなくなってしまったのだ。そして彼女は、今回の休憩も彼の看病に使おうとしていた。
「…………」
心を落ち着け、彼の眠る部屋に入る。そこには変わらず包帯だらけのノアが眠っている…………はずだった。
「あれ? 何でアリシア様がこんな処に?」
現在のノアは、包帯だらけで誰が見ても重傷だと一目で解る。その事には変わりがないが、誰が見ても大丈夫そうだと思ってしまうくらいには、すっとぼけた顔をアリシアに晒していた。
「見舞いだ…………貴様の怪我は私が原因だからな。予想以上にはやく目が覚めたから驚いたぞ。容態はどうだ?」
それを見たアリシアは、安堵と同時に何と声をかければよいのかわからず、ぶっきらぼうに接してしまう。自身の失態により怪我を負うこととなったノア……その事に罪悪感を覚た。それに加えて、|今まで一度も経験したことのない《理由のわからない》動悸……吊り橋効果を含む恋心という奴だ。
「多少は痛みますが問題ありません。恐らくですが、3日程度で動けるようになります」
そんな彼女の行動を気にすることもなく、背筋を伸ばしてノアは答えた。身体が痛むなかでの行動故に、瞳に雫が浮かんでいるが……
「……たったの3日でか? それほどの怪我だぞ。一人で歩くだけでも一週間程度は必要だろう?」
この場合、アリシアの考えが普通だ。その様子にノアは、苦笑しながらも答える。
「私の家系の特異体質というものです。魔法は基礎の基礎も使えない……その代わりに2つの魔法が特化している」
この世界の生物には魔力が宿る。 人間であれば生活に使える基礎の魔法(一般的に生活魔法と呼ばれる)は誰であろうと使えると言われる。そのため、使えない家系は呪われている……又は人ではないとされていた。現在は、使えないのではなく魔力の放出が出来ない為に自身の魔力を感じられないと解明されている。そのような家系の大抵は、他者の肉体の一部を媒体とする呪術を得意とされているのだ。
「私の家系は、自身を破壊するほどの身体強化……実例が今の私ですね。そして、自分限定の回復魔法です。その回復力があれば直ぐに治る筈です……回復においてのデメリットはありませんしね」
「何!?」
しかし、ノアの家系は更に特殊であった。確かに放出はしていない。だが、どちらも魔力を感じ取らなければ出来ない。感じ取れるのならば基礎は使えるはずである。
「言いたいことはわかります……私の家系は、魔力の調節が1と0でしか出来ないのですよ。放出したが最後……死ぬまで全力放出なのだそうです」
それ故に、『基本的に魔力を頼るな』と教えられる……と続けたノアの目が遠くなっていた。アリシアは何も言えなかった
微妙? 本人も思ってます。久々すぎてちょっとね……




