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青木裕美と
タカシは水のように薄い味噌汁をすすりながら、
「どこから来たの?」と裕美に聞く。
「大津」と答える。
「滋賀の?」
「うん、琵琶湖の」
「大きい町?」
「人口18万くらい」
「それなら大きい町だ。京都にちかいだろ」
「うん、快速で10分くらい」
「京都に10分で行くのかい。そりゃ速いな」
「京都のベットータウンだよ」と裕美。
家からの仕送りが少なかったのでバイトを探さねばならなかった。代々木の学徒援護会に行った。
新宿区に駐車場の掃除の仕事があったので面接に行くことにした。時間はPM6時からPM9時までである。
面接場所は新宿の駐車場ビルの3階のビルである。