式典(2)
やっとこさ投稿
相も変わらず短いです
式典は意外にもあっさりと終わった。ノアにも爵位が与えられたが、隊長格――――特にアリシアの――――勲章で盛り上がり、ノアの印象が大分と薄れたためだ。魔王討伐で活躍したと誤魔化して貰えたのも大きかった……と言うよりも大半の理由だが。しかし、彼にとっての受難はまだ終わっていなかった。
式典が終わり、その後の祭りに参加する気力が残っていなかったノアは、そのまま帰ろうとしていた。しかし、それをアリシアに止められてしまったのだ。流石に気を使ったのか、人目につかない場所での呼び掛けであったが、ノアにとっては呼び掛けられたという事実がもうダメだ。しかも、アリシアはただの伝言役。アリシアの父……ウォード家当主からの呼び出しだ。断る事など出来ず、大人しくアリシアに着いていく事しかノアには出来なかった。
「この馬車に乗ってくれ」
「…………はい」
逃げる事の出来ない面倒事…………足掻く事に意味はなく、ノアの目は暫くの間死んでいた。そんなノアにアリシアが話しかける。ノアに気を使ってのことなのだろうが、彼の心情からしたら「家に帰して下さい」である。
「すまないな……こんなことになってしまって」
「何故、アリシア様が俺……私に謝罪などを?」
謝るのなら帰してくれ……とは言わなかったが、ノアの頭はそれだけである。
「その……だな。此度の氾濫についてを父に報告したのだが……正確な情報を伝えると自ずと君の事も報告せざるを得ず。父が君に礼をしなければと聞かなくて…………本当に申し訳ない!」
そう言って謝るアリシアの姿に威厳はなかった。誰が見ても年相応に落ち込んでいる女性である。しかし、ノアの心情からしたら(ry
「アリシア様が頭を下げる必要などありません! ウォード家への招待……それも当主様直々などと私からしたら身に余る光栄ですので」
ノアからしたらこれもまた本心ではある。ただ比率が『休みたい:1 光栄:3 面倒臭い:6』と言うだけである。呼び出されるのが翌日であれば『面倒臭い:4 光栄:6』程度にはなっていただろう…………十分アレではあるのだが。
「そう言って貰えると助かる。呼び出しや氾濫での借りもある事だ……何かあれば私を頼ってくれ」
そう言って優しい微笑みを浮かべたアリシアに、一瞬見とれたノアだが「ありがとうございます」と何事もなかったかのように応えた。
ウォード家当主との対面迄……あと数十分
式典と言いながらその描写がないって言うね!タイトル詐欺なんて言ってはいけないよ!




