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王の遊戯  作者: 孤影友誼
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平和な世の終わり

俺は火を操る事が出来る。

そう。俺は炎の妖精、玲音(れおん)

人間のように苗字というものはない。

俺たち妖精には4種族ある。

1つは俺みたい炎を操れる炎族。他に水を操れる水族、光を操る光族、闇を操る闇族。

それ以外にも小さな属性も妖精がいるみたいだが、この4種族が妖精界を仕切っている。

どの属性も共に仲よく、ましてや人間界のような戦争など起こったこともない。

しかし、そんな平和な妖精界は永遠には続かなかった。

1・妖精界の平和に…

その日はいつものような暖かい風が優しく吹いていた。

炎族の国クロスファイヤーに住む炎族は炎を自由自在に操ることができる。

火事がほかの国より多いけど、停電が起こっても炎で明かりを灯すことができる。

火事が起きたっていつでも水族の住むアクアカノンの国の妖精が助けに来てくれる。

そして、光族の住むサンダーワップ、闇族の住むクリアスシャドーの妖精がいるおかげで朝と夜が来るのである。

そんな風に俺たち妖精は互いに助け合い生きていた…はずだった。

「たいへんだぁっ!玲音!」

暖かい風を切り裂いて大声が耳に響いた。

「っんだよ。気持ちよく寝てたのに」

自分の昼寝を邪魔をする奴は誰だ。

重い瞼を無理やり開ける。

「なんだ。(あき)か」

明は俺の幼稚園からの幼馴染。

もちろんこいつも炎族だ。

「なんだってひどいなぁ。ってそんなことよりっ大変なんだ!」

やけに慌てている。どうしたのか。

「なんでそんな、息せき切ってんだよ」

「クロスファイヤーの王、ファナ王がっ」

「ファナ王がなんだよ」

何か新しい法律でも決めたのか。

だとしてもここまで明が焦る理由がわからない。

「フ…ファナ王が戦いを申し込まれたっ!」

戦いとは人間界で言うと戦争を意味する。

しかし、人間のような大規模のものではない。

王同士が金や物を賭けてスポーツなどの競技で争うことだ。

「いつもの事だろ?なに焦ってんだよ」

それだけが謎だった。

戦いは危ないようなことは無いし、そもそも俺らには関係のないことだ。

「違うんだよっ!今回のは…いつもとは違うんだ」

「だから、どういう意味だよ」

率直に言わない明にイラ立ちが走った。

「だからっ今回は…国規模なんだっ!」

…は?

だからなんなのだ。人間界のオリンピックのように盛り上がりが大きくなるだけなのではないのか?

「だからなに?」

だんだん聞くのがめんどくさくなり返し方が荒くなってしまう。

「分かんないのか?!俺たちも参加するんだよっ」

「何を焦ってんだよ。ただの競技会みたいなもんだろ?」

本当にこいつはなんでも遠まわしに言うからイライラするんだよ。

「ちがう。今回はあの人間界のような戦いになるんだよっ」

意味が分からない。

だいたいこんな平和な妖精界に戦車やら銃やらがあるとは思えないのだが。

しかし、王は何を考えているのだ?

人間界を長く見てきて戦争というものは悪ということがわからなかったのか?

何人もの関係のない人間たちが命を落としていった、あの戦争というものを。

「それ、いつ始まるんだ?」

明は少しためらってから口を開いた。

「3日後だ」

なんだって?

明の声が頭の中を駆け巡る。その場に立ちすくしていたが重い口を開いた。

「でも、武器とかないじゃん」

少し冗談っぽく言ってみた。

しかし、返ってきたのは落ち着いた声だった。

「この時のために封印していた武器があるらしい」

そんなうわさが聞けるのは明が王の息子だからである。

俺はただの幼馴染ってだけだけどな。

「なんで。今なんだ?」

それが知りたかった。

今もいつものように平和に過ごせているではないか。

「知らない。父はそのことに関しては何も教えてくれない」

…なにか。ありそうだな。

「そうか。それが全国に伝わるのはいつだ?」

「明日だって」

明日か。明日は国中が大騒ぎになりそうだ。


2・戦いの予告

予想通り国中が驚き話の話題はすべて戦争の事であった。

理由も知らずにただ戦わせられるのである。

皆人間界を見てきてそれがどんなに無意味なものか知っている。

しかし、王に逆らうことはできないのである。

今日も明と話していた。

俺は話していて何で止める事が出来ないんだと何度も殴りそうになった。

でも、息子に殴ったってどうしようもないんだと思った。

一番辛いのは一番近くにいるのに止める事の出来ない明なのである。

3日はすぐに終わった。

戦争まであと5時間。


3・戦いの始まり

大きな爆発音が俺の耳を貫く。

戦争の始まりの合図である。

そのころ俺は明と森の中で敵の進撃を待っていた。

王の息子というのに戦争に参加しなくてはいけない明はの事は可哀そうである。

「始まったな」

落ち着いて明に話しかけてみた。

「あぁ」

一見落ち着いているように見えたが声が震えていることに気づいた。

「大丈夫か?」

「銃があるんだから大丈夫だろ」

銃を持っているとはいえ精神的にも大丈夫とは言い切れなかった。

緊迫とした空気が森中を駆け巡る。

静かだからと言って安心しているわけにはいかない。

もしかしたら敵軍が隠れているかもしれないからだ。

俺たち妖精は羽をもっているが森の中では活用しにくいものである。

攻撃を避けるというよりは隠れるほうが利口であろう。

母はどうしているだろうか。

早くに夫を亡くし1人で俺を育ててきてくれた。

そんなことを考えながらそっと木の陰から顔を出してみると、黒い影が動いたような気がした。

やばい。

母に恩返しする前に死ぬかもしんねぇな。

銃を構える準備をすることにした。



1話はここまでです。

玲音、明はどうなるのか?

黒い影の正体とは?

2話目もよろしくお願いします。

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