227「池袋ダンジョンの戦い(4)」
「おおおおりゃぁぁぁぁっ!!!!!!」
カルロスが先陣を切って喋る魔物の集団の中に入っていくと他の元A・B級ランカーも続き敵を蹴散らしていく。
「私たちが道を作るから櫻子たちは突破の準備をしていてちょーだい(はぁ〜と)」
カルロスと元A・B級ランカーが喋る魔物を次々と屠っていくと次第に人が通れる空間が出来上がる。
「はーい、いいわよー!」
「カルロスさん、ありがとうございます! では私たちは速度を維持したままこのまま先へ急ぎましょう!」
ソフィアの掛け声に櫻子・アーサーが頷くとさらに速度を上げた。その後ろからS級ランカーたちが3人に遅れずにピタリとついていく。
「相手にするのは正面の喋る魔物だけ! 横の奴らは無視してそのまま一直線に進みます!」
目の前には『会話ができない』⋯⋯いわゆる下っ端の喋る魔物が群れなしその間をソフィアを先頭に櫻子たちが一つの『筋』となって正面突破していった。
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——池袋ダンジョン『7階層』
あれから櫻子たちS級ランカー組は喋る魔物の群れを突破し7階層へ到着した。しかし、
『人間ドモ。コレ以上ハ進マセヌゾ』
『グギョギョ! 殺シテヤル!』
『フフフ。ワタシ人間ヲ見ルノ初メテデス』
『オデ、人間キライ。ダカラヤッツケル!』
と、6階層にいた喋る魔物とは違って『カタコト』ではあるが流暢に話す喋る魔物が現れた。その数30体ちょっと。その様は体長5メートルほどの巨人タイプや、複数の動物が混ざり合った『キメラ』のような四足歩行タイプ、他にもイカやタコのような海中にいる軟体動物タイプなど様々な形態の喋る魔物だった。
「⋯⋯色々いるな」
アーサーが淡々とした口調で呟く。
「なるほど⋯⋯『上位種の喋る魔物』といったところでしょうか」
ソフィアが目の前の喋る魔物に辟易した声色で呟く。
「そうじゃな。恐らく琉球ダンジョンでオメガや過疎化ダンジョン凸り隊が対峙した喋る魔物と同じタイプじゃろう」
櫻子がそういって大きなため息を吐く。
とはいえ、3人はもちろんのこと、ほかのS級ランカーも目の前の上位種の喋る魔物に対して動揺の色は見えない。
そんな中、6階層に残らず《《勝手についてきた》》『副作用あり覚醒ポーション』を飲んで能力が大幅に向上した《《一部の》》元A・B級ランカーらがソフィアに直談判してきた。
「「「「「ソフィア様!」」」」」
それはエレーナ・ツヴァイコフ率いる『三賢人』や、『過疎化ダンジョン凸り隊』のメンバーなど実力者として名を馳せている面々だった。
「ソフィア様、ここは私たち『覚醒ポーション』を飲んだ者たちで引き受けますので先に行ってください!」
「エレーナ⋯⋯」
「エレーナさんの言う通りです。目の前の喋る魔物は恐らく我々が琉球ダンジョンで対峙した上位種の喋る魔物だと思いますが、でも『覚醒ポーション』を飲んだ今はあいつらを見てもそんなに驚異には感じません!」
「君は⋯⋯そうか、あの琉球ダンジョンの時の⋯⋯」
「はい! 過疎化ダンジョン凸り隊のリーダー、越智大輔と申します!」
「⋯⋯越智よ」
「さ、櫻子様?! 何でしょう?」
「ここはお主たちにまかせる。頼んだのじゃ」
「ちょ⋯⋯櫻子っ?!」
突然横から入ってきた櫻子が勝手に話を進めようとするのを見て待ったをかけるソフィア。
「そ、そんな簡単にっ?! あれは上位種の喋る魔物なのよ!」
「うむ。じゃが越智やそのほかここにいる者たちは『副作用あり覚醒ポーション』を飲むほど覚悟を決めた者たちじゃぞ?」
「!」
「それにちゃんと見るのじゃ。どうじゃ? こやつらがあの喋る魔物相手に劣るような実力に見えるか?」
「そ、それは⋯⋯」
ソフィア自身も覚醒ポーションを飲んだ後のエレーナや越智たちの実力が飛躍的に上がっているのはダンジョンに入る前から感じていたため櫻子との認識に不一致はなかった。
いやむしろ、目の前の上位種相手でも通用するだろうと確信さえしていた。
「⋯⋯わかったわ。それじゃあエレーナ、越智さん、お願いできるかしら?」
「「「「「おまかせくださいっ!!!!」」」」」
ソフィアの言葉にエレーナたちが力強く返事を返す。そして、
「行きますよ、みなさん!」
「「「「「おうっ!!!!」」」」」
エレーナ・ツヴァイコフ率いる三賢人の面々を先頭に、上位種の喋る魔物に突っ込む覚醒ポーションを飲んだ元A・B級ランカーの皆さん。
「さあクソ魔物ども! パワーアップしたわたくしの力、見せつけてくれるわよぉぉ!!!!」
「ひひひひ⋯⋯斬る斬る斬るぅぅ!!!!!」
「ひゃっはー!」
そして、突っ込んでいった覚醒ポーションを飲用した探索者たちのテンションがだいぶおかしいことに気づく櫻子たち。
「ね、ねぇ、櫻子⋯⋯彼らのあの謎のハイテンションは覚醒ポーションの仕業じゃなくて?」
「さ、さあ、どうじゃろう〜⋯⋯あは、あはは」
ジィィー⋯⋯。
ソフィアにジト目を向けられるもそれに《《気づかないフリ》》を決めて何食わぬ顔で先を進む櫻子であった。
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