朝
ゆっくりと目を開ける。眩しい。朝か?てか、いつのまに俺は寝ていたんだ。まったくもって覚えていない。寝落ちってやつか。
時計を見てみると6時半前だ。一応今日から月曜日なので学校に行く癖でこんな時間に起きてしまったのだろう。二度寝をする気分にもならず。ベッドの上でただひたすらぼーっとしていた。今日から本格的な入院生活を送ることになる。何をして過ごしていくべきか。
朝飯は何時からだっけ?昨日教えてもらった気がするがまったくもって覚えていない。俺のことだ。どうせなんとなくで聞いてなんとなくで答えてしまったのだろう。自分のいいかげんな性格がこんなところで裏に出るとはな。
ふと思い、自分の体をよく見てみる。右半身は普通に動く。左半身は、正直言ってチンチクリンになってしまったイメージだ。この前まで普通にあった左手左足が無くなってしまい、見える視界も狭くなっている。俺はこれからどうなっちまうんだろうね。まあ、義手義足をつけることになるわけなんだが。
「あぁ~~~~」
それにしても暇だ。やることもないし。今度親に適当に本でもなんでも持ってきてもらうか。暇つぶしになるだろう。これが……短くて3ヶ月ぐらい続くんだっけ?やべーよ、そんなにもつ気しないよ。絶対途中でやることすること全部無くなっちゃうって。暇すぎてそのうち死んでもおかしくなくなるんじゃないか?
向かいのベッドに寝ている姉ちゃんはすやすやと気持ちよさそうに寝ている。昨日叫んでいた時の表情とは比べ物にならないくらい落ち着いている。本当に気持ちよさそうだ。
「おはようございまーす」
看護師さんが入ってきた。
「おはようございます」
「あ、もう起きていたの?」
「はい、なんか学校に行くときの癖が残っているみたいで」
「なるほどね。早寝早起きはいいことだ」
ニカッという笑顔を向けてくる。笑顔がよく似合う看護師さんだな。
「はい、ご飯ね」
テーブルをセットしてくれ朝食が乗っているお盆を置いてくれる。
「ありがとうございます」
「では、ごゆっくり」
最後にまた微笑み、部屋を出て行った。うむ、世の中の男どもが白衣の天使に憧れる理由が今わかった気がする。
さて、とっとと目の前にある飯を食うとするか。今日はこの後何をするのかね。