第二十六話
〈…きろっ!ねぇ!起きろったら!〉
ハッとして、俺は暗い眠りから覚めた。…なんだか嫌な夢を見ていた気がするが、なんだっけ?まぁどうでもいいや。
「なんだよリア。」
〈騎士たちが困っテるぞっ。王太子が現れたってさ〉
「あ゛あ゛?」
〈ワタシに怒るナよ〉
嘘みたいに暇な野郎だな王子。
立ち上がって伸びをすると、身体はもうほとんどいつも通りになっていた。まぁ毒耐性あるし。これくらいじゃ死なねーよな…
不機嫌な顔で魔道具(服)を付け、仮面を装着していることを確かめると、外に出た。
「マジで何しに来やがった王子」
「開口一番に、それ…?」
「べ、別にお前に会いに来たとか、そういうのじゃなくて…いや、久しぶりに魔物を相手にしたくなって…その…」
珍しく、王太子が口ごもってる。変人な暇人も口ごもることがあるらしい。
「…さも驚いたような顔をするなよ」
驚くわ。
「まぁそんなことはどうでもいいけどさ」
「え…」
「わざわざ野営地に魔物連れてくんなよ。邪魔だろ?」
そんなに魔物狩りしたかったのか?それなら城の近くでやれよ。何も魔王城の近くの森まで来なくてもいいじゃん。
後ろを振り返った王子&騎士及び勇者どもが絶句した。そりゃそうか、ああいうヤツらはそうそう見ないしなー
王太子が連れてきた魔物はバジリスク。S+級の強ーい魔物(一般論)。
「なっ…!」
「あ、あれはまさか…!」
はいはい。めんどくせぇ。
「目を見るなよ、死ぬぞ!」
「石化防止の結界を張れ!」
「くっ…石化が始まっちまった…」
「聖女!石化解除できるか?」
「…っ、やってみます!」
あ、聖女っていたんだけっけ?やべえ、忘れてた…
にしてもな…めんどくせぇな、こいつと戦うの。
だってさ、石化使う上に目を見たら即死だぜ?やってられっかーっての。
いいや、殺しちゃえ。部下に任せると戦闘長引くし、王太子に何かあると給料減るし。割に合わねぇ制度だよな。
ザシュッ
ボトッ
ゴロゴロ…
「「「…」」」
首落とせば一発だろ。こういう蛇的なタイプって。
「さっきの苦労はなんだったのか…」
「できれば被害が出る前に動いて欲しかった…」
「てか団長さん、S+を一撃KOとか…どんだけ強いんだよ…」
「そういや、今まで苦労して倒してきた敵も、団長にかかれば一発だったのでは?」
「俺たちの苦労は、一体…」
そりゃあもちろん。
「お前らの経験値のために譲ってやってたんだぜ?」
剣の手入れってめんどいし。
「「…絶対半分以上めんどくさがってただけでしょうがっ!!」」
ちっ、バレてら。
経験値のためってのも本当なんだけどなー
俺、もう経験値とか必要ないし。
「ハァ…なんで団長さんはこんなに面倒くさがりなんだろ…」
「わたしこの人にキス奪われたんだよね…なんだかなぁ……ちゃんと働いていればイケメンでしかないのに…色々残念…」
…勇者どもに訓練追加しよう。ごちゃごちゃうるせぇよ。




