第十二話
短め
突然ですが、ここで問題です。デーデン!
Q:目の前にこの国の王太子が現れた!どうする?
a.殴る
b.蹴る
c.切る
正解はー…
「いやいや選択肢おかしいだろどう考えても!」
む。失礼な。王太子とはいえ言って良いことと悪いことがあるんだぞ。
「いやいやいや。タメ口を平気で王族にききさらには攻撃してくるお前には言われたくないな!」
む。そうか?
「てかいい加減喋れよ…私が変人みたいだろう。」
めんどくせぇ。
「…で、何のようだっけ王子」
「相変わらず毒舌だな。あと、私は暇人ではないぞ」
思わず首を傾げる。
「おいっ!そこ傾げるな!大の男が首傾げても可愛くねーよっ」
一応女だけどな。
「どうでも良さそうにするな!ったく、なんで王太子の私がこれほど声を荒らげなければならないんだ…」
勝手に荒らげてるんだろうが。
「で、何のようだっけ?」
「いや、別に大した用ではないんだが…」
じゃあ何故に呼んだんだ暇人。まさか、暇つぶしとか言うなよ?
「明日、私が遠乗りに行く護衛を任せようかと思ってな」
大した用って言っていいと思うぞ王太子。もっと自信と自覚を持てよ時期王じゃねーか。
「まぁ、カイトは勇者教育で忙しいだろ?だから、別に断っても…」
「個人的理由で引き受ける」
「…何故に個人的理由?」
「俺としては、勇者の面倒みるのがだるい」
「そ、そうか…」
「ん。そうだ。」
勇者観ててもイラつくし。自分で何か狩りたい。
「…さすがにダンジョンは入れないと思うぞ」
「別にいいさ。何か殺せれば」
(物騒だな…)
なんとなく、王太子が失礼なことを考えた気がしたが無視する。
「じゃあまた明日。」
「遅れるなよ」
〈ククッ 王太子はなかなかいいこ、だな〉
〈殺しちまうのは惜しいか?〉
〈ククッ 生かしておくのもありかもな〉
〈ほら、“アイツら”みたいにさ〉
〈そしたらずぅっと一緒にいられるんだろ?例え…〉
「リア、うるさい。あと邪魔だ。影の体で明かりの前に立つなよ。そんなことしても身長伸びたりしないんだから。」
〈………〉
王太子も主人公の性別に気づいていない