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異世界帰りの英雄は理不尽な現代でそこそこ無双する〜やりすぎはいかんよ、やりすぎは〜  作者: mitsuzo
第二章

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231「7階層の戦い(2)」



——7階層『ミル・リリン・愛宕シスターズ』


「ったくよー、それにしてもあの昆虫ちょっと調子こいてんなー。そう思わねーか、りんね?」

「超思うっス、姉さん!」


 昭和テイストヤンキー『ビー◯ップ風高校与太郎レディース』の愛宕シスターズがカマキリ風の喋る魔物に向かってメンチ切りながら「おうおうおう!」と威嚇する。


『ナ、ナンダ?! イキナリコイツラノ雰囲気ガ変ワッタ? 何カ変ナ喋リ方ニナッテルシソレニ⋯⋯サッキト比ベテ魔力ガ桁違イニ増エテル⋯⋯!』


 スキル発動で見た目が昭和風レディースになった愛宕シスターズ。しかし見た目の変化以上に二人の魔力の急激な増大に喋る魔物は最大限の警戒を張る。


「姉さん、カマキリ野郎とのタイマン⋯⋯いいっすか?」

「おう、まかせたよ。りんね! 下手こいたらシメるよ? わかってるよね?」

「もちろんっス!」


 そう言うと、喋る魔物の前にはりんねだけが立ちはだかった。


『オ前ダケデ、私トヤリ合ウト言ウノカ? 4人デヤッテモ私1人ニ苦戦シテイタノニ?』

「おうよ。お前なんぞ今の私なら1人で十分だ!」

『タシカニ⋯⋯イキナリ魔力ガ増エテ威圧ガ増シタノハ認メマスガ、ソレデ私ニ対シテ1人デ十分トハ⋯⋯随分舐メラレタモンデス!』


 喋る魔物が先ほどよりもさらにスピードを増してステップを踏み出した。


「は、早い⋯⋯!」

「さ、さっきよりもスピードが増してる。こんなスピード捉えきれない⋯⋯」

『ハハハハハ! 見エルカ? 見エマイ?』


 喋る魔物の格段に上がったスピードにミルとリリンが絶望するのを見て愉悦めいた表情を再び浮かべる喋る魔物だったが、


「うる⋯⋯せえ!」


 キン!


『⋯⋯エ?』


 りんなが一言呟いた瞬間、喋る魔物の2本の高硬度であるはずの鎌が上下に分かれ地面に落ちた。


 それはりんなの武器『裂殺大鉈(れっさつおおなた)』による大鉈のたった一振りによるものだった。


 あまりに予想外の出来事だったのか喋る魔物はすぐに反応できず、りんなの大鉈によって切断された自慢の鎌が地面に落ち、自身の切断された腕から大量の緑の血飛沫が吹き出したタイミングで現実に戻ってきた。


『ウギャアアアア、ナンデ? ナンデェェェエエェエェェェっ!!!!!!』


 喋る魔物は自慢の鎌が切断されたこととその痛みによるショックで混乱していた。


 そんな混乱のおかげで自分らのことに意識が向かなくなった喋る魔物に対して、正常に戻るのを待つほど今のりんねは優しくない。


「てめえ⋯⋯ウチを相手にして気にも留めないとか舐めてんのかぁぁ!!!!」


 そう言ったりんねが両手の大鉈を後ろにして低い構えを取る。


「スキル技⋯⋯肉片乱舞っ!!」


 低く構えた体勢から『覚醒(トランス)ポーション』で獲得した『スキル:狂乱殺戮』のスキル技『肉片乱舞』を展開。すると、りんねのいた位置の地面が陥没し彼女が消える。そして次の瞬間喋る魔物の体が一瞬にしてバラバラの肉片となった。


 パラパラパラ⋯⋯。


 地面に喋る魔物の肉片が落ちるのを背にりんねがりんなのところに戻ってくる。


「姉さん、終わりました!」

「やるじぇねーか、りんなぁぁ!!!!」


 そう言ってガシッと二人が手を握り合った。


「す、すごいんだけど、スキル使ったら昭和風ヤンキーになるって何なの?」

「し、知らないわよ?! 私に聞かれても!」


 こうして、ミルとリリンが覚醒(トランス)ポーションで新スキルを使った愛宕シスターズの見た目に混乱するもカマキリ風喋る魔物を撃退した。



********************



——7階層『エレーナ・ツヴァイコフ』


 上位種喋る魔物の最強である『ハエ男』を相手にエレーナ・ツヴァイコフは、


「『至上の愛(フィステ・リーバ)』⋯⋯」


 パァァァ!


 覚醒(トランス)ポーションを飲む前のスキル『狂乱愛憎(ツイステッド・ラバー)』のスキル技『至上の愛(フィステ・リーバ)』を発動。


「はぁっ!」

『グガッ⋯⋯! ナ、ナンダ、コノ強サ⋯⋯ハ⋯⋯』


 エレーナのスキル技『至上の愛(フィステ・リーバ)』は『すべての身体能力が10倍上昇』するという物理攻撃特化型のバフタイプであるが、覚醒(トランス)ポーションを飲んだあとこの能力がさらに倍の⋯⋯20倍上昇となっていた。


 そもそもS級ランカーどころか探索者(シーカー)世界ランキング第6位『ナンバー6』の強さを誇る彼女の身体能力が20倍上昇となった攻撃はもはやハエ男の喋る魔物にとって一撃一撃が『必殺級』となっていた。


『ハアハアハア⋯⋯コ、コンナ⋯⋯ハズデハ⋯⋯! 人間ノ実力ガココマデナド⋯⋯私ハ知ラヌ⋯⋯!』

「そう? だとしたらそれはあなたたちが怠慢だった。それだけのことよ?」

『ハハ⋯⋯ソウダナ。ロクニ調ベモシナカッタ私達ハタダノ愚カ者ダナ⋯⋯』

「やけに素直じゃない?」

『ソリャ、ココマデ力ノ差ガアッタラナ⋯⋯』


 戦いは終始エレーナがハエ男の喋る魔物を圧倒。その歴然たる力の差にハエ男はもはや命を諦めていた。


「そう」


 そんなハエ男の言葉に特にリアクションせず一言相槌を打つエレーナ。


『トコロデ⋯⋯他ノ人間デオマエト同ジクライ強イ者ハイッパイイルノカ?』

「何よ? 勝てないからって情報収集?」

『ハン! ソンナノシタトコロデ、ソノ情報ヲ伝エル前ニ俺ハ殺サレルダロウガ』

「それもそうね」

『ソレヨリモ俺ハ話シヲシタイダケダ。ナンセ人間ト接触スルノハ初メテダカラナ。オマエラ人間ノコトハヴァルテラ様カラシカ教エラレテイナイ』

「それじゃあ、あなたとのおしゃべりに付き合うかわりに私にいろいろ教えなさい」

『イイダロウ。ドウセ散ル命ダ。構ワン』


新作はじめました!


『TS転生者の生存戦略〜Transsexual Reincarnation's Survival Strategy〜』

https://ncode.syosetu.com/n3337kz/


毎週土曜日10時頃投稿


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