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第十七話

後半は5番の視点になります。

 

「〜♪」


 俺は現在、最高にテンションが高い。自覚はある。


「〜♬」


 だが、自覚あるか否かとそれを止められるかはまた別問題である。


「〜♫〜♩」


「テンション、高いっすね」

「あの団長が、鼻歌を!?」

「槍が降るかもしれませんね」

「怖っ 頼むから普通にしててほしいよ…」


 俺の機嫌が良い事をいいことに、好き勝手に喋る生徒と騎士たち。俺は、鼻歌を歌いながらさっと鉄槌をひと振りし、気分とノリでポーションを振りかける。


「〜♪」

「ぎゃああああああ!」

「いったあああああああっ」

「うううっ肩が…っ」

「ごごごごめんなさいぃっっ!」


「〜♬」

「!?」

「!?」

「なん…だとっ!?」

「こ、これは奇跡…いや、まさか、団長が入れ替わってる?」


 失礼な。もう1回入れとくか、鉄槌。


「〜♫〜♩」

「ぐはっ」

「ぐほっ」

「こ、これは…ぐぇええ」

「ほ、本物だ…うぷ(モザイク)」


 当たりどころが悪かったらしく、約1名吐いた。汚い。


「食料は大事にしろよ?」ニコッ


 …何故か全員押し黙った。まぁ、みんないい子だし?(笑)


 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


 団長(じょうし)からの通称5番は恐怖していた。どうしよう、団長がおかしくなっちゃった。



 うちの上司はもともと、ちょっとヤバイ系の人間だ。


 魔物を殺す時、酷く嬉しそうにしてるし、仮面越しでも血を眺める上司からは『美味しそう』という声が聞こえそうな、本当に人間か疑いたくなる人だ。


 ついでに言えば、訓練中は楽しそうに部下をいじm…いや指導しているし、出す命令の9割以上が鬼畜を極めている。おかげで、僕もすっかり人外じみたステータスになった。柔らかく言ってもドS。立派なサド。オマケに、なまじ腕がたつから、誰も逆らえない。誰もかなわない。人間とは思えない。


 まぁ、僕が言うのもなんだけど、たぶんそれ以外の性格とかは女性にモテるんだろうとは思う。


 仮面の下は見たことないが、少なくとも見えてる口元や、たまにみる髪の毛は綺麗だ。…言っとくけど、僕はノーマルだからね?べ、別に上司を観察するなんてことは普通だしっ。うん。


 あんな上司だけど、女性には優しい。イケメンだ。僕らには理不尽で人外鬼畜を極めた命令ぐらいしか紡がないあの口も、女性に対しては微笑んだりする。し、嫉妬なんてしてないからっ!部下の僕らが命令を受けるのは仕方ないことだし… でもまぁ、少しぐらいこっちにも優しくして欲しいと思う。



 …と、考えていた時期も僕にはありました。


 怖ぇ。マジ怖ぇ。な、なんかいつもより本物に近い親切心が溢れてる上司、だと!?何が起きたし。怖すぎる。明日には世界が終わるかもしれない。


 あの上司が鼻歌!?


 あの団長が、手ずからポーションを!?


 いくら遠出の最中で、あの人の好きな魔物殺戮パーティに行くからって、こんなに機嫌がいいのは初めて見たよっ!怖すぎる!


 誰か助けてください…


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