第五話
はぁ…
俺の前に屍が8つ。副官と、1番と、4〜8番と、王太子。
めんど。ことに最後が。
あれ?なんだがデジャブを感じるが…まぁいいやそんなこと。
1番以下略のジア領メンバーは強行軍再びで屍と化した。
副官は、1番の書類やらそのほかの後始末で屍と化した。
王太子は…うるさいからちょっと訓練場でつつき回した。え?誰が?俺が。不敬に当たらないかって?大丈夫、王太子も満更じゃなさそうだったし。ちょっとしかしてないし。ならなんで屍になってるか?しーらない(泳ぎ目)
はぁ…
なんにしろめんどそうだな、後始末が。いいや、副官(現在屍)に押し付けよーっと。♪~(´ε` ;)
よし、屍復活!みんな元気!さぁ訓練を再開しよーか部下ども!!
「サラッと流すな。ほぼ全部お前のせいだろうが。」
俺しーらねっ(泳ぎ目)
…コホン。思わず大人気ないかつキャラじゃない行動しちまった。まぁいいやそんなこと。
「で、そういや何しに来たんだ変人暇人王太子。」
「サラッと流すわ仮にも王太子を酷い呼ばわりようだな。」
文句を言いながらも王太子に特に気にした様子はない。…そういや、この王子の名前なんだっけ?まぁいいかそんなこと。
「…仮面越しでも何故かお前の脳内の様子がハッキリ分かるが、突っ込まないでおこう。どうせ何言ってもお前は変わらんだろ」
・・・バレてらー
つかなんでこんなにバレるんだろ…仮面の意義が半分は無くなったぞ。
…え、気配に出まくりだからだろうって?えー、そうかなー。そうでもないよー、ね?
思考が逸れた。
「…実は、お前に新たな命令が来ていてな」
何故だろう、嫌な予感しかしない。
「隣国アルザナから、勇者たちを訓練してくれないかと密かに依頼が来た。秘密裏に来たから、一応断れるが…」
あー、恩を売っておきたいから断りたくない的なー?国王なら当然の反応だよな。相手、魔術は最先端のアルザナだし。
つか、「荒くれ者も子羊に♪ 劣等生も人外に♪」と謳われるほどの(と、副官が言ってた…)俺んとこに名指しで訓練頼むとか…どんだけ将来絶望的なんだ勇者たち。
「王子ぃ」
「…なんだ?」
王太子は俺の無気力な口調に眉をひそめた。が、それについては言及しない。
「俺さぁ、個人的に勇者関わりたくねぇんだが」
「すすんで関わりたいやつも少ないだろ」
王太子、なかなか辛口っすね。
「まぁ、お前が《命令》するんだったら別に引き受けてもいいぜ?」
仕事ならな。
「そのかわり、給料には期待してるから」
「…お前、ほんとそれでも私の騎士か?金上乗せ要求してくるとか」
「割に合わねーだろ、勇者なんぞ相手にしたら」
「酷い扱いだな。仮にも世界を救う勇者様だぞ?」
「救ってから名乗りやがれ。タダ飯食らい」
「いやいや、勝手に召喚したんだから養うのは当たり前だろう…」
「5年もかけて、なんもできてねぇじゃねーか。しかも性格に難あり。終わってるなー世界」
「お前、ほんと勇者には辛口だよな…」
辛口王太子には言われたくないね。
「まぁ、引き受けてくれるんなら命令するよ。勇者たち、かなり匙投げられてるし…2代目聖女の力があんまり大したことないらしく、士気も落ちてるらしいからな…」
げぇっ 世辞でも引き受けるとか言わなきゃ良かったかもな…
つか匙投げられまくってんのかよ勇者。不安しかない。しかも2代目聖女はやっぱり大したことないのか…終わってるなー、世界
カイトのキャラ振れが激しい…けど気にしないでください