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親友が女になっちゃったので全力で愛でたいですが。  作者: 落単 竜念
世界は変わらないが、見える世界は変わるかもしれない。
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変わっていくもの、変えていくもの

恋人が出来て浮かれてしまった俺の心を静めてくれたのも、また恋人だった。


普通ならおかしいのかもしれないが、俺たちは普通じゃあないのだ。


これくらいは諦めて受け入れるしか方法はないのかもしれない。

目の前に座る祥子をずっと眺めていたら、授業はいつの間にか終わっていた。


結局、1日を通しても友人3人組が俺たちの関係に気づくことはなかった……と思う。


そういえば、なんで祥子は友人たちに俺たちが付き合い始めたことをバラさなかったんだろう。


祥子の性格を考えれば、こういうことはすぐにでも友達に伝えたいと思うだろうし、俺だって付き合ったことをバラされてもいいように一応の覚悟はしていた。


イメージトレーニングまで済ませていたので、多分今回なら何とか対処できたんじゃないかと思う。まあどうせ無理なんだけど。


気になった俺は、いつもの家への帰り道の途中で祥子に聞いてみる。


「そういや、あの子たちにはバラさなかったのか?」


なんなら、もし俺が告白を断ったとしても、「んも~~っ、フラれた~~っ!!」って俺の目の前でみんなにバラすような気がする。はた迷惑すぎるだろ。


そんな俺の疑問に、祥子はまるで子どもをあやそうとするような優しい笑みを浮かべて答えてくれた。


「もちろん友達にはすぐに言おうかなとも思ったし、言っていいなら今すぐにだって言いたいよ。


ずっと私の恋を応援してくれたんだもん」


そうなのか。


言われてみると確かにそんなことも匂わせていたような気がする。


もっと正確に言えば、俺が祥子を女として見ることから逃げていただけで、内心薄々は感じていたのかもしれない。


何を相談してたのかとか、その辺のことは気になるけれど。


そういうことは彼女たちだけの思い出にするべきだ、俺が踏み入るべきことではないだろう。



でも、そうだとしたら余計に言わない理由が分からない。


「けどね、」


首を捻って考え込んだ瞬間に、祥子は俺の耳元にキスが出来る程の距離まで近づいて囁いた。


「義明はさ、私に告白するときも口外しないように隠してきたじゃない?


だから、もしかしたら私と付き合い始めたのも隠したいのかなって思って……。


ほら、こういうのは私一人の問題じゃないから、ね?」


右耳から聞こえてくる甘い声に目を見開かせて隣を見ると、本人もちょっと背伸びしすぎたと思っていたようで、その顔の熱さを隠すように忙しなく両手を開いたり閉じたりしていた。


空はまだ明るいはずなのに、横目に見える祥子の左頬が少し赤くなっているのがハッキリと分かる。


目を何度か瞬きさせた後で、ようやく自分の口が開けっ放しになっていることに気づいた。



うーん、天使すぎるな―。


今なら祥子の背中から突然羽が生えてきたとしても驚かない自信がある。


「みなさーん!!!ウチの彼女がかわいいんですーーー!!!」


「ちょ、ちょおおっと!?やめて!?」


いかんいかん、つい本音が出てしまった。


撃ち抜かれた内心を隠すように、俺は復活しきっていない頭で冗談を探しながら必死に場を繋ぐ。


「清い、清すぎるぞ!誰だお前!?」


適当なことを言ったつもりだったのに、言葉にして自分でも初めて気づいた。


これ、本当に祥子か?


おかしい。


俺の彼女がこんなに清純なはずがない。


俺の知っている彼女は、心が汚れきっているだけでなく、俺をもその汚れた道に堕とそうとしてくる危険な存在のはずだ。なんで俺はコイツの彼氏やってるんでしょうか。


「えぇ!?ひどいなあ、私はもともと白だよ!クリーンだよ!」


「お前が白だったら俺は真っ白だよ。驚きの白さだよ」


「ふーん?彼女にそんなこと言っちゃうんだ?」


したり顔で祥子が迫ってくるが、その台詞が俺にとってスゴク危険なものであることを、彼女は知らなかったらしい。


「あー、それね、第7位」


「え?何のランキング?それ」


「俺が思う女に言われたくない言葉ランキング」


ちなみに選考理由は自分のことを棚に上げて男をディスろうとしている点です。


「え?ち、ちなみに、1位言っちゃうとどうなるの?」


「623弱Pからの中P中K同時押し→66でキャンセルして236236PPP」


「OK、わざわざキャンセル入れてコンボ繋げようとしてくる辺りに怒りが詰まってるのは何となくわかった」


そうしてくれ。彼女相手にコンボで嵌めるようなことはしたくないんだ。



「というかさ、最近思ってたんだけど。


いっつも私ばっかりが義明を困らせちゃうから、いくつか私が話したい話題を上げるから、そのうちの一つを義明が選ぶって形にすればいいんじゃないかな?」


冗談はさておき、こうして祥子と話していると、なんだかコイツがもしかして本当に清くなったのかという錯覚を覚えてしまう。


まるで誰かに浄化されてるみたいだぞ。俺は浄化剤だった……?


「いいぞ、やってみろ」


「1.ぶっちゃけお互いのことをアレにしたことはあるか?


2.あるとしたらどんなシチュエーションを妄想した?


3.男でも簡単に潮が吹ける方法見つけたんだけど


4.昏睡レイp――待て」


ノリノリで喋っている祥子を無理やり止めて、放置させていた頭を再び動かしだす。


どうしてロクな話の話題が出てこないんだろう。全部嫌すぎるしなんなら4は4章の方だな?


遊戯王的に言うなら「(された側が)苦渋の選択」やろこんなもの。



結局、俺が祥子に振り回されているような状況が、そんな簡単に変わるわけはなかった。


ま、そりゃそうか。なんせ、コイツとは恋人になった時間よりも友達でいた時間の方が圧倒的に長いのだから。


きっとこれからも、俺たちの間にはこんな風にゆる~い時間が続いていくのだろう。


うん、そうだな。



これをゆる~いと言いきれてしまうあたり、俺の方もなかなかに変人だった。



ちなみに、「祥子ちゃんの雰囲気が昨日よりも違いすぎたから」という理由で友人3人組に俺たちの関係が一瞬でバレたのは、また別の話である。


「さあ、どうだろうねぇ~~」なんて満面の笑みで言ったらバレるに決まってんだろアホか。

どう書いても完全に蛇足感がスゴくなってしまったので諦めました……。


もう、ストーリーは次で無理やり終わらせましょうか。打ち切りエンドかな?


次回は、6/30を予定しています!!


それでは、今回も、ありがとうございました!

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