1話 「あの出来事と彼女」
僕、春先 聖は地元にあ
る私立海西世田谷高校に入学した。この学校は区内でも部活動が盛んで有名な進学校だ。運動部の殆どは都大会で上位入賞は少なくないし、文化部である書道部は全国大会の手前までいった。
しかしながらどの部活動の中でもこの海西世田谷は吹奏楽部が一段と群を抜いている。
第二の運動部と言っても過言ではないだろう吹奏楽部は全国大会で一位、二位を争っているのだ。
吹奏楽部を目当てで入学してくる連中もザラではない。
事実それ相応の成果も残している為入部後のスパルタレッスンは闇がかっているという噂だ。そんな文武両道な高校に不運にも入学してしまった僕は平穏と静寂を求めるが故に部活動というものには入らず、早いものではや一年が過ぎようとしていた。
特に目立った事も無く特別に友人が多い訳でもない。
無論、友人がいない訳では無いぞ?
僕には歴とした友人と称せる者がいる。
まあ、それはさて置き…差し詰め高校生活は極力無気力にそして他者に対して無関心に。これをモットーとしているのだ。
この事について触れる事はNGにしている。
しかし、春休みに差しかかる前のテスト週間中にそんな僕の前に突如彼女は現れた。
何故か引き寄せられるようにして僕は昔よく通っていた児童館へと足を運んだ。
理由は自分でも理解する事が出来ないが、今行かなければ僕の人生に終止符が打たれる感覚がした。どうしてだろうか、人間の使命感とはまた相異なるものの様にも思えた。そして僕はホール内に響き渡る旋律を捉えた。それはどことなく暖かい感じがし、自然と吸い寄せらる様なメロディーだった。
次の瞬間、僕は彼女を視界が捉えた。
僕はこの世の者とは思えない美しさを彼女に感じた。
彼女の神々しさに目が眩んでしまった。
金色の長髪は日本人のそれとは違い、染めた感覚を漂わせない程に全く以って違和感が無い。それと相応な容姿も兼ね揃えている。ふと一目見ると男性を悩殺してしまい兼ねない特徴的でサファイアではないかと疑う様な麗しい垂れ目が彼女を何処と無く妖艶に見せていた。如何にも地上に舞い降りた天使の様だった。
しかし僕は彼女と会話することすらままならずに速攻でボールを飛び出し帰路についた。
うん。今では良い思い出になったろう。
そんな出来事を含め学校では大変気ままに過ごしていたが、学年末のテストが終わり春休みに差し掛かろうとしてたそんな矢先に何の前触れも無く、水を差す様にしてふと「あの出来事」が頭に浮かぶ。
「あの出来事」
それは 現時点で、僕の人生を最も大きく左右した出来事である。この事になると流石の僕もぐうの音も出ない。人生の汚点であったと言っても過言ではない。
何故なら、あの時から僕の世界の歯車は錆びて固まり動きを静止させて全く動く気配が無いのだ。そう、僕はあれから何も変わっていないんだ。そして、もう二度と戻ることのないあの日常をもの寂しく只々自責の念に駆られ、
僕は一生これを慨嘆して生きていかなければならないのだろうか。
出来ることならばこれを綺麗さっぱり無かったことにしたい。
そんな僕の願いは当然届く筈の無い過去に向かって阿鼻叫喚していた。
そして、突如襲ってきた睡魔に僕は抗う術もなく、眠る様にして闇へと落ちていくのだった。
「ありがとう……でも、これ以上もう自分を傷つけなくていいんだよ?」
闇に落ちるほんの数秒前に僕は聞き覚えのある誰かの声を聞いた。
あの馴染みあるあの声は誰だったかな…あぁ…そうだあれは「彼女」の声だ。
そして僕は自身の記憶をトレースするのだ。