現状
ほとんどが真人の心の中を書いた話です
読まなくても大して影響はないかもしれません
真人がこんなことを思っているとでも感じ取ってくれたら何よりです
「真人くーん。起きて」
「ん?」
目が覚めるとそこにはナースさんがいた。服の白さに眩しさを覚えてしまう。
「なんですか?」
「夕ご飯の時間ですよー」
もうそんな時間か。軽く2時間は寝たか?
大きいあくびをひとつしてナースが出してくれた夕食に目が行く。色とりどりのおかずが並んでいる。病院の飯は味付けが薄くておいしくないというのは本当なのでろうか?初めての入院だからそういうのはさっぱりわからない。
「食べ終わったら、」
「廊下にある手押し車みたいなやつに置いてくればいいのでしょう?」
「ええ、そうです。それでは、ごゆっくり」
ナースは部屋から出て行った。ちなみに姉ちゃんはいまだにおねむ中だ。まだ目覚めそうにない。てことで、今日は一人での夕飯だ。
「いただきます」
お決まりの言葉を言い、箸を持ち食べ始めた。
味は……普通だと思うな。確かに味は薄いけど不味いってレベルではないと思うな。これはただ単に個人差か?それとも俺の味覚がおかしいだけなのかね。
話す相手もいないので俺は黙々と夕食を食べることした。
夕飯も食べ終え、暇になった俺。テレビ見るのにも金かかるから今は別に見なくていい。親はいくらでも見ろとか言ってるが、なんとなく躊躇ってしまう。まあ、どうしても暇なときは見るさ。
それにしても今この体をすでに見慣れてしまっている俺がなんか嫌だ。いつまでも現実から逃げるなんてことはできないんだけどねぇ。なんかねぇ。
「はぁ」
早く義足とか義手に慣れて歩けるようになりたいものだ。歩けるようになるまでどれくらいかかるのかね。小説とかに書いているみたいにがんばればすぐに歩けるようになるのかね。義手の方は……まあ、左手だしなんとかなるだろう。左利きじゃなくて助かった。そして目だ。義眼なんてつけても見えるようになるわけがない。つまり周りからの視線を気にする人は義眼を付けて、どうでもいいやつはつけなくてもいいみたいなやつだろう。俺は……どっちだろうな。どっちでもいいんだがな。後々ゆっくり考えておこう。
今はこの現状に慣れて、義手義足を使いこなせるようになるのが最優先か?
後は、姉ちゃんにもこの現状から逃げないでしっかりと受け止めてほしいね。俺の姿を見て自分を責めてしまうんだろうな。その気持ちもわかるがそれはそれでかなりショックだ。俺としては姉ちゃんに大きなケガがほとんどなかったのが嬉しいんだけどな。シスコンじゃないかって?否定はしないさ。