第十四話
今日も今日とて、勇者たちは訓練している。5番は地味に人気者。以外と子供に好かれやすいのかもしれない。
「お前が子供に好かれなさすぎというか、好きじゃ無さすぎなんだろう。」
横で呆れている王太子。はっ、いつの間に来てたんだこいつ。
「まぁ、お前は子供に限らず他生物に基本興味無いよな…」
「んー、そうかもな?」
「否定する気ゼロか。国の王となる私の思考回路と丸で反対だな」
「…それ自分で言うか?」
「少なくとも、私は他の生物のほとんどに関心があるし、お前よりかは断然生き物が好きだ」
「んー、俺も好きだぞ生きモノ」
「殺す瞬間だけだろ」
・・・バレてらー
「大体、お前は自分の部下の見分けついてるのか?」
・・・痛いところをつかれた。
「…んー、概ね?」
「嘘つけ」
「番号にしたら結構覚えられたし」
「実力は、だろ」
察しの良いことで。
「…実力・戦い方・番号を覚えていればOKだろ」
「ほんとに名前とか顔とか性格とか分からないんだな…城の女性たちが泣いてるぞ。」
「副官とかなら(名前以外)ちょっとわかる。…何故このタイミングで城の女性の話になったんだ?」
「…心当たりないのか?」
「全く」
「…(ため息)」
「…?」
「……なぁ、お前んとこによく差し入れしてくれる女性がいただろ?」
「んー、と…」
ちょいまち。
「…あー、うん。あれ、当番制なんだっけ?」
「…全然違う。」
王太子はため息を付いた。What?
「(ため息)…あれはな、お前に好意を持っている人がお前に持って行っている差し入れだ。」
「ふぅん。…第九騎士団まで差し入れ持ってきてくれる人は、たいてい少なからず厚意を持ってるんじゃないか?」
首を捻ると、鈍感か、とボソリと王太子が呟く。
失礼な、敵意には敏感な方だと自負してるぞ。
「…ほら、お前ってよく女性を助けたりしてるだろ?あと、たまにフードをとったり。あれでな…」
「…?」
またしても首を捻る。確かに女性が困っていると助けたくなる。元々、何方かと言えば男嫌いだから、なんとなく味方したくなるのだ。
「…」
また王太子がため息をついた。可哀想に、王太子には悩み事がたくさんあるんだろう。お疲れ様。
「…そうだ、お前、好きな人とかいないのか?」
「?すきなひと?」
突然王太子が謎の質問してきた。何を馬鹿なことを。
「んー、お前が知っているかどうか知らないけど、俺は一生結婚するつもりないし、その前に人間の見分けがイマイチつかないからな…」
人間皆同じ。全部同じ顔をしているように見える。魔物などと似たような感じだ。さすがに魔物と人は区別出来るけどな。
「…お前、まさか、戦闘狂か脳k…ぐはっ」
ここで鉄槌(銀)を振った俺は悪くない。何さ人をまるで馬鹿みたいに言うのはやめて欲しい。