168「水着サービス回?いいえ、副作用説明回です(いいぞ、もっとやれ)(1)」
「お待たせ⋯⋯タケル君」
「あ、理恵た⋯⋯⋯⋯ええええfじゃおふあうふいふfじこっ!?」
理恵たんに声をかけられて振り向くと、そこには⋯⋯⋯⋯水着姿の理恵たんが立っていた。
どどどどどど⋯⋯どゆことぉぉぉ!!!!!
ちなみに、りえたんの水着は赤や黄色・青といった水玉の柄が入ったビキニタイプでフリルスカートの水着だ。
控えめに言って最の高。どうして水着になったのかは不明だがこの状況に感謝を。
それにしても、理恵たんって着痩せするんだな。特に胸の部分が⋯⋯。
そんなことを考えていると、
「ちょ⋯⋯!? タケル君、声漏れてるから!!」
「え?」
え? あれ?
俺の心の声⋯⋯漏れてた?
「だから漏れてるってば! 今もっ!!」
「あ、ご、ごめん⋯⋯」
俺は一度大きく深呼吸をして冷静になった。
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「と、ところで、どうして水着に着替えたの?」
「そ、それは⋯⋯」
と、俺が早速この状況の核心の質問をすると頬を赤らめモジモジする理恵たん。うん、かわゆす。
「それは私から説明しようっ!!」
すると、ここで挙手までして間に入ってきたのは如月さ⋯⋯⋯⋯って、ちょ、えええええ! な、なんで、あんたまで水着なんだよぉー!
「いやー『お嬢に水着でお願い』⋯⋯って言ったら『一人じゃ恥ずかしい』って言うんでね。それで私も水着を装着したのだよー」
あ、心の声漏れてたか。
いや、それは無理もないだろう。なんせ、美少女と美女二人が水着を着て目の前にいるのだから。
ちなみに、如月さんも理恵たんと同じビキニタイプ(色は黒)なのだが、理恵たんに比べ布面積が⋯⋯その⋯⋯非常に『防御力』が脆弱な感じだ!
あと、普段から気づいてはいたけど、理恵たん以上に如月さんのボデーがダイナマイツな件! おかげで目のやり場に困る⋯⋯ありがとうございまぁぁぁぁすっ!!!!
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「コホン。と、ところで、本当になんで水着なんですか?」
「それは、お嬢に起きた副作用が関係しているからなんだ」
「え! 副作用に関係⋯⋯? い、一体、どういう⋯⋯」
「ざっくりいうと、お嬢の副作用は『体の変化』があるんだ」
「ええ!? 体の⋯⋯変化!」
「ああ。だから、水着のほうがわかりやすいと思ってね。あ、別に『お嬢の水着サービス回キボンヌ』とか『タケル君の可愛い反応キボンヌ』とか思ってないから」
「⋯⋯」
確信犯じゃねーか! だが、ありがとう!
ていうか、『キボンヌ』とか2000年代のネットスラングをリアルで使っている人、初めて見たわ!
「そ、それで、理恵たんに⋯⋯どんな変化が⋯⋯?」
「うむ。お嬢は魔力をある一定量まで高まるとその変化が起きるんだが⋯⋯それは直接見てもらおうと思う。それじゃあ⋯⋯お嬢!」
「⋯⋯わ、わかった」
如月さんの合図で理恵たんが魔力を高め始めた。
「え? え? こ、これ⋯⋯本当に⋯⋯理恵たん?」
俺の中で理恵たんがどれほどの魔力を持っているのかは概ね把握していたが、しかし目の前の理恵たんの魔力はその時の上限を遥かに凌駕しており、しかもまだ魔力は高まりを続けていた。
「す、すごい⋯⋯。魔力だけでも以前と比べ物にならないくらいに上がってる⋯⋯!」
そんな、理恵たんの魔力の変化に圧倒されていると⋯⋯それは起こった。
グ、ググググググ⋯⋯。
「う⋯⋯んく⋯⋯⋯⋯はぁぁん!」
「え?」
理恵たんから艶っぽい声が出たのもビックリだったが、それ以上に「着痩せするんだ」と思わせるほどの立派な双丘が⋯⋯なんと縮み出したのだ!
「ん⋯⋯んんんん⋯⋯!」
「は? え? はぁぁぁ!?」
そして⋯⋯とうとう理恵たんの豊かなお胸が全引っ込みした。しかも変化はそれだけじゃなく、
「こ、これが⋯⋯ボクに起こった『異世界産覚醒ポーション』の副作用だよ、タケル君」
「ボ⋯⋯ボクぅぅぅ〜! それに⋯⋯声色も普段と違って⋯⋯」
そう、何というか⋯⋯その⋯⋯『ショタっぽい声』になっているのだ! しかも口調も『ボク』に変わってるし!
「な、何だ? この『拗らせ性癖』のような副作用は⋯⋯」
目の前には、胸が完全に無くなり⋯⋯あ、いや、細マッチョのような胸板となった理恵たんが立っている。
「だ、男性化⋯⋯」
「そう⋯⋯これがお嬢に水着を着てもらった理由だ」