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第三十二話

 

「「(自分たちの)平和のため!魔王を倒す!」」

「「邪神様の悲願を叶えるため!(真面目で可愛い)魔王様を守るため!勇者共を倒す!」」


 そして再び魔王軍vs勇者達プラス騎士団の戦いが始まった。


「わー、熱いねみんな」

「物理的に、熱いです…なぜ1人涼しそうにしていらっしゃるんですか団長」

「どうせ魔法使ってないんだろ?」

「そりゃ上着に温度調節機能が付いてるからな」

「便利そうだな。寄越せ」

「断る。例え王太子相手でも渡さねーよ」

「歪みないですね団長」


 俺と王太子、副官は観戦中である。


「あの生徒そのいくつか、炎使いすぎだろ。魔力を薬に頼って湯水の如く使うつもりだな」

「そういや、いつも思ってたがお前のところの…3番だったかがよく使うポーションは、どっから湧いてくるんだ?あの質であの量、どう考えてもまっとうに買えば予算に収まらないはずだが…」

「ほう。王太子、足りないと分かっててあの予算を出してるのか?いい度胸だな」

「…催促しなかったろ。つか質問逸らすな」


 ぶっちゃけると、いつも部下に与えてるポーションは雑草から()()調合したいわゆる“練習用ポーション”である。ちょっとスキルレベルが上がりすぎたことと、部下のHP量が大したことない(普通の人の数倍はある)ことで、十分に利用できる薬になっているだけなのだ。


 まぁ、わざわざ教える義理はないけどな。


「倉庫にあったやつだ」


 概ね嘘ではない。3年前くらいに大量生産して亜空間倉庫(時空間外)に突っ込んでおいたやつを引っ張り出したやつだし。分かってはいても、若干消費期限が心配になったのは秘密である。


「そんなもの、倉庫にあったのか!?…倉庫はマメにチェックすべきだな。案外使えるものも残ってるかもしれない」


 多分、王太子は城の倉庫と勘違いしている。別に俺はいいけど、倉庫番のやつ、後で大変だろーな。



「ところで団長、どうしてわざわざ戦いをさせたんですか?あのままいけば平和条約とか結んで魔族と人族が仲良くできる道もあったでしょうに」


 真面目だな、副官は。


 そんなの、決まってるじゃないか。


「その方が、都合良かったからな」


 副官と王太子が不審そうに眉をひそめたが、俺が特に話そうとしないのを見て、特に追求しようとはしなかった。王太子は王太子で納得したんだろうし、副官は俺相手に追求できるわけがない。


 準備は概ね整った。


 あとは、待つだけだ。











 そして…


「「今だ!」」

「魔王、その首、貰ったあああああああああああ!」


 勇者の剣が魔王の首を切り落とし、勇者の炎が切り口を焼いて治癒を防ぎ、聖女が浄化してアンデッド化を防いだ。


「ハァ、…ハァ、ハァ……」

「た、倒した、のか…?」

「「や、やったー!これで日本に帰れるー!」」


 勇者達は歓喜し、騎士達は互いに方を抱き合い、王太子は笑顔になり、俺は静かに待った。



 そして、魔王から取り出した魔石を掲げた勇者の頭上から突如光の扉が現れ……


 念願の、女神が現れた。

王太子「そういや、お前は戦闘に参加しないのか?確か、戦闘好きだったろ?」


カイト「ん、お前のお守りがあるからな(ただの口実。実際は、俺が参戦するとすぐ戦いが終わってつまらないから)」


王太子「そ、そうか…悪いことをしたな。すまん」


カイト「……」


王太子は、カイトに対しては真面目…当初とキャラが違ってしまった。残念。

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