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212「世界最強の男VS⋯⋯櫻子?」



「「「ア、アレクサンドル・アーサーっ!?」」」


 3人の背後から声を掛けたのは探索者(シーカー)世界ランキング第1位『エース』の称号を持つ世界最強の男『アレクサンドル・アーサー』。


「すまないが、3人は降参してもらっていいかな?」

「なっ! そんな⋯⋯」

「アーサー⋯⋯突然来て何を⋯⋯」

「君たちもわかっているだろう? オメガには勝てないと」

「「「っ?!」」」


 アーサーの言葉にショックを受けるも否定しない3人。それはアーサーの言葉に同意を示す沈黙でもあった。


「降参⋯⋯します」


 パク・ハサンが顔に悔しさを滲ませながらも降参を宣言。そうして3人が退場するのと入れ違いに櫻子が舞台に上がってくる。


「おい、アーサー」

「これはこれは櫻子。お久しぶりです」


 舞台上で対峙する第1位と第3位。滅多に顔を出さないアレクサンドル・アーサーの出現、さらには舞台上で第3位の櫻子と対峙するその光景は、あまりにレア過ぎる画ということで会場もテレビもネット視聴者も釘付けとなっていた。


 また、それは会場の観客や視聴者だけでなく舞台の周囲にいる多くの探索者(シーカー)たちもまた同じように舞台上に釘付けとなっていたが、対峙する2人の間に漂うタダならぬ緊張感を感じ取っている探索者(シーカー)たちは観客や視聴者以上に緊張を強いられていた。


「お主、舞台上に上がってパクたちを下がらせたということはオメガとやるということか?」

「ええ。その認識で合っていますよ、櫻子」

「まさか、お主がオメガとやり合うと言うとはな。てっきり《《例の情報》》が知りたいだけでオメガとの模擬戦は興味ないと思っていたのじゃが?」

「⋯⋯フフ、そうですね。櫻子のその予想は正しいですよ。実際そのつもりでした。ですが、オメガ君を実際に生で見て、そして模擬戦とはいえ彼の実力を見たら⋯⋯その認識は変わりました」

「ほう?」

「オメガ君⋯⋯彼、相当強いね」

「っ!?」

「いやぁ、ここに来てよかったよ。正直ここ最近『気になる探索者(シーカー)』がいなかったからさ、ずっと退屈してたんだよね」

「⋯⋯」

「いや〜世の中広いね。まさか探索者(シーカー)レベルが劣っているで有名な極東の島国に、こんな実力者が隠れていたとは⋯⋯」

「⋯⋯ほう? 言い方に《《棘》》があるように感じるのは気のせいかのぅ?」

「いや、その認識は正しいよ? 櫻子」


 ドン⋯⋯ビリビリビリビリビリビリっ!!!!


「「「「「っ!!!!!」」」」」


 舞台上で櫻子とアーサーの双方から突然会場が揺れるほどの魔力が放出。会場にいる探索者(シーカー)や観客らは二人の魔力の圧に悲鳴すら上げられず、ただその場で固まることしかできないでいた。


——そんな時だった。


「はいはい、抑えて抑えて」


 グッ!


「「っ?!」」


 タケルが二人の間に入り双方の肩に手を置くと、二人の魔力放出を《《強引》》に抑えた。


「バ、バカな⋯⋯。私と櫻子の魔力放出を力づくで抑えた⋯⋯だとっ?!」


 アーサーがタケルの行為に信じられないという表情で呆然とする。


「オメガ。お主⋯⋯」

「ごめんな、櫻子たん。ちょっと《《急いだ》》ほうがいいかなと思って⋯⋯」

「何っ!? お主、一体何を⋯⋯」

「ちょっと嫌な予感がするんだよね」

「嫌な予感⋯⋯じゃと?」



********************



 舞台上では、櫻子が審判としてタケルとアーサーの間に立っていた。


「アーサー⋯⋯模擬戦のルールはわかるな?」

「もちろんだ」

「うむ。では早速始めるとしよう。あ、ただ二人に少しお願いがあるのじゃが⋯⋯」

「ああ、大丈夫だ櫻子。舞台外に被害が出ないよう《《うちの副ギルマス》》にお願いしてある」

「うちの副ギルマス?⋯⋯⋯⋯ソフィア・ナイトレイかっ!?」

「は〜い。わたくしのスキルで高レベルの防御結界張ったから大丈夫ですわよ」

「ソフィア!」

「ただ、それでも全力はやめてくださいまし〜。それだとさすがに持ちません〜」


 と、実況席からソフィアが手を振って答えた。


「ああ、大丈夫だ。オメガ君との試合はあくまで《《確認》》をするだけだ。そうだろ、オメガ君?」

「まーそうですね」


 アーサーの言葉に淡々と答えるタケル。


「フフ⋯⋯。いや私と模擬戦とはいえ手を合わすことにここまで平常心でいられる者がいるとは⋯⋯。いいね、いいよオメガ君!」

「どーも」

「頼むからすぐに試合を終わらせないでくれよ?」

「⋯⋯それはこっちのセリフですね」

「何っ?!」

「あんたが強いのはわかる。肌でビリビリ感じる。でも、それでも、《《どこまでかな》》って⋯⋯」

「どこまで⋯⋯だと?」

「俺はその《《確認》》をする予定なので、頼むからすぐに試合を終わらせないでくださいね?」

「っ!? 上等です」

「では試合⋯⋯⋯⋯はじめぇぇ!!!!」


 世界最強の男アレクサンドル・アーサーとオメガ——強大な二人が交差する。


新作はじめました!


『TS転生者の生存戦略〜Transsexual Reincarnation's Survival Strategy〜』

https://ncode.syosetu.com/n3337kz/


毎日13時投稿


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