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178「世界を煽るストロングスタイルオメガ様(2)」



『あ〜⋯⋯え〜とぉ⋯⋯どうも〜、オメガですぅ〜。突然ですが俺から大事な報告があるので10分ほど電波をジャックさせていただきました〜、よろしくです〜』


 そこに映っていたのは、最近『琉球ダンジョン』を踏破したという、探索者(シーカー)業界でも一目置かれている⋯⋯あのオメガだった!


「え? なにこれ?!」

「⋯⋯電波⋯⋯ジャック」


 私の戸惑いを他所に隣にいる由美は多少驚きつつも、何か考え込みながらテレビを見ている。いや、何でその程度のリアクションなのよ?! え? 私のリアクションがおかしいの?


『え〜、先日琉球ダンジョンを踏破しましたが、その際『喋る魔物』が出てきたんですけどそこには()(はしら)のマグダラと名乗る下半身が大蛇の体をした女性の喋る魔物が出現しました。動画を観た方ならある程度ご承知かと思いますが、どうやら喋る魔物の中でも幹部のような存在のようでした』


 画面の中のオメガは淡々と琉球ダンジョンのいきさつを話していく。たしかに私もあの配信は観てたけどオメガの言う通り、喋る魔物の中でも特別な存在だったぽいのを覚えている。


『そして、この()(はしら)のマグダラの存在は多くのことを語っています。それはつまり喋る魔物は組織化されているということ。そして、このマグダラが言っていた()(はしら)というのが字面通りであれば、マグダラのような喋る魔物を統率する幹部のような存在があと《《3人》》はいる⋯⋯ということです』


「「た、たしかに⋯⋯!」」


 私が思わずそう叫ぶと、同時に由美も同じ言葉を叫ぶといったシンクロが起こる。すると由美も同じことを思ったのか叫んだあとこっちに視線を向け、


「双子シンパシー」


 などと言ってきた。私は「何よ、それ」とつっこみつつも「言い得て妙だな〜」と納得した。


 そんな私たちが『双子実感』している間にもオメガの話は続く。



********************



『そして、ここからは俺が知り得た情報とそれについての話になるんでけど⋯⋯あ、ちなみにその話はすでに世界探索者(シーカー)ギルド協会日本支部ギルドマスターである櫻子た⋯⋯様にも話は通してあり、その上でこれからの話となりますのでよろしくお願いします』


「え? さっきの話だけでもだいぶ情報過多なんだけど⋯⋯まだ何かあるの?!」


 私的にはさっきの話だけでも十分すごい情報だという感覚なので、ついそんなことを口走ってしまった。しかし、


「でも、さっきまでの話だけならわざわざ電波ジャック(ここまで)しなくてもいいと思う。だって、それだけの話ならオメガちゃんねるで琉球ダンジョンの配信アーカイブ観ればわかるもん」


 と、由美はオメガの言葉をすぐに察しているようだった。う〜む、妹のくせに私と違って相変わらず察しが良いな〜⋯⋯こういうところは本当に由美には敵わないや。


「そっか。たしかにあの琉球ダンジョンの動画を観ればそれくらいはわかるね」


 と、姉の私以上にスペックの高い由美の理解力にすぐに降参した私は再度オメガの話に耳を傾けた。


『それで話というのは、実は近いうちに⋯⋯⋯⋯喋る魔物がダンジョンから地上へ侵略を開始するという話です』


「「ええっ?!」」


 私と由美がオメガの言葉に驚きの声を上げる。


『それはすぐかもしれないし、もっと先なのかもしれません。ただし⋯⋯起こることは確実です』


「「⋯⋯」」


『これまで都市伝説のような存在だった喋る魔物ですが今では俺の配信でわかるとおり、都市伝説のような存在ではなく実在していることはみなさんも理解したと思います』


『そして、喋る魔物の強さは一番弱い部類であろう機械的な言葉を話す喋る魔物でさえ、探索者(シーカー)レベルで言えばC級上位ランカー相当の強さを持ってます』


『あと、俺が初めて戦った喋る魔物バロンだと、おそらくA級ランカーに近いレベルでしょう』


『この程度の喋る魔物でさえもこの世界の探索者(シーカー)のレベルで考えれば脅威ですが、奴らにはさらに上がいます。それが一週間前に琉球ダンジョンに現れた()(はしら)のマグダラです』


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