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風を掬う者(先行版) 作者:愚者x2
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66/72

間章/無

無い、
何も無い。
「そこ」には何も無かった。

最初から何も無かったのか、
それとも何かを理由に、
何も無くなってしまったのか。
とにかく、
「そこ」には何も無かった。

色も無い。
音も無い。
臭いも無い。
味も無い。
感触も無い。
さらには、過ぎ行く時間すら無い。
そして、何故無いのかを考える思考すらも無いのだ。
ただただ、ありとあらゆる何もかもが無いのである。

ひょっとしたら、
「そこ」そのものすら無いのかもしれない。
だから、
「そこ」としか表わす事が出来ないのであり、
「そこ」を的確に表わす言葉すら無いのだ。

もし、
「そこ」に何かを持ち込んだとしても、 
そのような事実すら、
無くなってしまうのではなかろうか。

無い、
何も無い。
「そこ」には何も無かった。

とにかく、
「そこ」には何も無かった。
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