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164「身バレの真相(1)」



「いつから⋯⋯気づいていたの?」

「2回目の配信⋯⋯くらいからかな」

「そう⋯⋯なんだ」


 マ? そんな早い段階から⋯⋯。


「ち、ちなみに、どうしてわかったの⋯⋯?」

「え、えーと、それは⋯⋯」

「それはだな! タケルが初回配信の後に教室で⋯⋯」

「「しゃしゃり出てくんな!」」

「ぶほぉぉ!」


 俺と理恵たんの間に入って発言してきた佐川を俺と理恵たんで掌底でサンドイッチにする。


「お、お前らの掌底(ソレ)は⋯⋯洒落にならないって!?」

「話の途中に割り込んできた佐川(あんた)が悪い」

「ええぇ⋯⋯」

「佐川の顔がムカつく」

「タケルのそれはただの文句!」


 ということで、割り込んできた佐川のおかげで少し理恵たんも落ち着きを取り戻したようだ。


 ん? まさか佐川の奴ワザと⋯⋯? もしそうだとしたらそれはそれで⋯⋯、


「痛ってー! 何でだよっ?!」

「⋯⋯なんかムカつく」


 スタイリッシュな佐川にむかつくのでもう一度掌底を喰らわす俺。それにキョドるさがえもん。


 ということで、一旦リセットしてから佐川の話を聞くこととなった。



********************



「最初に気づいたのは、お前がオメガとして初めて配信した次の日くらいだ」

「最初の配信? ああ⋯⋯最初の炎上したやつか。ん? そういえばあの時たしか教室で「お前がオメガか?」みたいなこと言われたっけ⋯⋯」

「そう。でもあの時はぶっちゃけ確信までは至っていなかった。むしろ、その時はお前が探索者(シーカー)登録したのかを聞き出すためのブラフみたいな感じで言った程度だった⋯⋯。でも、その後⋯⋯」

「⋯⋯その後、私が佐川を呼び出してタケル君が本当にオメガなのか確かめるため⋯⋯その⋯⋯一芝居をするよう佐川に言ったの」

「えっ?! 理恵たんが!」

「はい⋯⋯騙すようなことをして本当にごめんなさい!」


 ここでもう一度理恵たんが頭を下げる。


「だ、大丈夫だよ、理恵たん。もう気にしていないから。そのことはもう大丈夫だから!?」

「許して⋯⋯もらえるんですか?」

「もちろん! この程度、別に何でもないから?! だからこっからは普段どおりでいいからね!」


 俺は相当負い目を感じている理恵たんに「問題ない」ということを再度アピールして安心させる。


「ありが⋯⋯とう、ありがとう、タケル君」


 理恵たんが安心したのかホッとした表情を浮かべた。よかった。


「あれ? 理恵たんが佐川に一芝居を打つよう提案したってことは⋯⋯もしかして俺がオメガだってちゃんと気づいたのは理恵たんってこと?」

「はい、そうです。でも実際タケル君がオメガである根拠っぽいことを言ったのは⋯⋯」

「私だよ、タケル君」

「え? ええええええ⋯⋯! 如月さんがっ?!」


 なんと、元々最初に気づいたのは如月さんだった。



********************



「えーと⋯⋯つまり、俺が探索者(シーカー)登録した日がオメガの最初の配信で言ってい登録日と一致していたところから⋯⋯疑ったってことですか?」

「そう。それに実際探索者(シーカー)協会のサーバに侵入してタケル君が登録されたのも確認した」

「そ、そこまでしたんですか?! ていうか、それ犯罪なのではっ!!」


 と、俺は櫻子たんの顔を見る。


「ん? ああ⋯⋯如月は別に大丈夫じゃ。なんせワシが許しておるからの」

「え? えええええええ! 櫻子たんががががが⋯⋯っ!?」


 いきなり衝撃の事実が櫻子たんから放たれた。


「いやぁ、櫻子とは随分前から協力関係にあるんだよ。その辺の話は琉球ダンジョンに行く前に聞いたでしょ?」

「⋯⋯ま、まあ」


 そう。たしかに如月さんが櫻子たんと協力関係にあるとか、俺や櫻子たんが異世界にいたこと、あと池袋ダンジョンにある『時空間転移魔法陣』のことまで知っている。そして、今回の『覚醒(トランス)ポーションの量産』に関しても。


「だから、私は探索者(シーカー)協会のサーバーにアクセスする許可を櫻子からもらっているってわけさ」

「な、なるほど」

「まーそんなわけでタケル君とオメガの登録日が同じということがわかったのだが⋯⋯だがこの時まではタケル君とオメガが同一人物というにはまだ根拠が足りないだろ?」

「そう⋯⋯ですね」

「ということで、私がお嬢に一芝居打ってもらうよう指示したのさ」

「え? じゃ、じゃあ⋯⋯一芝居打つって話は元は如月さんってこと?」

「そうだ。だからお嬢は私の指示に従っただけに過ぎないのだよ」

「それじゃあ、別にあそこまで理恵たんが謝る必要は⋯⋯」

「うん、無いよ。少なくとも私はそう思っている。でもね? お嬢はそれでもタケル君を騙したのは事実だからっていって、それで責任を感じてずっと思い悩んでいたのさ」

「そ、そう⋯⋯だったんですか⋯⋯」

「柑奈さん! そ、そのことは言わなくていいですから! 私がタケル君を騙したのは事実なんですから!!」


 と、理恵たんが顔を真っ赤にして俺と如月さんの間に入ってそう告げる。如月さんが真相を告げたのが恥ずかしいようだ。


「まーそんなわけでお嬢と佐川君に一芝居を打ってもらったことで、タケル君がオメガであることがわかったんだが⋯⋯さて、そこでタケル君に質問!」

「えっ?!」


 と、突然如月さんがそんなことを言い出す。


「お嬢と佐川君がタケル君に一芝居を打ったといったがそれが何なのか⋯⋯わかるかな?」


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