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170「理恵たんの実力(1)」



「えーと、とりあえず『男性化』した理恵たんは、今から24時間はこのままってことなのかな?」

「うん。それでね、できればなんだけど⋯⋯」

「ん?」


 目の前の『ショタ化理恵たん』がショタボイスで返事を返しながらこんな提案をしてきた。


「タケル君と⋯⋯戦ってみたい」

「え?」


 それは突然の告白だった⋯⋯⋯⋯『手合わせ』の。


「私からもお願いしたいな」

「き、如月さんまで⋯⋯!」


 そして、そんな理恵たんの提案に如月さんも便乗する。


「いやいや真面目な話、ショタ化⋯⋯げふんげふん⋯⋯男性化した状態のお嬢の強さはかなりのものでね。私の見立てだと『B級上位ランカー』くらいはあると思っている」

「ええっ! B級⋯⋯上位ランカーっ!?」


 たしか、理恵たんの元々の強さは『D級上位ランカー』程度。てことは、2階級も上がっているということか。


「でもね? 櫻子の見立てでは『A級下位⋯⋯くらいはある』らしいけどね」

「え、A級下位⋯⋯っ?!」

「そのとおりじゃ」

「櫻子たん⋯⋯⋯⋯って、ええええええええ!」


 さっきまで第2実験室にいなかった櫻子たんがやってきた⋯⋯⋯⋯ピンクと水色の縞模様が可愛いらしいビキニタイプの水着姿で!


「ちょっ⋯⋯!? 櫻子たんまでそんな格好で⋯⋯!」

「どうじゃ、似合うじゃろ?」


 というと、櫻子たんが「うっふ〜ん」なポーズを決める。


「うん。小学生低学年の背伸びかと思った」

「だらっしゃああああ!!!!」

「へぶっ!?」


 素直な感想を述べると、櫻子たんに割と本気の『裡門頂肘(りもんちょうちゅう)』を鳩尾(みぞおち)に食らった。


「ええい、乙女心のわからぬ奴じゃ! こういうときは素直に褒めろ、なのじゃ!!」

「今のはタケル君が悪い」

「ご、ごめん⋯⋯なさい⋯⋯」


 裡門頂肘の余韻が残る俺は、息も切れ切れな感じで櫻子たんに土下座した。



********************



「はー⋯⋯まあよい。その方面がポンコツなお前に期待したワシがバカじゃった」

「ごめんなさいませ」

「⋯⋯さて、この娘の今の強さじゃが『最低でもB級上位』、スキル込みだと『A級中位以上』という感じじゃな」

「ええっ! そこまで!?」

「うむ。正直、この『異世界産覚醒(トランス)ポーション』のポテンシャルが地球でここまで飛躍するとはビックリじゃわい」


 それな。いやマジで!


「とはいえ、この娘のポテンシャルが実際どのくらいあるか確かめようとしたのじゃが⋯⋯佐川という奴ではちと役不足でな」

「ひどい! でも、仰る通り! てか、雨宮の相手はもう勘弁してくださいませぇぇ!!!!」


 佐川が櫻子の言葉に激しく同意しつつも、理恵たんの相手はだいぶキツかったのか心の悲鳴も上げていた。


「ということで、佐川君ではお嬢の強さを測る相手としては少々限界でね⋯⋯」

「なるほど」


 そんな如月さんの言葉に俺も納得がいった。元々佐川は俺と同じF級だから、異世界産覚醒(トランス)ポーションを飲んでパワーアップしたとて、今の理恵たんの強さには遠く及ばない⋯⋯そういうことなのだろう。


「⋯⋯ちなみに佐川君の実力分析は済んでいて、彼の実力は現在⋯⋯『C級上位ランカー』相当だ」

「うえっ!? マジっすか!」


 思っていた以上に実力が高いな。


「そんな『C級上位ランカー』相当の実力を持った佐川でも、今の理恵たんはまるで歯が立たない⋯⋯と」

「そうだ。だから、ぜひタケル君にお嬢の実力分析のための相手を改めてお願いしたい」

「ボクからもお願い、タケル君!」


 理恵たんが如月さんの言葉に被せるように訴える。


「ボク⋯⋯タケル君がオメガとして琉球ダンジョンで活躍したのを『オメガちゃんねる』で観てから、ずっとタケル君と戦ってみたいと思ってたんだ!」

「理恵たん⋯⋯」

「ただ⋯⋯だからこそなんだけど⋯⋯正直今でもタケル君があの『オメガ』ってことが信じられなくて⋯⋯。だから、そういう意味でも、この手合わせはボクの好奇心でもあるんだよね⋯⋯てへ」

「⋯⋯!」


 あらかわ、かよ! しかも『ボクっ子ショタボイス』というバフ効果付き⋯⋯というね。


「だから、タケル君⋯⋯ボクとの手合わせをお願いします」

「⋯⋯わかったよ、理恵たん」

「タケル君!」

「わわっ!?」


 俺が了承すると、理恵たんはよほど嬉しかったのか俺に飛び込んでハグした。


 それにしても何というか⋯⋯ショタ化した理恵たんは『性別』だけじゃなく『性格』も普段より活発になった感じがする。実際、元々『クールビューティー』という二つ名が付いていたくらいには感情を表に出さないタイプだったので、今はその違いがより顕著に見える。


 まーそれはそれでその変化も重要ではあるのだが、しかし現在の俺は、


(あ、当たってる⋯⋯。理恵たんの上ではなく下が⋯⋯。ていうか、これ喜んでいいものなのか、俺っ?! わからない⋯⋯わからないよ、ママン!) 


 と、そっち方面の変化を肌で感じており、それに対する自身の反応にプチ混乱していた。


 いや、マジでこれ素直に喜んでいいのぉぉぉ!!!!


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― 新着の感想 ―
こんにちは。 当たっている、つまり…… 理恵「それは私のおいなりさんですっ!」 ……こうですか分かりませんwwww
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