表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

204/215

204「副作用あり覚醒ポーション最新情報(1)」



「さて、そんなわけで模擬戦を見てもらったのじゃが、これで覚醒(トランス)ポーションの疑惑も晴れたと思うがいかがかの?」


 舞台上では、櫻子たんがマイクを通してドヤ顔で告げると、観戦していた探索者(シーカー)らからは櫻子たんの言葉を肯定する歓声が聞こえる。


「さて、では改めて説明するかの⋯⋯。今模擬戦をやってもらった二人は覚醒(トランス)ポーションを飲んでいるが、覚醒(トランス)ポーションには2種類あり、そのうちの『副作用あり覚醒(トランス)ポーション』となる。そして、その『副作用』というのが『性別逆転』⋯⋯」


 櫻子たんの言葉に探索者(シーカー)らはゴクリと息を呑む。


「代償は背負うがその分恩恵も大きい。それが『スキル獲得』となる」


 会場から「おおおお⋯⋯」と興奮とも恐怖とも取れるような感嘆が盛れる。


「一応、事前に各国の探索者(シーカー)ギルドにも通達しておるから把握していると思うが、ここでもう一度説明しておこう。特に『副作用あり覚醒(トランス)ポーション』についてのな」


 その時、突然舞台の背後にある大型ビジョンが光ると、そこには『副作用あり覚醒(トランス)ポーション最新情報』というタイトル映像が出てきた。


「副作用あり覚醒(トランス)ポーションは、大きな恩恵もあるが代償もある。それは今回の模擬戦を通じて皆が感じていることじゃろう。ということで、現在わかっている覚醒(トランス)ポーションの最新情報を公開しようと思う」


 会場から「おお!」と声が上がる。まさに探索者(シーカー)の期待に見事応える流れ。


「ということで、ここからは《《彼女》》に説明をお願いしようと思う」


 と、櫻子たんが告げた途端——バッと舞台に派手に飛び出したのは、


「どーもー! みんなの天才、如月柑奈だよ!」


 みんなの天才(?)こと、如月柑奈さんの登場である。


 そんな如月さんの突然の登場に騒然とする中、櫻子たんが説明を始める。


「彼女⋯⋯如月柑奈女史は皆が使っている電子通貨決済サービスの根幹となるシステム『AMAMIYAシステム』の開発者の一人。そして、そんな彼女がなぜここにおるのか、それは⋯⋯」

「私が覚醒(トランス)ポーションの開発者だからだよー!」

「コラー! ワシが言いたいセリフを掻っ攫うなー!」


 そんなのほほんとした二人のコントのやり取りの中に、如月さんが「覚醒(トランス)ポーションの開発者である」という爆弾を投下。


「「「「「⋯⋯え?」」」」」


 櫻子たんの言葉に会場が一瞬沈黙に包まれる。そんな中、さらに如月女史が爆弾を投下する。


「つまりぃ〜⋯⋯覚醒(トランス)ポーションの生産は当然私がお世話になってる『雨宮バリューテクノロジー』だしぃ〜、そこで私が開発したものなので現時点で覚醒(トランス)ポーションという謎であり、人類のさらなる進化の可能性を秘めたポーションは私の手中にあってぇ〜、それで今日これから話す内容はガチの最新情報だよ〜ん」

「「「「「お、おおお⋯⋯うおおおおおおおおっ!!!!!!!」」」」」


 結果、会場が物凄い歓声に包まれた。



********************



「ということで、早速ですが⋯⋯」


 と、如月さんが生き生きと講義を始めた。


「まず⋯⋯覚醒(トランス)ポーションはダンジョンで見つかったアイテムです」

「何っ!?」

「初めて聞いたぞ!」

「いったい、どこのダンジョンから⋯⋯」


 如月さんの第一声から探索者(シーカー)から驚きとともに質問が飛んでくる。


「どこのダンジョンかは企業秘密であり、櫻子様からも明かさないよう厳命されておりますのでお教えすることはできません」


 と、如月さんが探索者(シーカー)の質問を「答えられないよ」と一蹴する。ちなみに、覚醒(トランス)ポーションは現代(ここ)ダンジョンから出てきたものではなく俺が提供したものだ。つまり、異世界のアイテム。


 俺が「異世界から戻ってきた」と明かしていない以上、話すことはできないのでこういう《《仕様》》となった。


「まーでもそれはいいとして⋯⋯。今回お話しする最新情報というのは副作用ありの覚醒(トランス)ポーションで、スキル獲得ができるかわりに性別逆転するという副作用についてのさらなる情報です」


 え? 何だろう? 初めて聞くけど?


「これまで色々と調べた結果、副作用は『性別逆転』以外にも複数あることがわかりました」

「えっ?! 複数⋯⋯!」

「副作用で現れるものとして今わかっているもの。それは佐川君の『おネエ化』とお嬢⋯⋯雨宮理恵さんの『性別逆転』と『子供化』。そして新たにわかったのが⋯⋯⋯⋯『獣人化』」

「え? えええええ⋯⋯!」

「「「「「ええええええええええっ!!!!!!!!」」」」」


 如月の言葉に思わず声を上げてしまったが、同時に会場からも驚きの声が上がったので俺の声はかき消された。


 ていうか、え?『獣人化』?


 マジで初めて聞いたんですけどぉぉぉ!!!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
こんばんは。 ケモっ子化……絶対スキル二の次でそれ狙いの希望者増えそうww
とらんすふぉーむ はしないのか 機械じゃないもんなw
合法ショタロリケモ耳来るか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ