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親友が女になっちゃったので全力で愛でたいですが。  作者: 落単 竜念
夢と希望というものは、自分で作り出さないといけないらしい。
11/29

お隣さんのために、俺も

過去は変えられないが、未来は変えられる、という言葉があるが、これは半分しか正解ではないと思う。


自分一人で変えられる未来なんて、たかが知れている。


未来を変えるには、それを支えてくれる人がいないと未来は変えられないのだ。

最初の一週間が過ぎて、新学期になってから初めての休日を迎えた。


『平日があるから休日の喜びがある!!』なんてことを言う意識の高い輩がたまにいるが、そんなのは大嘘だ。人間誰も、延々と休んで許されるなら全員そうするに決まっていると思う。というか俺は実際そうだ。


それにしても長かった。長かった一週間だった……。


初めの方だから、授業自体はそんなに大変ではなかったものの、日常会話の中でボロを出さないように意識し続けるのがこんなに精神をすり減らすものだとは思ってもみなかった。


クラスメイト達と喋る分にはまだいい。


男子から祥子の話題を出されて、「あの子ってどうなの?」なんて聞かれても、「可愛いとは思うけど……。まあ、そのうち慣れるよ」なんて、当たり障りのないことを言っておけば済む話だ。


まあ実際全然慣れてないんですけどね!!!


今でも、つい気を抜いて祥子を見てしまうとうっかり見惚れかけることだってあるし。


だってカワイイんだもん!!!しょーがないじゃん!!


男ってのはなぁ!!かわいい女がいたらついつい見てしまうものなんだよ!!


それはそれとして、問題は他の人がいるところで祥子と喋る時だ。


ボロが出ないように丁寧に喋らないといけないはずなのに、時々話が盛り上がってしまって思わず素の顔が出現しかけてしまうから、内心あふれ出してくる気味の悪さをグッと気合で飲み込むことに必死で、喋っていた内容なんか一切頭の中に入ってこなかった。


まあそもそも俺と祥子が内容のある話をしていたらそれは異常事態であることに間違いないので、それは特段取り立ててツッコむようなところではないんだけどな。


だがしかし、流石にこんな現状のまま学校生活を進めていくのはマズイ、という認識は共通していたようで、今日は俺が祥子の部屋に乗り込み、作戦会議を行うことになった。


祥子の家は2階建ての一軒家で、祥子の部屋は2階の角部屋にある。


祥子の部屋からベランダを挟んだ真向いに俺の部屋がある為、何度かベランダ越しにお互いの部屋を行き来したこともあるし、今もやろうと思えば余裕で出来るんだけど、一度お互いの両親にこっ酷く叱られてしまったので、それ以来丁寧に玄関から入るようにしている。


ちなみに、祥子のことも起こそうと思えば起こせるが、男が男を起こしたところで誰も得しないどころかお互いに損なので起こしたことはなかった。


今ならワンチャンあるか?……ないか。


間違えて素直に起きてしまった日には、地獄のような後悔と、祥子によるウッキウキの煽りを伴いながら1日が始まってしまうに違いないので、流石にそれは勘弁してほしい。



祥子の部屋の中はそこそこ整理されてはいるものの、収納ボックスの中のゲームなんかがゴチャゴチャになっていたり、のど飴やお菓子などが机に置きっぱなしになっていたりするところが妙に男の部屋っぽさを表していた。


視線を動かすとクローゼットが目に入る。


あの中に男用と女用の洋服が混同して入ってるのか?もしかして下着も……。と考え出したところで、頭を左右に振って思考を無理やり振り払う。


そういうのはまあ今度やるとして、今日の本題は作戦会議だ。


よし、と一息ついてから、小さな長方形のテーブルを挟んで向かい合った祥子に、俺からまずは話を始める。


「さて、とりあえずは一週間が経過したわけですが」


「うん」


「まずはそのあぐらをやめような?」


「にひひ☆」


「いや、にひひ☆じゃなくてだな?」


全く悪気のない純粋な笑顔を向けられるとまるで俺が悪いみたいで何故か良心が痛んでしまう気がする。


「正座しろとは言わないけど、せめてベッドの縁に座るくらいならいいんじゃないか?女に慣れるための練習だ、練習」


「はぁ~い。分かったよ」


真後ろにあったベッドの縁に祥子が腰かける。座高の分だけ俺が見下ろされているような形だ。


視線を真っすぐ向けると、丁度下着が見えるかもしれないという絶妙なアングルだったが、残念ながら祥子は青のショートパンツを履いているので本日の下着はお預けである。


あーあ、残念だな。




あぁぁぁ一瞬ガチで落ち込みかけたあぁぁ死にてぇ……。




「ん?なんか落ち込んでるように見えるけど、どうしたの?」


「なんでもない。それよりさ、学校生活はどうなん?上手くいきそう?」


「うーん、微妙かな。まだ始まったばっかりだから、なんとも言い切れない部分が多すぎるわ」


「おう、まあそりゃそうだって言うしかないんだけどな。とりあえず現状の反省点をいくつかお互いに挙げていくか」


その後は、お互いから見た学校での振る舞い方について色々と議論を重ねていった。


俺から見た祥子は思った以上に完璧だったので、あの爆弾発言事件以外はツッコむところがなかったのだが、祥子から見た俺は結構チグハグだったらしい。


「特に気になったのはアレ、義明さ、俺と喋る時と、他の女子と喋る時で態度変わりすぎ」


「え、そんなに違うか? というか違ってなきゃおかしくね?」


個人的には普通に振る舞えてるつもりだったんだが。


「まあ多少なら違っても当然だけどさー。俺相手の時は普通に顔を見てズバズバ喋るのに、クラスメイトの女子相手になると顔は違う方向向くし、声も小さくなるしで、露骨に態度が変わりすぎ。


要は女慣れしてなさすぎ。まあ俺が言えた義理じゃないけど」


「うっ」


言われてみると、心当たりがいくらでも出てきてちょっと凹む。


確かに、一昨日もクラスメイトの女子から「潮くん、祥子ちゃんって実際どんな子なの?」って詰め寄られたときなんか、ドモりまくったり、視線を合わせられなくてかなり会話に苦労してしまった。


会話で苦労したのなんて久しぶりだった、ああ心臓に悪い……。


「まあ、うん、合ってるよ。合ってるけどさ、それで俺にどうしろと?」


俺がそう言うと、祥子は得意げな笑みを浮かべて、こう言った。


「練習ですよ、練習!!俺を赤の他人だと思って一日過ごしてみろ!!」


「いや、お前赤の他人じゃん」


……こうして、俺の女性アレルギーを克服する特訓の1日が、急遽幕を開けたのである。

のんびり、のんびり。


まさかの3連続連日投稿に自分でもびっくりしています!!


先週末、プロの作家さんが開かれた交流会に参加してきまして、とんでもなく有意義な時間を過ごすことが出来ました!!


昼はヤフオク、夜は交流会という過密日程ではありましたが、とても充実していたので満足です!!


……なお、代償として授業が消えました。すみません。単位、ください。


次回の更新は6/6を予定しています!!


『ジャンル別日間1桁に載ったら友人に晒すって決めちゃったので評価&ブクマはしたりしなかったりしてください!!!!


感想はいつでも待ってます!!!』←テンプレにしました。


本当に感想はお待ちしております。よろしくお願いいたします。


それでは、今回もありがとうございました!!

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